児童買春と勾留

2021-01-03

児童買春と勾留について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市在住のAさんはSNSで知り合った高校2年生のVさんと食事をしました。その後,AさんはVさんをホテルに誘いましたが、Vさんから拒否されませんでした。AさんはVさんに性交渉の見返りとして3万円を手渡し,その日は解散ました。後日,Aの自宅に愛知県瑞穂警察署の警察官がAさんの家に来て,Aさんは愛知県瑞穂警察署に児童買春の疑いで逮捕、勾留されてしまいました。
(フィクションです)

~児童買春~

児童買春は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童ポルノ禁止法,児童買春禁止法etc)」で禁止されてます。

第二条 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童

第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。

Aさんは高校2年生,すなわち18歳未満であるVさんに対して3万円を供与して性交渉をしていますのでAさんの行為は児童買春となってしまうでしょう。
ただし,児童買春は故意犯ですので,児童買春の成立には性交等の相手が18歳未満であるとの認識が必要です。
そのため,相手が18歳未満でないと認識していた場合には児童買春は成立しません。
ただし,相手が「18歳未満かもしれない」という認識でも児童買春は成立してしまいますので,年齢を知らなかったことを主張するにはそれなりの根拠が必要となるでしょう。
たとえば,相手が家族の身分証を使って18歳以上であると詐称していたというような場合には児童買春は成立しないでしょう。

~ 勾留 ~

「勾留」とは被疑者または被告人の身体の自由を拘束する裁判及び執行のことをいいます。読みは同じですが刑罰の「拘留」(刑法9条)とは異なります。
勾留は起訴される前の①被疑者勾留と起訴された後の②被告人勾留に分けられます。

①被疑者勾留の勾留期間は検察官の請求のあった日から数えて10日間です。
例えば、令和3年1月1日に勾留請求があった場合の勾留満了日(勾留が終わる日)は同月10日です。ただし、検察官が勾留期間を延長することにつき「やむを得ない事情」があると判断した場合は、勾留期間の延長を請求されることがあります。請求期間は原則として10日間で、請求を受けた裁判官は独自の裁量で延長期間を決めることができます(例えば、検察官が10日間の延長請求しても、裁判官の判断で8日間に短縮されることがあります)。

②被告人勾留の勾留期間は公訴の提起があった日から2か月です。その後は、特に継続の必要がある場合に、決定をもって1か月ごとに更新されます。

~ 勾留と釈放 ~

このように勾留期間は決して短いものではありません。
したがって、この勾留を解く(釈放する)ために、様々な対抗手段を講じることが必要です。
ここでも①被疑者勾留と②被告人勾留の場合にわけてご紹介いたします。

①被疑者勾留の場合、まず、検察官に勾留請求しないよう働きかけたり、裁判官に勾留の決定を出さないよう働きかけることができます。ただし、これは法的な手段ではありません。法的な手段としては、勾留決定が出た後に勾留裁判に対する不服申し立て(準抗告)をすることが考えられます。なお、被疑者勾留の場合、被告人勾留と比べ身柄拘束期間が短いことから保釈請求は認められていません。

②被告人勾留の場合の主な対抗手段としては保釈請求でしょう。その他、勾留更新決定に対する準抗告、抗告の手段なども考えられますが、あまり例がないようです。

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