傷害のつもり(故意)はなかったのに傷害罪で逮捕

2020-04-26

傷害のつもり(故意)はなかったのに傷害罪で逮捕

傷害のつもり(故意)はなかったのに傷害罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

ケース

会社員のAさん(25歳)は、職場において同僚の目の前で上司のVさんから激しい叱責を受けた腹いせに、Vさんの帰宅時を待ち伏せし、愛知県名古屋市守山区の周辺の雑居ビルの隙間から石を投げて脅かしてやろうと考えた。
しかし、意外にもこれがVさんに当たり、かつVさんは転倒して後頭部を打って全治2週間の怪我を負った。
その後、Vさんは愛知県警守山警察署に被害届を提出した。
その際、実はVさんがAさんの投石行為を目撃していたことから、後日Aさんは傷害罪の容疑で逮捕されることとなった。
Aさんは、「自分は石を投げて脅かしてやろうと考えただけだ。Aが転倒して怪我をさせてやろうなんて考えなかった。」と主張している。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県名古屋市守山区周辺の法律事務所に法律相談を検討している。
(この事例はフィクションです。)

傷害の故意がなかった場合にも傷害罪が成立するのか

人の身体を傷害した者には、傷害罪が成立します(刑法204条)。
法律に定められた刑(法定刑)は、15年以下の懲役又は50年以下の罰金です。

傷害罪における「傷害」(刑法204条)とは、身体の生理機能の障害を意味すると考えられています。
これには、怪我をさせることは当然、病気や精神衰弱状態に陥れることも含まれます。
事例では、Aさんは後頭部の打撲という怪我を負っていますので、結果としては「傷害した」といえます。

ここで、刑法38条1項は、故意犯を原則とし、過失犯は「法律に特別の規定のある場合」に限って例外的に処罰することとしています。
確かに、傷害罪の成立においても,傷害罪の故意が必要と考えるのが自然のようにも思えます。
しかし、暴行罪(208条)の条文を見ると、暴行を加えた者が人を「傷害するに至らなかったとき」に暴行罪が成立するとされています。
この条文を素直に読むと,暴行を加えて結果的に傷害が生じた場合,「傷害するに至らなかった」とは言えないことから暴行罪は適用できないということになります。
ここでもし故意が欠けることを理由に傷害罪も成立しないとすると,次に適用が考えられるものとして過失傷害罪が挙げられます。
ですが,過失傷害罪は法定刑が著しく軽く,故意の暴行により傷害が生じたケースで科すべき刑としては軽すぎる感が否めません。
そのため,暴行の故意があった以上は傷害罪の適用を認めてもよいとする見解が支配的になっているのです。

ケースにおいて、確かに、Aさんの「自分は石を投げて脅かしてやろうと考えただけだ。Aが転倒して怪我をさせてやろうなんて考えなかった。」という主張では、Aさんは投石行為によりVさんに怪我をさせるつもりはなかったのでしょう。
しかし、暴行罪を犯すつもり(故意)で行為に及べば傷害罪を適用する余地はあるので,Aさんには傷害罪が成立する可能性があります。

暴行罪と傷害罪の法定刑の違いについて

暴行罪の法定刑は2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料です(刑法208条)。
これに対して、傷害罪の法定刑は、上述の通り、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金です(刑法204条)。
懲役とは、刑事施設において所定の作業を伴う拘置をいいます。
罰金とは、1万円以上の金銭を国庫に納付することを指します。
拘留とは、1日以上30日未満の刑事施設における拘置をいいます。
科料とは、1000円以上1万円未満の金銭を国庫に納付することを指します。

したがって、暴行罪が成立すると、2年以下の懲役(上限)から1000円以上の科料(下限)までの範囲で刑が定まることになります。
一方、傷害罪が成立すると、15年以下の懲役(上限)から1万円以上の罰金(下限)までの範囲で刑が定まることになります。

このように暴行罪と傷害罪の法律に定められた刑(法定刑)は大きく異なります。
この場合、傷害事件において、適切な刑事弁護活動がなされないまま判決が下された場合に被疑者・被告人が被る損害は、暴行事件に比較して大きくなります。

このため、たとえAさんに暴行罪ではなく傷害罪が成立し得るとしても、起訴された場合の適切かつ妥当な判決獲得のためには、刑事事件に強い弁護士による強い刑事弁護が依然として必要不可欠となります。

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