ナンパで通報!!ナンパのやり方によっては刑事責任を問われる場合も…①

「今から遊ばない?」と女性に声かける、俗にいうナンパが通報されて、治安情報を公開しているサイトに掲載されたことが話題になっています。
本日のコラムでは、この問題を参考に、ナンパのやり方によっては刑事責任に問われることを、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考記事(8月10日配信のFLASH記事より引用

記事によりますと、8月9日午前11時50分ころに、名古屋市名東区において、30代ぐらいの男から「今から遊ばない?」等と声をかけられるといういわゆる「ナンパ」について、ナンパされた女性が通報し、警察や自治体から得た地域の不審者、事件、事故などの治安情報を公開している『ガッコム安全ナビ』に掲載されたようです。
この事が、「ナンパが事件(事案)になるのか?」話題を呼んでいるようですが、本日と次回のコラムでは刑事事件に発展し、刑事責任に問われる可能性のあるナンパについて解説します。

強引なナンパは注意

街行く人に声をかけて、ご飯に誘ったり、交際を求めたりするのがナンパですが、基本的にナンパは初対面の人に対して行われるものなので、強引な誘いは、相手に通報されて警察沙汰になったり、場合によっては刑事責任に問われる可能性があります。
特に男性の女性に対するナンパは、嫌がる相手に付きまとったり、女性の身体に触れる等して刑事事件化されて、実際に刑事責任に問われるケースも少なくないでしょう。
そこで本日は、ナンパの際に、相手の身体に手を触れてしまった場合に適用される法律について解説します。

暴行罪

例えば、相手の手を引っ張ったり、肩に手を回すなど、相手に触れる行為は「暴行罪」となる可能性があります。
暴行罪は、刑法第208条に規定されている犯罪で、条文は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」とされています。
暴行罪でいう「暴行」とは、主に人の身体に有形力を行使することですので、ナンパの際に相手の身体に触れることは、暴行行為だと認定される可能性のある非常に危険な行為だと言えるでしょう。

不同意わいせつ罪

相手の身体のどの部位に触れるかによっては「不同意わいせつ罪」に問われる可能性があります。
不同意わいせつ罪は、つい最近に改定された犯罪で、同意のない相手に対してわいせつな行為をした際に適用される法律です。
ナンパ相手の女性に抱き付いたり、お尻や胸に触れると、不同意わいせつ罪でいうところの「わいせつ行為」と認定される可能性があるので注意が必要です。
不同意わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」と暴行罪と比べると非常に厳しいもので、起訴された場合は、無罪執行猶予を獲得しなければ刑務所に服役しなければなりません。

このように、ナンパの際に相手の身体に手を触れてしまうと、「単にナンパしただけなのに…」では済まされず、思いがけない重たい罪に問われる可能性があるので注意が必要です。
また相手の身体に触れない場合でも、ナンパの仕方によっては、刑事責任に問われ可能性があります。
次回のコラムでは、相手の身体に触れない強引なナンパが、刑事責任に問われるケースについて解説します。

~次回に続く~

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