殴られたので殴り返した場合に、正当防衛が成立するのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
参考事例
名古屋市南区に住んでいるAさんは、散歩中に自転車に乗った男性と通行トラブルになりました。
最初は口論でしたが、相手の男性に急に殴られたAさんは、同じように相手の男性を殴り返してしまいました。
(フィクションです)
喧嘩などで、先に相手から暴行を受けたので、応戦し、殴り返した…これはよくある事例ですが、そこでよく耳にするのが「正当防衛」です。
皆さんご存知のように、正当防衛が認められると、例えその行為が法に触れる行為だとしても、その違法性が阻却され、刑事責任を負いません。
それでは正当防衛はどの様な場合に成立するのかについて解説します。
正当防衛
正当防衛とは、その言葉のとおり、正当な防衛行為だと認められた場合に成立します。
法律上は、刑法第36条1項に規定されており、その内容は
急迫不正な侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するために、やむを得ずにした行為は、罰しない。
と明記されています。
この条文を要約すると、正当防衛が成立するには、少なくとも
①急迫不正な侵害に対しての防衛行為でなければならない。
②自己又は他人の権利を防衛するための行為でなければならない。
③防衛行為はやむを得ずにするものでなければならない。
と3つの条件が必要であることがわかります。
「急迫不正な侵害」とは
「急迫」とは、実際に法益の侵害が存在している最中である場合や、直前に迫っている場合を意味します。
またここでいう「不正な侵害」とは、生命、身体、財産等に危険を感じさせる違法な行為を意味し、この行為は必ずにしも有責であることまでは必要とされていません。
つまり刑事責任を追及されない人からの侵害行為に対する防衛行為であっても正当防衛は成立するとされています。
「やむを得ず」とは
正当防衛の防衛行為は、危険を回避するための唯一の行為であることまでは必要とされていませんが、必要最小限であることが求められ、行為自体が必要最小限であれば、その行為によって重大な結果を招いてしまったとしても、正当防衛は成立するとされています。
殴られたので殴り返した…
今回の参考事例のような場合に正当防衛が認められるか?については、必ず認められるとは言い難く、逆に、積極的な加害行為だとして、認められない可能性の方が高いと言えるでしょう。
確かに「相手からの暴行」は、正当防衛でいうところの「急迫不正な侵害」に該当しますが、相手からの暴行に対して殴り返す行為が、「自己の権利を防衛するためにやむを得ずにした行為」だとは言い難いからです。
まずは弁護士に相談を
正当防衛を主張するケースでは、当事者から事件当時の出来事を詳細に聴き出した上で、要件に当てはまるかどうか判断するという極めて高度な技術と知識が必要となります。
正当防衛を適切に主張するなら、刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めします。。
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