発作による事故で危険運転致死傷罪に問われたら

2019-09-18

発作による事故で危険運転致死傷罪に問われたら

~発作による事故で危険運転致死傷罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説~

~ケース~

孝田町在住のAさんは、孝田町内の国道を走行中、持病であるてんかんの発作を起こしてしまった。
そのため、Aさんは車を正常に運転することが出来なくなり、近くを歩いていた歩行者Vと接触し、Vさんに全治1カ月の怪我を負わせた。
そして、通報を受けて駆け付けた愛知県警察岡崎警察署の警察官により、Aさんは逮捕された。
その後、取り調べの中でAさんにはてんかんの持病があること、数年前にもてんかんの発作で事故を起こしていたこと、今回の事故当日はてんかんの薬を服用していなかったことが判明したため、危険運転致傷罪の容疑で捜査が進められることとなった。
危険運転致傷罪の法定刑がとても重いことを知ったAさんの家族は、少しでも処分を軽くすることが出来ないかと思い、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部弁護士に初回接見を依頼した。
(この事件はフィクションです)

~危険運転致死傷罪とは~

危険運転致死傷罪とは、飲酒・無免許運転などの危険な運転により相手を死傷させた場合に適用される罪です。
危険運転致死傷罪の法定刑は、被害者が負傷の場合は15年以下の懲役、被害者が死亡した場合は1年以上の有期懲役と非常に重い罰則が設けられています。

そして、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」において、危険運転致死傷罪に該当するケースとして第2条に以下の6つのものが挙げられています。
・アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
・進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
・進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
・人又は車の通行を妨害する目的で、人又は車に著しく接近し、かつ、高速度で自動車を運転させる行為
・赤信号を殊更に無視し、かつ高速度で自動車を運転する行為
・通行禁止道路を進行し、かつ高速度で自動車を運転する行為

また、第3条2項において、
「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。」
と規定されています。
そして、政令で規定されている病気としては、統合失調症、てんかん、再発性の失神、無自覚性の低血糖症、躁うつ病、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害が会挙げられます。

~危険運転致死傷罪になり得るケース~

上記のケースのように、てんかんを持病として持っており、かつ服薬等症状を抑える手立てがあるにもかかわらずそれを怠り、発作を起こして正常な運転ができない状態で起こした事故については、危険運転致死傷罪として厳しく罰せられる可能性があります。
今回は、病気に起因した死傷事故で危険運転致死傷罪に当たるかどうかが争われたケースを紹介させていただきます。

(札幌地裁平成26年2月28日)
被告人は、普通乗用自動車を運転し、駐車場から発進しようとしました。
しかしながら、被告人は糖尿病に罹患しており、低血糖症状による意識障害が生じました。
低下した意識状態のまま進行させた結果、停車中の自転車に衝突し、自転車に乗っていた被害者を死亡させました
なお、被告人はかねてより糖尿病による低血糖症状によって意識障害に陥る恐れがあることを認識していました。

このような事情の下、裁判所は次の通り判断しました。
・被害者は追突されたばかりでなく、被告人運転車両の下敷きとなる痛ましい事故であったこと
・意識障害に陥って運転すれば重大な人身事故を起こしかねないため、自動車の運転を差し控えるべきであったこと
・被告人は、事故の前年に4回も低血糖症状による意識障害に陥っており、前兆なく意識障害に陥ることを認識していたこと
・被告人は5か月前にも、運転中に意識障害による事故を起こしていたこと
などを理由に、被告人の責任は重大だとして、禁錮2年となりました。

病気を起因とする事故を起こしてしまった場合は、交通事故に強い弁護士にご相談されることをお勧めします。
いかに説得的に被疑者・被告人にとって有利となる事情を主張できるかどうかで、危険運転致死傷罪の成否及び最終的な処分が大きく変わるケースもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部弁護士は、危険運転致死傷罪を始めとする刑事事件に強い法律事務所です。
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