児童ポルノで逮捕

2021-01-21

児童買春・ポルノ禁止法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

Aさんは、SNSを通じて知り合った高校生Bさん(16歳)に対して、Bさんの裸体を撮影させたうえでその写真を送信させ、この写真を暴露すると言って脅し、さらに路上を全裸で歩く動画を撮影させて送信させたとして、中村警察署の警察官により児童買春・ポルノ禁止法違反(単純製造)及び強要罪の容疑で逮捕されました。
(フィクションです。)

~児童買春・ポルノ禁止法~

児童買春・ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)は、児童買春行為や児童ポルノの所持や提供、製造等の行為を禁じる法律です。

まず、児童買春・ポルノ禁止法における「児童」とは、18歳に満たない者をいい、男女を問いません。
上の事案におけるBさんは16歳ですので、男女のいかんを問わず、児童買春・ポルノ禁止法における「児童」に該当することになります。

次に、「児童ポルノ」とは、①児童を相手方とし、又は児童同士の性交や手淫・口淫など性交に類似した行為、②他人が児童の性器等(性器、肛門又は乳首)を触り、逆に児童が他人の性器等を触る行為で、性欲を興奮させ又は刺激するもの、③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態で、殊更にその性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部)が露出又は強調されており、性欲を興奮させ又は刺激するものといった児童の姿態を視覚で認識できる方法により描写したものをいいます。

上の事案においては、撮影された対象がBさんの裸体とBさんが全裸で路上を歩く姿であるため、③に該当する可能性があります。
これを写真や動画で撮影した場合には、この写真や動画を視覚で認識できる方法により描写したものであると考えられます。
これは、加害者が自ら撮影した場合のみならず、被害者本人に撮影させた場合についても同様です。
したがって、上の事案でAさんの指示により撮影されたBさんの写真や動画は「児童ポルノ」に当たると考えられます。

「児童ポルノ」については、自己性的目的所持、提供、提供目的製造等、不特定多数への提供、公然陳列等が禁止されています。
上の事案のAさんのように、撮影の対象であるBさん本人に自ら撮影させるるという行為は「製造」として禁止されています。
この場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられることがあります。

~強要罪~

Aさんは、児童買春・児童ポルノ禁止法違反のほか強要罪でも逮捕されています。

強要罪は、生命、身体、自由、名誉、若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又はその権利の行使を妨害した場合に成立します。

まず、強要罪における「脅迫」は、人を畏怖させるに足る害悪の告知をいい、脅迫罪のいう「脅迫」と同義であると考えられています。
ここでの「害悪」の内容は、強要罪の条文にも書かれていますが、相手方又はその親族の生命、自由、名誉、財産に対し害悪を加えることに限定されています。

上の事案では、AさんがBさんに対して、Bさんが全裸で路上を歩く動画を撮影して送信しなければBさんの全裸の写真を暴露するという旨の脅迫を加えています。
これは、Bさんの自由や名誉に対して向けられた「害悪の告知」であると考えられますので、Aさんの行為は強要罪における「脅迫」に当たると考えられます。

次に、「義務のないことを行わせ」るとは、行為者に何らその権利・権能がなく、したがって、相手方にも義務がないのに、相手方に作為・不作為又は認容を余儀なくさせることをいいます。
ここでいう義務の内容は、恐喝罪(刑法第249条)、強盗罪(刑法第236条)、逮捕・監禁罪(刑法第220条)、職務強要罪(刑法第95条第2項)などのように他の犯罪に該当しないものをいい、これらの犯罪が成立する場合には、別途強要罪は成立しません。

上の事案では、AさんはBさんに対して、全裸で路上を歩く姿を撮影させるという「義務のないこと」を行わせていますので、この点について強要罪が成立する可能性があります。
この場合、3年以下の懲役に処せられることがあります。

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