名古屋市緑区の刑事事件 金融商品取引法違反 株式のインサイダー取引
名古屋市緑区に住む銀行員のAさんは、自分が融資を担当しているB社が、もうすぐ株式公開買付を行う予定であるという報告を、B社の担当者から受けました。
この報告を受けたAさんは、公開買付の価格が、現在市場で売り出されているB社の株式価格より高かったことから、今のうちにB社の株式を購入しておけば、もうけることができると考え、公開買付が行われるより前に、B社株式を100株購入しました。
(フィクションです。)
~金融商品取引法違反の捜査について~
今回の上記事例のAさんの行為は、金融商品取引法が禁止するインサイダー取引に該当し、インサイダー取引は、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金(併科の可能性も有ります)」の罰則の定めがあります(金融商品取引法197条の2)。
では、金融商品取引法違反の罪というのは、どのような形で捜査を受けるのでしょうか。
インサイダー取引や相場操縦の罪など、金融商品取引法違反の一部の罪は、犯則事件とされ、証券取引等監視委員会から調査を受けることがあります。
証券取引等監視委員会とは、金融庁に設置されている委員会で、犯則事件について違反の嫌疑がある者に調査をしたり、裁判所の令状を得ることによって捜索・差押えなどを行うことができます。
そして、証券取引等監視委員会が調査をした結果、違反の嫌疑が十分にあると考えた場合には、委員会は警察や検察に対し、告発をしなければならないこととなっています(金融商品取引法226条)。
また、告発をした際には、委員会が収集した資料がそのまま捜査機関に引き継がれることとなっています。
もし、金融商品取引法違反で証券取引等監視委員会から調査を受けた場合には、その際に作成された調書なども最終的には捜査機関に引き継がれ、裁判の資料となる可能性があることも見据えなければなりません。
ですので、そのためにも早い段階から弁護士に法律相談・依頼をし、対応等を考えておかなければなりません。