今回は、愛知県で起きた妻に対する殺人未遂事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【ケース】
愛知県警一宮署は二十二日、同居の妻を殴り殺そうとしたとして、殺人未遂の疑いで、同県一宮市今伊勢町本神戸、自称アルバイト男性容疑者(36)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑では同日午後七時十分ごろ、自宅で口論となった妻(34)の頭をモンキーレンチで数回殴り、殺そうとしたとされる。妻は頭部から出血し、病院に運ばれたが、命に別条はない。
署によると、男性容疑者は殴ったことは認めているが、殺意は否認している。通行人が「女性が血だらけで助けを求めてきた」と通報し、駆け付けた署員が逮捕した。
(https://www.chunichi.co.jp/article/622519?rct=tag_shimen 1月23日 「妻をモンキーレンチで殴る 殺人未遂の疑いで一宮の男逮捕」より引用 ※氏名等の個人情報については秘匿しています)
【殺人未遂事件の弁護活動】
殺人未遂罪の法定刑は「死刑又は無期若しくは五年以上の懲役」となっており、代表的な重大犯罪です(法定刑自体は殺人既遂罪も殺人未遂罪も同じです)。
また、殺人未遂罪は裁判員裁判対象事件です(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第2条1項1号)。
【殺人未遂事件の特徴】
殺人未遂の嫌疑で検挙されるケースは意外に多く、故意に自動車を他人にぶつけた場合、自動車のボンネットに他人を乗せたまま急加速するなどして振り落とし怪我を負わせる行為などがあります。
冒頭のケースについても、被疑者は被害者の頭部をモンキーレンチで複数回殴打しており、このような場合においては殺人未遂の嫌疑で検挙される可能性が高いでしょう。
【傷害罪に「罪名落ち」する可能性】
ただし、殺人未遂の嫌疑で検挙された場合であっても、殺人罪の実行行為として認められる行為を立証できるだけの証拠がない、殺意を立証できるだけの証拠がないなどの理由で、最終的に傷害罪などの罪名に変更される場合もあります。
捜査の初期段階で殺人未遂とされていても、後の捜査や公判で罪名が軽くなるケースはそれほど珍しくありません。
傷害罪に留まった場合には法定刑が「十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」となるため、かなり被疑事実が軽くなるといえるでしょう。
もし傷害罪に留まった場合には、被害者のケガの状況にもよりますが、十分な謝罪と賠償を行い、示談をすることによって、不起訴処分を獲得できる場合もあります。
自身が、あるいはご身内の方が殺人未遂の疑いで検挙された場合、大変驚くと思いますが、法律の専門家である弁護士の観点から事件を再チェックすることには大きな意義があります。
まずは接見にやってきた弁護士と会い、今後の弁護活動の方針についてアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
ご家族が殺人未遂の疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。