強盗事件を起こして逮捕されてしまったら
~強盗事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~
~ケース~
名古屋市千種区で一人暮らしをしている大学3年生のAさんは自分の娯楽の為,両親に内緒で消費者金融から借り入れをしていた。
しかし,Aさんは返済日に返済用の現金を用意できず,近所の店で強盗をし現金を奪おうと考えた。
Aさんは犯行当日,包丁を持参しV店に押し入り従業員Xさんに包丁を突きつけ現金を出すように要求した。
しかしXはこれに応じず,緊急通報システムによって駆けつけた愛知県千種警察署の警察官によってAさんは強盗罪の疑いで逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)
~強盗罪~
強盗罪は刑法236条に規定されています。
刑法236条
1.暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は,強盗の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。
強盗罪のいう暴行又は脅迫は相手方の反抗を抑圧するに足りる程度の強さが必要です。
強盗の際の暴行・脅迫が反抗を抑圧するに足りる程度であったかどうかは客観的な基準によって判断されます。
今回のAさんのように包丁を突きつけるという行為は反抗を抑圧するに足りる暴行・脅迫となりますのでAさんの行為は強盗罪に該当するといえるでしょう。
しかし,Aさんは強盗を試みたものの,Xさんが要求に応じずお金を奪う事はできませんでした。
強盗罪はお金などの財物を奪った時点で既遂となりますので,お金などを奪えなかった場合には強盗未遂罪にとどまります(刑法243条)。
そのため,Aさんには強盗未遂罪が成立することになります。
なお未遂の場合は,「その刑を減軽することができる」と定められています(刑法43条)。
~刑事手続き~
今回のAさんの場合,一人暮らしであるという事情から逮捕後に検察官の請求により勾留されてしまう可能性が高いでしょう。
一人暮らしであるという事情から逃亡のおそれが高い,また近所の店に押し入っての強盗ですから被害者等への接触といった証拠隠滅のおそれも高いと判断されてしまうおそれがあります。
勾留の期間は勾留請求の日から10日間で,勾留満期の時点で検察官は被疑者を起訴するかどうかを決めなければなりません。
事件が複雑である場合など,10日間では起訴または不起訴の決定が困難な場合には検察官の請求により,裁判官は10日間を限度に勾留期間を延長することができます。
刑事訴訟法では,逮捕後,被疑者を検察官に48時間以内に送致し,送致を受けた検察官は24時間以内に被疑者の勾留を請求するか釈放するかを決定しなければならないとされています。
そのため,単純計算で起訴されるまでに最長で23日間身柄拘束されてしまうことになります。
その間が警察署の留置場などで生活することになりますので,当然大学へ通ったりアルバイトなどに行くこともできません。
そうなってしまうと出席日数が不足してしまったりアルバイトを解雇されてしまう可能性も高いでしょう。
したがって,勾留はできるだけ回避する必要があります。
~弁護活動~
今回のケースではまずAさんが勾留されないように活動していくことになるでしょう。
未遂罪とはいえ,強盗罪は重大事件ですので勾留されてしまう可能性は高いでしょう。
しかし,両親が身元引受人になり同居などによって監督を約束,警察などの出頭要請には必ず従うといったことを約束すれば裁判官が検察官による勾留請求を棄却する可能性はあります。
勾留請求が認められてしまった場合には勾留に対する準抗告をすることによって,それが認められれば釈放となる場合もあります。
強盗罪は5年以上の有期懲役というかなり重い刑罰が規定されています。
強盗罪には罰金刑が定められていないので起訴されてしまった場合には刑事裁判を受けることになります。
今回,Aさんの起こした強盗未遂事件は事件の内容がそこまで重いものではないとも思われます。
しかし,未遂であり刑の減軽がされたとしても刑事裁判の結果は執行猶予付きの懲役という判決になるでしょう。
今回のような事案では,被害店舗や被害者の方と示談交渉をし,加害者を許すという宥恕条項を盛り込んだ示談を成立させることができれば検察官は事件を不起訴とする可能性が高くなります。
しかし,示談を使用と思っても被害者の方は恐怖心や不信感などから加害者本人との示談に応じることは少ないと思われます。
弁護士が代理人として示談をするという場合であれば被害者の方も安心して示談に応じて頂ける可能性が高くなります。
強盗未遂罪であっても示談によって不起訴となった事例は多くあります。
ご家族の方が強盗事件を起こしてしまいお困りの方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の弁護士にご相談下さい。
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