下着の窃盗

2020-11-17

下着の窃盗について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県豊橋市に住むAさんは、近所に住む面識のないVさんに好意を抱いていました。ある日、AさんはVさんが自宅の鍵をポストに入れて外出しようとするところに出くわしました。そこで、Aさんはたまたま鍵のかかっていなかったポストから鍵をとってVさん宅に侵入し、タンスにあった下着を懐に入れてVさん宅を出ました。そうしたところ、AさんはVさんの交際相手である男性Wと出くわし、その場で、現行犯逮捕されてしまいました。Aさんの母親は、豊橋警察署からAさん逮捕の連絡を受け、弁護士にAさんとの初回の接見依頼しました。
(フィクションです)

~窃盗罪~

窃盗罪は、ご存知のように他人の財物を窃取した場合に成立する可能性のある罪です。
窃盗罪が成立するには、他人の財物を「窃取」したこと、および「不法領得の意思」があったことが必要です。

まず、「窃取」とは、他人の意思に反して物の支配を移転することを指します。
この支配の移転が完遂できれば窃盗罪は既遂となる一方、移転に着手したものの完遂できなければ未遂にとどまります。
問題はどの時点で完遂したと言えるかですが、それは対象物の特性や周囲の状況などにより異なります。
上記事例のように下着を盗んだ場合であれば、懐に入れた時点で自己が支配するに至ったとして、窃盗罪は既遂になる可能性が高いでしょう。

次に、「不法領得の意思」とは、権利者(他人)を排除し、対象物をその経済的・本来的用法に従い利用・処分する意思を指します。
こうした要件が要求される趣旨は、物を一時的に借りるだけの行為や、隠したり壊したりして物の利用を妨げる行為との区別をすることにあります。
この点、AさんはVさんの下着を盗んでいる以上、権利者排除意思が認められることは明らかです。次に、経済的利用処分意思についてですが、下着については、本来、それを身に着けることが経済的な利用処分ということになるでしょう。もっとも、こうした意図で下着を盗む人は少ないです。むしろ、下着を盗むことで自己の性的欲求を満たそうというのが本心ではないでしょうか?ただ、その場合でも、不法領得の意思は認められると考えられると考えられています。

~不起訴の獲得は可能か~

刑事事件では、その全てが裁判にかけられて刑罰を科されるわけではありません。
ある事件について刑事裁判を行うかどうかは検察官が判断し、検察官の判断次第では不起訴となってそのまま事件が終了することもあります。
この点は逮捕されようがされまいが変わらないので、逮捕されたからといって必ず起訴されるかというとそういうわけではありません。

不起訴の理由には様々なものがありますが、そのうちの一つとして起訴猶予というものがあります。
起訴猶予とは、被疑者の境遇、犯罪の内容、犯罪後の事情などの多種多様な事情を考慮し、有罪立証の見込みがある場合でも敢えて起訴を見送ることです。
犯罪の疑いが晴れるわけではありませんが、不起訴であることには変わりないことから、前科が付くのを回避できます。

窃盗事件には様々な態様のものがありますが、たとえば少額の万引きとは異なり、住居侵入・窃盗事件というのは決して軽いものではありません。
ただ、被害者との示談が締結するなど、事情次第では不起訴となることもありえます。
ですので、もし不起訴を目指したいということであれば、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。