麻薬所持と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
Aさんは、大学を卒業してから3年勤めた会社を退職し、数か月間は貯金を崩して怠惰な生活を送っていました。ある日、Aさんが名古屋市内を歩いていたところ、「気持ちよくなる薬買わない?」と外国人に声を掛けられました。その薬はいわゆるMDMAであり、Aさんは服用後の作用から何らかの違法な薬物であることに気づきました。その後、Aさんは定期的にMDMAを購入するようになり、やがて麻薬及び向精神薬取締法違反の疑いで昭和警察署に逮捕されました。弁護士に事件を依頼したAさんは、執行猶予の獲得に向けて更生を目指すことを誓いました。
(フィクションです)
~麻薬所持について~
上記事例で登場しているMDMAは、身体に様々な作用を及ぼす化学物質を成分とする錠剤型の麻薬です。
幻聴や幻覚の発生、脳の機能不全など、その悪影響は数多くあります。
日本においては、「麻薬及び向精神薬取締法」という法律が麻薬に関する種々の規制を定めています。
まず、規制対象である「麻薬」の具体例は、法令により化学物質が列挙されるかたちで指定されています。
先述の法以外に、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」などに定めがあります。
麻薬に関して禁止されている行為は多岐にわたります。
中でも特によく見られるのは、やはり麻薬の所持と言えるでしょう。
麻薬所持の罰則は、所持した麻薬が「ジアセチルモルヒネ等」(「等」は塩類も含む趣旨)を含むものだったか否かにより異なっています。
まず、「ジアセチルモルヒネ等」を所持した場合については、10年以下の懲役となっています。
もし営利目的(たとえば販売目的)での所持であれば、罰則は1年以下の有期懲役(上限20年)、更に場合により500万円以下の罰金が併科されます。
次に、「ジアセチルモルヒネ等」以外を所持した場合については、7年以下の懲役となっています。
こちらに営利目的がつくと、1年以上10年以下の懲役、更に場合により300万円以下の罰金が併科されます。
いずれにせよ、年単位で懲役刑が科されることから重大と言えるでしょう。
~執行猶予を目指して~
麻薬所持を含む薬物事犯は、基本的に不起訴で終わるということがあまり期待できません。
ですので、もし事件が発覚すれば、よほどのことがない限り起訴されて裁判に至ると考えて構いません。
逮捕および勾留による身体拘束の可能性も高くなっています。
上記の点と罰則の重さを踏まえると、麻薬所持事件において第一に目指すべきは執行猶予の獲得だと考えられます。
執行猶予が獲得できれば、裁判が確定してから直ちに刑務所に収容されるという事態を回避できます。
そのため、裁判が終わってから社会復帰をすることが可能となっています。
更に、執行猶予期間中に罪を犯すなどして執行猶予が取り消されなければ、期間の満了をもって刑を免れることができます。
有罪となって刑を言い渡された事実が消えるわけではありませんが、もはや刑の執行を憂う必要がない点は有益です。
執行猶予を獲得するうえで重要なのは、裁判で更生の意思をきちんと示し、目指すべき将来があることを裁判官に訴えることです。
そのためには相応の労力を費やすことが必要であり、闇雲に行うのは賢明ではありません。
少しでも執行猶予の可能性を高めるのであれば、ぜひ法律の専門家である弁護士に相談しましょう。
もし事件を依頼すれば、執行猶予獲得に向けた手厚いサポートが受けられるはずです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は,まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。