瀬戸市の虚偽告訴罪なら
~ケース~
瀬戸市在住のAさんは日頃から仲が悪く、恨みを抱いていたVさんに何か嫌がらせをしてやれないかと考えていた。
ある日,Aさんは自宅のガレージのシャッターを自分で壊し,これをVさんのせいにして困らせてやろうと思い、愛知県警察瀬戸警察署に被害届を提出した。
捜査が進むうちに、Vさんが本当に犯人でないかと疑われるようになった。
とんでもないことをしてしまったのではないかと不安になったAさんは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を利用した。
(フィクションです)
~虚偽申告罪~
Aさんはガレージのシャッターを壊しているので器物損壊の被害を受けたという外観自体はあります。
しかし,実際には自分で壊したのであり,実際には器物損壊の被害を受けていません。
したがって,愛知県警察瀬戸警察署にガレージのシャッターを壊されたと被害届を提出することは,虚偽の被害届を提出したことになります。
このような虚偽の被害届を提出することは軽犯罪法1条16号違反となると考えられます(虚偽申告罪)。
虚偽申告罪は虚構の犯罪または災害の事実を公務員に申し出た者が処罰対象となります。
公務員とは当該公務員,すなわち犯罪または災害に対処すべき権限を有する公務員をいいます。
犯罪に関しては警察官の他に検察官,および検察事務官などが考えられ,災害については警察官の他に消防署員や市町村職員などが考えられます。
今回のケースでAさんは自分で壊したガレージのシャッターを(Vさんに)壊されたと虚偽の被害届を愛知県警察瀬戸警察署に提出していますので虚偽申告罪が成立します。
なお,虚偽申告罪は軽犯罪法違反ですので罰則は拘留または科料と軽いものになっています。
また,場合によっては捜査機関に対する偽計業務妨害罪(刑法233条)が成立する可能性もあります。
偽計業務妨害罪の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
~虚偽告訴罪~
次に、Aさんによる虚偽の被害届の提出が刑法172条の虚偽告訴罪に該当するかどうかについて考えてみたいと思います。
条文は以下の通りです。
刑法172条
人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で,虚偽の告訴,告発その他の申告をした者は,3月以上10年以下の懲役に処する。
虚偽告訴罪の構成要件は「人に刑事処分または懲戒処分を受けさせる目的」で「虚偽の告訴,告発,その他の申告」をすることです。
Aさんは「Vさんを困らせてやろう」すなわち器物損壊罪に問われるようにしてやろうと思っていたといえますので「刑事処分または懲戒処分を受けさせる目的」があったといえるでしょう。
告訴とは被害者等の告訴権者から,捜査機関に犯罪事実を申告し犯人の処罰を求める意思表示を言います。
告発とは告訴権のない者が,捜査機関に犯罪事実を申告し犯人の処罰を求める意思表示を言います。
器物損壊罪は主に民事上で当事者間で解決が図られるという趣旨から公訴の提起には告訴が必要な親告罪となっています。
今回Aさんは、愛知県警察瀬戸警察署に被害届を提出しただけですが被害届はその他の申告に当たるのでしょうか。
この点,被害届であっても告訴や告発と同様に捜査の端緒となり,原則,同様の捜査手続きが取られることから被害届も虚偽告訴罪のいうその他の申告に含まれると考えられます。
~虚偽告訴をしてしまったら~
虚偽告訴罪は裁判の確定や懲戒処分が行われる前に自白(自首,出頭)した場合には刑の減軽および免除が可能となっています(刑法173条)。
裁量的減免となっていますので必ず刑の減免をしなければならないわけではありませんが基本的には減免されると考えられます。
また,捜査機関などへの虚偽の申告をしてから自白までの期間が短いほど減免される割合は高くなるでしょう。
虚偽告訴罪は,罰金刑がないので起訴された場合には必ず刑事裁判を受けることになります。
執行猶予付きの判決となることも多いようですが,場合によっては実刑判決が下される可能性もあります。
ただし,早い段階で自白をすれば起訴猶予の不起訴処分となることも考えられます。
そのため,虚偽告訴をしてしまった場合には出来る限り早く自白されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件に強い法律事務所です。
虚偽告訴罪に限らず,様々な刑事事件の自首・出頭同行の相談も受け付けております。
刑事事件で自首・出頭をお考えの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
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(愛知県警察瀬戸警察署の初回接見費用 39,600円)