器物損壊罪で示談をするなら

器物損壊罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県田原市に住むAさんは、同僚のVさんと仕事中に意見が衝突することが多々ありました。そこで、Aさんは、ある日、Vさんを困らせようと思い、Vさんの仕事上のデータが入ったUSBを隠しました。
数日後、Aさんは田原警察署から器物損壊罪の疑いで事情を聴かれることになりました。VさんがUSBがなくなったことに気付き、田原警察署へ告訴状を提出して、田原警察署が捜査を続けていたところ、VさんのUSBを取ったのがAさんということが判明したようです。Aさんは自分のしたことを申し訳なく思っており、Vさんと示談してVさんに告訴状を取り下げてもらいたいと考えています。
(事実を基にしたフィクションです。)

~器物損壊罪とは~

器物損壊罪は刑法261条に規定されています。

刑法261条
 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

以上の規定から器物損壊は、

①他人の物
②損壊
③故意

という要件がそろってはじめて成立する罪だということが分かります。

この点、USBはVさんの物で①「他人の物」に当たることは明らかです。
次に、②の「損壊」についてですが、「損壊」という言葉を聞くと物を壊す、というイメージがあるかと思いますが、器物損壊罪の損壊は物の本来の効用を失わせること、と解されています。
この点、AさんがVさんのUSBを隠匿するという行為によって、Vさんが必要な時にUSB内のデータを使用することが出来なくなるという、USBの本来の効用を失わせることにつながってしまいます。
したがって、AさんがVさんのUSBを隠匿する行為は器物損壊罪の「損壊」に当たります。

なお、USB内のデータの内容次第では、私用文書等毀棄罪というより重い罪が成立する可能性もあります。(5年以下の懲役)

~親告罪に問われたら~

器物損壊罪は親告罪です。
親告罪とは、被害者からの告訴がなければ検察官が起訴(公訴の提起)をすることができない犯罪の種類のことです。
つまり、被害者からの告訴無しに、捜査機関が単独で逮捕や捜査を進めることができない犯罪のことを言います。

したがって、親告罪における最も早い刑事事件解決の方法としては、被害者と示談交渉を行い、告訴を取り下げてもらうことです。
示談交渉の結果、被害者が告訴を取り下げてくれれば、検察官は起訴することが出来ず、刑事事件としてそれ以上進展することはありませんので、被疑者の負担を減らすことに繋がります。
また、当然刑事処分を受けることもありませんので、前科が付く恐れもありません。

その為、器物損壊罪といった親告罪に問われた場合、出来るだけ早く刑事事件に強い弁護士に依頼し、示談交渉を進めてもらうことをお勧めします。
示談交渉はスピードが命です。
もし、謝罪や示談交渉が遅れてしまい、被害者の気分を害してしまうと、示談が難航、あるいは示談に取り合ってくれなくなってしまう恐れがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、器物損壊罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。弊所には示談交渉を得意とする弁護士が所属しております。お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。

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