名古屋市の保護責任者遺棄致死罪で逮捕 釈放の弁護士
名古屋市港区在住30代男性会社員Aさんは、名古屋地方検察庁により保護責任者遺棄致死の容疑で起訴されました。
起訴状によると、以下の事実があったということです。
「被告人は、名古屋市のホテルで交際中の女性と危険ドラッグを服用した際、女性が薬物中毒になったのに使用発覚を恐れ、すぐに病院に搬送せず多臓器不全で死亡させた。」
今回の事件は、平成27年2月10日産経ニュースの記事を基に作成しています。
ただし、地名、検察庁名は変えてあります。
~保護責任者遺棄致死傷罪とは~
保護責任者遺棄致死傷罪は、
「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者が、これらの者を遺棄又はその生存に必要な保護をしなかったことで、死傷させた場合」
に成立します。
保護する責任のある者とは、親族に限らず、看護師やベビーシッター等、仕事上保護の責任がある者も含まれます。
法定刑は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断されます(刑法219条)。
言い換えると、法定刑の幅は、3月以上15年以下の懲役に処せられます。
~判例の紹介~
紹介する判例は、平成16年6月24日、金沢地方裁判所で開かれた保護責任者遺棄致死被告事件です。
【事実の概要】
被告人は、被告人方において、自力で起きあがることができず、自力による食物摂取及び排泄処理ができない老年者かつ病者である実母A(当時87歳)と2人で居住していた。
そのため、同女を保護すべき責任を有するものである。
しかし、被告人は同市福祉保健課職員から上記Aの入院準備資金としての援護費3万円の給付を受けたことを奇貨として、同県金沢市内でパチンコ遊興にふけることを企図した。
同女の看護等生存に必要な措置を講ずることなく、同女を上記被告人方に置き去りにして遺棄した。
よって、同年2月2日ころ、上記被告人方において、同女を栄養不良及び寒冷のため凍死させるに至らしめたものである。
【判例】
懲役4年(求刑 懲役5年)
【量刑の理由】
被告人に有利な事情
・被告人が本件犯行を反省していること
・被害者との二人暮らしになって以降、十分とはいえないもののこれまで一人で被害者の身の回りの世話をしてきたこと
・社会復帰後は被害者の供養をしたい旨述べていること
・前科・前歴がないこと
保護責任者遺棄致死事件で逮捕されても、適切な刑事弁護活動を受ければ、早期の釈放を実現できる可能性があります。
保護責任者遺棄致死事件でお困りの方は、釈放を得意とする愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所にお任せください。
なお、名古屋拘置所で初回接見を行う場合、初回接見費用は3万5700円です。