器物損壊罪で告訴取下げなら

2019-09-10

器物損壊罪で告訴取下げなら

~ケース~

みよし市在住の会社員のAさんは,仕事のストレスを路上駐車している自動車にいたずらすることで発散していた。
ある日,Aさんが仕事の帰りに路上駐車してある自動車に10円玉を用いて傷を付けるいたずらをしていたところ,戻って来た持ち主に見つかり,Aさんはそのまま交番に連れていかれた。
後日、VさんがA被害届を提出したため、Aさんは器物損壊罪の容疑で愛知県警察豊田警察署で改めて話を聞かれることになった。
Aさんは、前科が付くことだけは避けたいという一心で、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談をした。
(フィクションです)

~器物損壊罪~

器物損壊罪は刑法261条に以下の様に規定されています

第261条
前3条に規定するもののほか,他人の物を損壊し,又は傷害した者は,3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

前3条とは公文書等毀棄,私文書等毀棄,建造物等損壊のことです。
行為態様は器物損壊とほぼ同様ですが,公文書等の場合には器物損壊罪に比べ法定刑が重くなっています。
なお,私文書毀棄・器物損壊は親告罪となっています(263条)。
今回のAさんの行った他人の物に傷を付ける行為は器物損壊罪の典型的な行為となります。

ところで,器物損壊罪における「損壊」とは具体的にはどのような行為を指すのでしょうか。
Aさんの行った他人の物に傷を付ける行為や,物を壊してしまう行為が「損壊」に当たることは明らかでしょう。
加えて物理的な損壊に限らず物の効用を害する一切の行為が「損壊」とされています。
効用を害するのは物理的に限らず,心理的に使用できなくするような行為も含まれます。
典型例として,食器に放尿する行為(大判明治42・4・16刑録15輯452頁)や盗難や火災予防の為に埋設貯蔵されているガソリン入りドラム缶を発掘する行為(最判昭和25・4・21刑集4巻4号655頁)等があります。
物の効用を害するとは物を使えなくするという意味ですので,他人の物を隠して必要な時に使えなくするといった行為も器物損壊罪に当たる場合があります。
また,「傷害」とは動物に対して「損壊」を与えることをいいます。
刑法においては動物はすべて「物」として扱われますので,動物に傷害を与えたり,効用を害した場合には動物傷害罪となります。
動物の効用を害した場合には動物傷害罪となりますので,ペットや家畜を逃がす行為も,言葉としては違和感がありますが動物傷害罪に該当します。

~弁護活動~

器物損壊罪では、私人対私人の関係が問題となるため、国家が積極的に介入すべきではないという考えから親告罪となっています。
私文書毀棄も同じ考えから親告罪となっていますが,権利の表示という作用から法定刑が重くなっていると考えられます。
公文書毀棄の場合には公文書,すなわち国家が関係するものですので親告罪となっていません。

器物損壊罪の被害者側が望むのは,損壊を受けた物の修理あるいは金銭での弁償であると考えられます。
そのため,被害者の方に謝罪をし被害品などの弁償をすることが,被害者対応としては重要となります。

器物損壊罪は親告罪ですので,被害弁償の際に,告訴をしない旨約束してもらったり,すでに告訴してしまっている場合でも告訴を取り下げてもらうことで,検察官が事件を起訴することができなくなります。
万が一,告訴をしない旨約束したにも関わらず告訴をされてしまっても,示談書等が作成されていればそれを検察官に証拠として提出すれば,ほぼ間違いなく不起訴となると考えられます。
器物損壊罪は悪質な場合や前科がある場合でなければ,刑事裁判となっても罰金刑となることが多いです。
しかし,罰金刑であっても前科となってしまい,将来,資格取得や何らかの事故を起こしてしまった場合などに多大な影響を与える可能性もあります。
前科を避けるためにも,弁護士に弁護を依頼し示談を締結させることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
器物損壊をしてしまい前科を避けるために示談をしたいとお考えの方は0120-631-881までご相談ください。
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