愛知県名古屋市中村区の住居侵入事件で逮捕
愛知県名古屋市中村区の住居侵入事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【刑事事件例】
高校教諭であるAさんは副業としてスポーツ教室を運営していました。
ある日、Aさんは、愛知県名古屋市中村区内にある、スポーツ教室の教え子であるVさん(女子高校生)の自宅に侵入しました。
しかし、AさんがVさん宅の玄関付近の部屋にいたところ、偶然帰宅したVさんに見つかってしまったため、Vさんに「しっかり鍵をかけておきなさい」と言って立ち去りました。
その後、Aさんは愛知県中村警察署の警察官により住居侵入罪の容疑で逮捕されました。
住居侵入罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、愛知県名古屋市にある刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(2020年10月2日に毎日新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)
【住居侵入罪とは】
「正当な理由がないのに、人の住居」「に侵入した者」には、住居侵入罪が成立します(刑法130条)。
住居侵入罪を犯した者には、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます。
住居侵入罪における「侵入」とは、住居権者・管理権者の意思に反する立入りを意味します(最高裁判所判決昭和58年4月8日、最高裁判所決定平成19年7月2日)。
そして、住居権者とは住居を事実上支配・管理をしている者を指します。
そのため、居住者は原則として住居権を有すると考えられます。
例えば、居住者が「入れたくない」と思っているのにも関わらず、行為者が住居に立ち入った場合、行為者には住居侵入罪が成立すると考えられます。
刑事事件例では、Aさんは居住者であるVさんの両親に無断でVさんが住む自宅に立ち入っています。
そして、Vさんの両親には、Aさんに無断での立入りを許す意思があったとは考えられません。
よって、Aさんの立入りは住居権者の意思に反する立入りであるとして、住居侵入罪における「侵入」に該当すると考えられます。
また、住居侵入罪における「正当な理由」とは、刑法上の違法性を失わせる事由(違法性阻却事由)を指します。
刑事事件例において該当し得る刑法上の違法性を失わせる事由(違法性阻却事由)としては、正当業務行為(刑法35条)があります。
そして、正当業務行為は社会生活上正当なものと認められる業務行為を指します。
しかし、刑事事件例のように、教え子であるVさんの住居に立ち入る行為は、たとえ「しっかり鍵をかけてお」くよう伝えるという教育的な観点からなされたとしても、社会生活上正当なものと認められる業務行為の範囲を超えると考えられます。
よって、Aさんの立入りには住居侵入罪における「正当な理由」があったとはいえないことになります。
以上より、Aさんには住居侵入罪が成立すると考えられます。
【住居侵入罪と取調べ】
Aさんは愛知県中村警察署の警察官により住居侵入罪で逮捕されていますが、Aさんが住居侵入行為をした理由は何だったのでしょうか。
Aさんの供述通り、単に指導をする目的であっただけのケースも考えられますし、Vさんの下着を盗む(窃盗罪を犯す)目的があったのではないか、強制わいせつや強制性交等をする(強制わいせつ罪や強制性交等罪を犯す)目的があったのではないかと、別の犯罪目的で住居侵入罪を犯した可能性もあると考えられるかもしれません。
このような犯行動機や余罪の有無は当然警察官・検察官による取調べにより厳しく追及されるおそれがあります。
例えば、警察官・検察官から、Aさんは実はVさんの下着を盗んでおり、窃盗罪が成立するのではないかと疑いをかけられる可能性が考えられます。
また、性的な目的から同種の住居侵入事件を複数犯しているのではないかと指摘される可能性もあります。
刑事事件例では、警察官・検察官による厳しい追及に対してどのように対応すればよいのか、警察官・検察官の言動にどのような意味があるのか、刑事弁護の専門家として分かりやすく助言・説明することができると考えられます。
これにより、警察官・検察官の誤った誘導に乗ってしまい、本来は違うのにVさんの下着を盗んでいたという調書が作成されてしまったり、してもいないのに同種の住居侵入事件を複数起こしていると自白してしまったりすることを防ぐことができると考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
愛知県名古屋市中村区の住居侵入事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。