名古屋市中川区の刑事事件 金融商品取引法違反 虚偽有価証券報告書を提出
名古屋市中川区に住むAさんは、東証一部上場企業B社の取締役です。
Aさんは、B社の業績を良く見せるため、自社の株価を上げようと考え、有価証券報告書に、本当は存在しない資産をあたかも存在するかのような形で記載し、そのまま金融庁に提出しました。
Aさんの行為は、どのような罪に該当するのでしょうか?
(フィクションです。)
~虚偽有価証券報告書提出罪~
一部上場企業など、一定の企業には、金融商品取引法上、有価証券報告書の提出が義務付けられています(金融商品取引法24条)。
有価証券報告書とは、企業の事業内容や、規模、株主の状況や、資産の状況について記載されたもので、1年に1回、金融庁に提出されるものです。
一定の企業に有価証券報告書の提出が義務付けられているのは、この報告書を公開することで、投資家に企業の財産状況等を明らかにし、安心して投資ができるようにしてもらうためです。
それゆえ、この有価証券報告書に虚偽の内容を記載することは、株式市場に大きな混乱をもたらすものと評価され、非常に重い罰則が定められています。
そのため、虚偽の有価証券報告書等を金融庁に提出する行為は、金融商品取引法197条により、金融商品取引法の中で最も重い刑罰である「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金またはこれらの併科」という罰則が定められており、非常に重い犯罪であると考えられます。
今回の上記事例のAさんの行為は、架空の資産を有価証券報告書に記載したもので、それを金融庁に提出していますので、虚偽有価証券報告書提出罪が成立する可能性が高くなります。
虚偽有価証券報告書提出罪は、証券取引等監視委員会の犯則調査対象の事件ですから、証券取引等監視委員会が調査を行い、違反の嫌疑があると判断した場合には、捜査機関への告発がなされます。
実際、過去には、有価証券報告書に架空の売り上げを計上したとして、会社役員が有罪判決を受けた例もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、名古屋市を拠点に、愛知県、三重県、岐阜県、静岡県などの東海全域で、刑事事件・少年事件を取り扱う法律事務所です。
交通事故、性犯罪、薬物事件、暴力事件、財産事件など、多岐にわたる案件を手掛けており、示談交渉や早期釈放に向けた活動を行っています。また、裁判員裁判対象事件にも対応し、執行猶予判決の獲得実績もあります。依頼者様とのコミュニケーションを大切にし、丁寧な説明と報告を心掛けています。
刑事事件に関する初回相談は全て無料。相談・接見は、土日祝日、夜間でも対応可能です。お電話をいただいてからすぐ接見に向かうことも可能です。ぜひご相談ください。