お酒と強制わいせつ罪

お酒と強制わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市熱海区に住む大学4年生のAさん(21歳)は、同じ学部に所属するVさんと仲が良く、他の同級生2名と一緒に名古屋市内にあるVさん宅に遊びに行くことになりました。AさんはVさん宅でVさんらとお酒を飲んだあと、Vさんの許可を得てVさん宅に泊まることになりました。AさんとVさんは別々の部屋で寝ていましたが、Aさんは酒が入っていたこともあり気持ちが大きくなって、Vさんが寝ている隙にVさんの体を触りたいと思うようになりました。そこで、AさんはVさんが寝ていた部屋へ入り、Vさんが寝ている隙にVさんの胸や下半身を触りました。翌朝、Aさんは、Vさんから「昨日したことを覚えているよね?」「示談金払わなければ警察に被害届を出すから」などと言われてしまいました。Aさんは自分のしたことに全く記憶がありませんでしたが、就職先の内定も決まっていたこともあり警察沙汰にだけはなりたくないと思い、事を穏便に解決したいと考えています。そこで、Aさんは刑事事件専門の弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

幣所にご相談に来られるお客様の中には、強制わいせつをはじめとする性犯罪で訴えられている、あるいは訴えられそうという状況であるにもかかわらず、お酒の影響でその行為を全く覚えていない、一部分しか覚えていないと言われる方も多くおられます。しかし、被害者が嘘をついておらず、かつ、その話に信用性が認められる限りはやはり罪に問われる可能性も出てきます。日頃から、お酒の飲み方などには注意する必要があります。

~ 強制わいせつ罪 ~

強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。 

「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、

・殴る、蹴る、叩く
・首を絞める、馬乗りになる
・「殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」などと言う

などが挙げられます。
また、暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされています。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、

・膣を触る
・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ
・相手方の感情を無視した接吻

などがこれに当たるでしょう。

なお、わいせつ行為ではなく、「性交等」を行った場合は強制性交等罪というさらに重たい罪に問われる可能性があることから注意が必要です(法定刑は5年以上の有期懲役)。また、同罪を犯す目的で性行等をするに至らなかったときは強制性交等未遂罪に問われる可能性があります。

~ 警察沙汰を回避するには ~ 

被害者から警察に被害届が提出されてしまうと、逮捕されたり、あるいは警察からの呼び出しなどに応じなければならなくなります。それを回避するためには、やはり、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくしかありません。そして、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくためには、被害者との間で示談を成立させる必要があるでしょう。

示談はもちろん、当事者間で成立させることも可能ですが、特に性犯罪の場合は被害者の処罰感情が強く、また罪を犯した側は立場的に弱いですから、どうしても被害者側の要求を鵜呑みにせざるをえなくなり、当事者間で示談を成立させることは難しいでしょう。そこで、加害者側の弁護士が必要となってきます。

お困りの際は弁護士へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

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