置引きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します
愛知県小牧市に住むAさん(32歳)は、名古屋市内の繁華街を歩いていたところ、道路上に見るからに酒に酔っ払いうつむき加減で寝ている男性Vさん(59歳)を見つけました。その男性のすぐ横には、男性のものと思われるバッグが置かれてありました。Aさんはこれを見て「バッグの中に財布が入っているかもしれない。」「周囲には誰もいないし、今なら見つからない。」「盗ってしまえ。」と思い、そのバッグを盗りその場から立ち去りました。Aさんは、現場から1キロ近いところでバッグの中身を確認すると、中には現金5万円が入った財布を見つけました。Aさんは5万円だけ抜き取り、その他の物は川に投機しました。それから5分後、Vさんが酔いから覚め起きました。Vさんはバッグがなくなっていることに気づき、近くの交番へ行き被害届を提出しました。そうしたところ、Aさんは愛知県小牧警察署に窃盗罪で通常逮捕されてしまいました。AさんがVさんのバッグのようなものを持ち去る場面が記録された防犯ビデオ映像が逮捕の決め手となったようです。
(フィクションです。)
~ 置引きとは? ~
置引きとは、置いてある他人の財物を持ち去る行為をいいます。
置引きは、「万引き」や「車上狙い」などと同様、窃盗の手口の一部です。
置引きは窃盗罪(刑法235条)あるいは占有離脱物横領罪(刑法254条)に当たります。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
窃盗罪と占有離脱物横領罪では法定刑に大きな開きがありますから、内を基準に両者の適用が区別されるのか気になるところではにあでしょうか?この点、両者を区別するポイントは
被害者の財物(本件ではバッグ)に対する支配が及んでいるかどうか
という点につきます。支配が及んでいる場合にその財物を奪えば窃盗罪、支配が及んでいない場合にその財物を奪えば占有離脱物横領罪が適用されます。
そして、被害者の支配が及んでいるかどうかは、
・財物の特性
・被害者の支配の意思の強弱
・被害者が置き忘れた場所から取り戻しに行くまでの時間、距離関係
などを総合考慮して決められます。
本件では、Vさんのすぐ横にバッグが置かれていたということですから、Vさんのバッグ(やその中身)に対する支配は及んでいるといえるでしょう。したがって、これを持ち去る行為は窃盗罪に当たります(本件では、Vさんが酔いつぶれて意識を失っていた点は考慮する必要はないでしょう。)
~ 置引きで逮捕されたら弁護士に接見を ~
置引きで逮捕されたら弁護士に接見をご依頼ください。
ご依頼を受けてから速やかに、弁護士が逮捕されている方が留置されている留置場へ行き、逮捕された方と接見いたします。
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