愛知県迷惑行為防止条例⑤(ダフ屋行為)

2019-03-23

愛知県迷惑行為防止条例⑤(ダフ屋行為)

~迷惑行為防止条例~

迷惑行為防止条例とは各都道府県が定めている条例です。
都道府県によっては「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」という場合もありますが,近年,迷惑行為防止条例に名称が変更されている都道府県も多いです。
愛知県は改正条例が平成31年1月1日に施行され,名称も愛知県迷惑行為防止条例となりました。
愛知県迷惑行為防止条例は全21条から構成され,その内,第2条から第9条までが規制される行為を定めています。
(上記は前回までと同様)

今回は第4条(ダフ屋行為の禁止)を解説していきます。

~ダフ屋行為と各種法令~

愛知県迷惑行為防止条例第4条はダフ屋行為の禁止を規定しています。
ダフ屋行為とは以下の2つの行為を指し,いずれか片方でも行うと、ダフ屋行為として愛知県迷惑行為防止条例違反となります。

・チケット類を転売目的で公共の場所または公共の乗物で購入し,または購入しようとすること
・公共の場所または公共の乗物で転売し,または転売しようとすること

ここでいうチケット類とは乗車券,急行券,指定券,寝台券その他の運送機関を利用することができる権利を証する物又は入場券,観覧券その他の公共の娯楽施設を利用することができる権利を証する物と規定されています(第4条)。
罰則は各都道府県によって異なりますが愛知県の場合は50万円以下の罰金または拘留もしくは科料となっています。
ダフ屋行為は都道府県の条例以外にも各種法令によって規制される場合がありますので併せて説明していきたいと思います。

日本の民法では契約の自由が原則となっています。
その為,ダフ屋が購入者にチケット類を販売しても契約の自由の原則から適法なようにも思われます。
しかし,ダフ屋行為はチケット類を不当に高値で売り付けたり,盗品や偽造のチケット類を流通させたり,虚偽告知や強要的要素が強く公序良俗に反する行為とみなされています。
また,ダフ屋行為は暴力団などの反社会的勢力の資金源となっていたこともあり,契約自由の原則を適用せず,取り締まりの必要があるとされています。

ダフ屋行為の規制が一番最初に盛り込まれた条例は1962年の東京都迷惑防止条例だと思われます。
しかし,ダフ屋行為が禁じられたのは戦後食糧難の時代において,配給券の買い占め行為が存在し,放置すれば餓死者が発生する恐れがあったため,時代に要請され緊急に取り締まる必要があったためといわれています。
その際には物価統制令という勅令を使用しダフ屋行為を取り締まっていました。
また,1957年の事件では最高裁判所が「ダフ屋」と名指しして処断をした例もあります(昭和36年2月21日最高裁判所第三小法廷判決)。
物価統制令では「不当に高価な」または「暴利となるべき」価格での売買を禁止しており,違反すると10年以下の懲役または500万円以下の罰金となります。
近年でも,ダフ屋行為を条例で規制されていない都道府県でダフ屋行為を規制するために物価統制令が用いられた事件も存在します(1997年の京都府)。

大量に反復継続してチケット類を転売した場合古物営業法違反となる場合があります。
チケット類を含む証票券類も古物営業法の古物に該当するためです。
なお,町中にある金券ショップはすべて営業許可を取得しています。

さらに,チケット類購入時の規約に違反して転売目的でチケット類を購入した場合,詐欺罪に問われる可能性もあります。
最近では購入サイト等で会員証や本人確認書類の提示を求められる場合がありますが,他人の会員証や本人確認書類を用いて購入した場合にも詐欺罪に該当します。
加えて,これら会員証や本人確認書類が他人の物ではなく,偽造・変造したものであった場合,文書偽造罪に問われる場合もあります。

また,近年では,インターネットの普及によりインターネットオークションやチケット転売サイト等でのチケット類の転売事件が多くなっています。
インターネットオークションやチケット転売サイトを利用した場合,転売目的や営業性,反復継続性によっては都道府県条例以外にも各種法令の適用により検挙,逮捕される場合があります。
インターネットオークション等が「公衆の場」に該当するかどうかは定まった見解が存在しませんが、迷惑行為防止条例の「転売目的でチケット類を公衆に対して発売する場所において購入すること」が適用された事例も多くあり,古物営業法違反や詐欺罪に問われたケースもあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
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