【お客様の声】名古屋市で早期の示談締結により強制わいせつ罪での起訴回避の弁護士
■事件概要
依頼者の弟(30代男性,大学生,前科なし)が,元交際相手である女性に対し,身体の一部を蹴ったりつねるなどの暴行を加えて傷害を負わせたり,義務のないことを行うよう命じた傷害・強要事件。同事件の逮捕罪名は強要のみであるものの,強制わいせつや傷害,器物損壊などの罪が成立する可能性が高い事案でした。
■事件経過と弁護活動
依頼者である姉から当事務所に連絡があった際,既に被疑者である弟は身柄が拘束されており,姉には事件や捜査状況についての情報がほとんどありませんでした。刑事弁護活動の依頼を受けた当事務所の弁護士は,直ちに警察署に赴き被疑者でる弟本人と接見(面会)を行いました。接見では,被害者は被疑者の元彼女であること,付き合っていた当時の愚痴を言い合っているうちに口論になり,エスカレートした結果本件行為に及んでしまったこと,行為態様の悪質性から,被害者である女性の処罰感情が強く,示談交渉が困難となることが予想されることが確認されました。
担当弁護士は,刑事手続きの流れや取調べ対応をアドバイスすることで警察署の留置場に身柄拘束されている被疑者の不安を少しでも取り除くよう努めるとともに,被害者への謝罪と弁償による示談交渉を提案しました。
被害者への示談交渉では、被疑者に謝罪文を作成していただき,被害者に謝罪と反省の意思をお伝えする一方で,被害者には近づかないこと,撮影したデータを破棄し開示・流出させないことを誓約するなど接触可能性や2次被害防止のための対策を講じることで,被害者に安心してもらえるよう努めました。早急かつ粘り強い交渉の結果,被害者と示談をまとめることに成功し,被害者からお許しの言葉をいただくことができました。また,強制わいせつや器物損壊については,告訴取消書を作成していただくこともできました。
その結果,起訴された罪名は傷害と強要のみとなり,より法定刑の重い強制わいせつについては起訴されることを回避することができました。
起訴後はすぐに保釈請求を申請し,裁判所に対して,被告人が犯罪を認めて反省していること,被害者との間で示談が成立していること,依頼者である姉による身元引受及び出廷確保の誓約があること,医療機関でのDV加害者の更生プログラムが準備されていること,被告人の予定する資格試験及び就職活動について身柄拘束の長期化による不利益が大きいことを訴えました。弁護士による保釈請求の結果,裁判所から保釈が許可され,被告人である依頼者の弟は裁判中は自宅で生活することが許されました。
刑事裁判の公判期日では,裁判官に対して,被告人は自分の罪を認め真摯に謝罪と反省をしていること及び再犯可能性がないことなどを主張して執行猶予付きの判決を訴えました。具体的には,被告人は医療機関に通院してDV加害者の更生プログラムを受けていること,依頼者である姉が被告人が二度と犯罪に手を染めることのないよう日常生活を厳しく監督する旨の誓約があることなど被告人に有利な事情を主張して,刑務所ではなく執行猶予による社会内での更生が望ましいことを裁判官に訴えました。
弁護人の公判弁護活動の結果,判決では,執行猶予付き判決を獲得することができました。