Archive for the ‘刑事事件’ Category

【ニュース紹介】名古屋市北区で起きた強制わいせつ致傷事件

2023-06-28

今回は、名古屋市北区で起きた強制わいせつ致傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

名古屋市北区で2023年1月、面識のない16歳の少女にわいせつな行為をし、けがをさせたとして、25歳の大学生の男が逮捕されました。
(中略)
逮捕されたのは、名古屋市瑞穂区の大学生・(中略)容疑者25歳です。

警察によりますと、(中略)容疑者は2023年1月、北区の集合住宅の入口にあるスロープで、16歳の少女の体を触るわいせつな行為をするなどした強制わいせつ致傷の疑いがもたれています。
女性は(中略)容疑者に引き倒された際、ひざに軽いけがをしました。
(中略)容疑者と女性に面識はありませんでした。

警察の調べに対し、(中略)容疑者は「おおむね合っています」と容疑を認めているということです。

警察が当時の状況などをくわしく調べています。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/4221c6dc0446b5e18606a16fe331f80d34ccfa78 3月4日 CBCテレビ 「16歳少女にわいせつな行為しけがさせた疑いで25歳の大学生逮捕 少女は引き倒された際にひざをけが 名古屋・北区」より引用)

【強制わいせつ致傷とは?】

紹介しているニュースでは、男性が強制わいせつ致傷の疑いで逮捕されています。
ケースにおける強制わいせつ致傷とは、強制わいせつ罪、又は強制わいせつ未遂罪にあたる行為をした際に被害者が怪我をした場合に成立する犯罪です。

まず、強制わいせつ罪は刑法第176条に「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」と定められています
次に、刑法第181条1項では、刑法176条を含む複数の条文を記載した上で、それらの罪を犯し(未遂も含む)、「よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。」としています。
この刑法第181条1項が強制わいせつ致傷罪などを定めた条文です。

強制わいせつ罪や強制わいせつ致傷罪といった性犯罪では、加害者が直接被害者の方に謝罪や弁償をしようとしても、連絡すら拒絶される可能性が高いです。
しかし、法律の専門家であり第三者である弁護士が被害者の方に連絡することで、お話を聞いてくださったり、示談に応じてくださるという事例も少なくありません。
刑事事件での示談交渉の経験が豊富な弁護士に弁護を依頼することで、減刑や不起訴獲得に繋がる弁護活動が臨めると言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
ご家族が強制わいせつ致傷罪などの疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご連絡ください。
刑事事件・少年事件を中心に扱う弁護士が逮捕・勾留されている家族の方に接見を行う、初回接見サービス(有料)についてご案内致します。
逮捕されていない事件の場合には、事務所にて無料で相談を受けることができます。
24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、初回接見サービスやご相談の予約を受け付けております。

【ニュース紹介】愛知県大府市で起きた強盗致傷事件

2023-06-22

今回は、愛知県大府市で起きた強盗致傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

20日夜、愛知県大府市で、歩いて帰宅途中だった女性が2人組の男に財布などが入ったトートバッグを奪われました。男らは現在も逃走中で警察が行方を追っています。
警察によりますと、20日午後9時すぎ、大府市柊山町の路上でパートを終え歩いて帰宅途中だった女性(62)が後ろから近付いてきた2人組の男に持っていたトートバッグ2個を奪われました。

中には現金1万1000円ほどが入った財布などが入っていたということです。
女性は男らにトートバッグを引っ張られた際に転倒し、肩を打撲するなどの軽傷です。

男2人はいずれも上下黒っぽい服を着ていて、近くの駐車場に停めてあった車の後部座席に乗り込み、逃げていったということで、警察は強盗致傷事件として行方を追っています。
(https://news.goo.ne.jp/article/tokaitv/nation/tokaitv-20230221-0627-25436.html 2月21日 「帰宅途中に被害…女性が2人組の男に財布等入ったトートバッグ奪われる 近くの車の後部座席に乗り込み逃走」より引用)

【ケースの事件について解説】

ケースの事件は、記事を読む限りひったくり事件の類と思われます。ひったくりは窃盗(刑法第235条)として扱われることが多いですが、ケースでは被害者の女性がこれにより転倒して傷害を負っているため、被疑罪名は強盗致傷というであり、非常に重い事件として扱われていることがわかります。
強盗致傷事件の被告人として起訴され、有罪判決が確定すると、「無期又は六年以上の懲役」に処せられます(刑法第240条前段)。
裁判員裁判対象事件でもあり、検挙された後は長期間の勾留など、非常に重い手続負担が予想されます。

【検挙されていない事件ではどうしたらいいか】

警察が介入するなどして、検挙されたというものではないが、事件を起こしてしまい悩んでいる、という方にも弁護士は役立ちます。
まずは、弁護士と相談し、事件を起こしたことを正直に打ち明けましょう。
検挙前においては、あらかじめ弁護士を依頼し、逮捕に備えて準備することが考えられます。
もっとも、逮捕前、勾留決定前には、当番弁護士、国選弁護人を利用することができません。
この場合は、刑事事件に詳しい私選弁護活動を行う弁護士を探して、事件解決を依頼することになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
検挙されていない強盗致傷事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、ご相談の予約を受け付けております。

【解決事例】愛知県瀬戸市の窃盗事件で接見禁止の一部解除を獲得

2023-06-16

窃盗事件について接見禁止の一部解除を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案の概要】

愛知県瀬戸市在住のAさんは、あるとき、知人のBさんから、「以前自分が勤めていたV社に盗みに入って一緒にひと稼ぎしないか」と誘われました。
最初は断ったものの、借金の返済に追われ、お金に困っていたAさんは、Bさんと一緒にV社に侵入し、工具などを盗み、これを売却するなどしました。
2人は同様の行為を複数回行っていましたが、工具が頻繁に紛失することを不審に思ったV社が愛知県警察瀬戸警察署に相談、被害届を提出しました。
捜査の結果、Aさんは窃盗の容疑で瀬戸警察署の警察官に逮捕され、接見禁止が付きました。
ご相談時、Aさんの奥様は、「私も息子たちも夫の体調が心配です。なんとか面会できないでしょうか。」とご相談時お話しされました。
(守秘義務の関係上、一部事実と異なる表記をしています。)

【接見禁止とは】

前提として、刑事訴訟法は、被疑者の家族や友人などが、勾留された被疑者に接見(面会)することを認めています。

刑事訴訟法第80条

勾留されている被告人は、第39条第1項に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。勾引状により刑事施設に留置されている被告人も、同様である。
(*「第39条第1項に規定する者以外の者」とは、弁護人又は弁護人になろうとする者のことをいいます。また、「被告人」とありますが、刑事訴訟法第207条第1項により、被疑者にも準用されます。)
しかし、逃亡や、証拠隠滅のおそれがあると疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判所は、検察官の請求もしくは職権で、弁護士以外による接見を禁止することができ、これを「接見禁止」といいます。

刑事訴訟法第81条

裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第39条第1項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。
(「被告人」とありますが、刑事訴訟法第80条と同じく、刑事訴訟法第207条第1項により、被疑者にも準用されます。)

接見禁止がつくと、ご家族の方による面会のみならず、手紙などの差し入れをすることも出来なくなってしまいます。
接見禁止が認められやすいのは、共犯者がいる事件や組織的な詐欺事件、薬物事件など、特に逃亡や証拠隠滅のおそれが高いとされる事件です。
今回の事案は、共犯事件であり、盗品の売買も行っていたことから、証拠隠滅の可能性が極めて高いと判断され、接見禁止がついたと考えられます。

【具体的な弁護活動】

裁判所に対し、①共犯者であるBさんも既に逮捕されていることに加え、AさんはBさんに今後一切接触しない旨誓約しており、証拠隠滅のおそれがないこと、②Aさんには幼い子どもがいるため、長期にわたって父親に会えないという状況は養育上好ましくないこと、③Aさんの体調の確認の必要があることなどを主張し、奥様とAさんの長男との接見禁止を解除するように主張しました。
その結果、奥様とAさんの長男に対して接見禁止等一部解除決定がされました。
また、捜査の結果、Aさんは起訴されました。
被害額が多額であり、被害者の方との示談締結も断られてしまいましたが、裁判において、Aさんは主導的立場ではなかったこと、Aさんには前科前歴がなく両親や勤務先の社長が今後の支援を約束していることなどを主張した結果、Aさんは執行猶予付き判決となりました。

【まとめ】

接見禁止となった場合、弁護士が接見禁止の解除の申立て又は接見禁止の一部解除の申立てをすることができます。
今回のような事案でも、事件とは全く関係のない奥様や息子さんとの面会を認めても、証拠隠滅のおそれがないとして、接見禁止の一部解除の申立てを行うことが一般的です。

ご家族の方が逮捕・勾留されたが、接見禁止がついているため面会できずお困りの方は、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
ご家族だけでも接見禁止を解除したいという場合は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、ご相談の予約を受け付けております。

【裁判紹介】殺人事件において執行猶予がついた裁判例

2023-06-07

殺人事件の裁判例等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

自宅で当時3歳の長男の首をタオルで絞め、窒息死させたとして殺人罪に問われた被告人の裁判員裁判で、静岡地裁浜松支部は、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。
(産経新聞「幼児絞殺の母親に猶予判決」(2020/1/29)」を引用・参照)。

【殺人罪における執行猶予判決】

刑法において、殺人罪は刑法第199条に定められています(「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する」)。
殺人罪が成立するためには、故意犯である以上(刑法38条1項本文参照)死亡結果を認識・認容している必要があり、かかる故意が認められない場合には別途傷害致死罪(刑法205条)や(重)過失致死罪(刑法210条 、211条)が適用される可能性があります。
殺人は、他人の生命という最も重要な利益を侵害するという極めて重大な犯罪行為であり、厳しい刑罰が科されることが一般的です。
実際に法定刑としても、「死刑又は無期懲役」が定められており、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(通称、裁判員法)2条1項1号は「死刑又は無期の懲役……に当たる罪に係る事件」を裁判員裁判対象事件としていることから、殺人事件は裁判員裁判となることが原則であることにも留意する必要があります。

もっとも、殺人罪が極めて重大な犯罪であるとは言っても、犯罪の内容や他の事情によっては執行猶予が付くことがないわけではありません。
本件では、被告人の責任能力が十分ではないとして心身耗弱(刑法39条2項)が認められています。
同項は「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」とし、刑の必要的減軽を定めていることから本判決のような執行猶予判決が適当であると判断されたものと考えられます。

【殺人事件における弁護活動等】

本事例では、「懲役3年、執行猶予5年」の執行猶予判決が言い渡されています。
もっとも、上述したような心神耗弱が認められるケースはそれほど多くなく、近年において殺人罪で起訴されながら執行猶予判決に留まるケースはいわゆる介護疲れ殺人の事例が中心になっていると思われます。
近時の事例 でいえば、介護を苦にして自宅で配偶者(85歳)の首を絞めて殺害した被告人に懲役3年・執行猶予5年を言い渡したケースがあります。
殺人事件の量刑を決定するににあたっては動機の悪質性などが重要な要素となっていると考えられています。
上記で紹介したものも含めたいわゆる介護疲れ殺人においては動機の悪質性の低さ等から執行猶予判決となっているものも少なくなく、弁護活動の質が実刑判決か執行猶予判決かを分ける可能性もあることから専門性を有する弁護士による弁護を受ける実益があるといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、殺人事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
殺人事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、365日・24時間いつでも無料通話可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。

【ニュース紹介】名古屋市の病院で起きた恐喝事件

2023-06-04

今回は、名古屋市の病院でおきた恐喝事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

名古屋市中村区にある病院で看護師の女性から、仕事上の罰金名目で現金約123万円を脅し取ったとして、元上司の男女2人が逮捕されました。
2人がこの女性から脅し取った総額は1000万円以上にのぼるとみられます。
~(中略)。~
警察によりますと2人は中村区の病院に勤めていた2019年11月から12月の間、当時の部下である看護師の女性に仕事上のミスに因縁をつけ、罰金の名目で3回にわたり、あわせて現金約123万円を脅し取った疑いが持たれています。
容疑者の一人は女性に電話をかけ、「あんたはこれからどんどんやらかすから罰金がどんどん増えていくよ」などと脅したとみられています。
警察の調べに対し2人は、「金を受け取ったことは間違いないが、恐喝をした訳ではない」などといずれも容疑を否認しています。
2人は2018年11月ごろから、この女性から罰金名目で現金を脅し取っていたとみられ、警察は総額は1000万円以上にのぼるとみて調べています。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/3905e8ed02ce6896103c5f160b9c0198cab0aff1 2月16日 「「あんたはやらかすから」2人が部下の看護師から罰金名目で恐喝した疑い 総額1000万円以上か」より ※氏名等の個人情報は秘匿しています)

【職場における「罰金」】

従業員に不手際があった場合に、使用者が「罰金」などと称して金銭を徴収するルールが設けられている職場があります。
労働基準法第16条は、「労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」としており、このようなルールはそれ自体が違法とされる可能性が高いです。

なお、従業員の責任により実際に生じた損害の賠償を請求することまでは禁じられていません。
しかし、これは損害を被った使用者が正当な民事的手続に従い請求するものであって、従業員間で勝手に、職場のために損害賠償請求を行うことが可能となるものではありません。
ましてや、脅しを交えて因縁をつけ、罰金と称し、金銭を支払わせる行為はもはや犯罪行為として処罰の対象となりえます。

ケースの事件では、男女2人が当時の部下に対し、仕事上のミスに因縁をつけ、罰金の名目で現金を脅し取った疑いがもたれています。
逮捕された被疑事実は、現金約123万円を脅し取ったというものですが、総額は1000万円以上にのぼるとみられており、もし1000万円以上の被害額が裁判で認定されれば長期にわたる実刑判決が予想されます。
また、恐喝をしたかどうかや、受け取った現金をどうしたかなど、被疑者同士で供述が食い違ってくる可能性もあります。

このような場合はすぐに弁護士の接見を受け、弁護活動をはじめとしたサポートを依頼することがより重要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
恐喝事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、ご相談の予約を受け付けております。

【ニュース紹介】嘱託殺人の非行事実により19歳女性が少年院送致

2023-06-01

今回は、19歳女子大生が名古屋市内のホテルで起こした嘱託殺人事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

名古屋市中区のホテルで去年12月、女子大学生(当時20歳)の遺体が見つかった事件で、嘱託殺人の非行内容で家裁送致された大学生の女(19)について、鳥取家庭裁判所は23日少年院送致しました。
19歳の大学生の女は去年12月、安城市の48歳派遣社員(嘱託殺人の罪で起訴)と共謀し、名古屋市中区のホテルで別の女子大学生(当時20歳)に依頼され、窒息させて殺害したとして、嘱託殺人の非行内容で名古屋家庭裁判所に送致され、その後、鳥取家庭裁判所に移送されていました。
23日、鳥取家裁は、大学生の女を少年院送致することを決め、収容期間は3年としました。

鳥取家裁は、決定理由で「若年の被害者の生命が失われており、その結果は重大」とした一方、「本件非行は被害者の意思を踏まえた共犯者の指示に基づくもので、悪質性は同種事案の中でも低い」と指摘しました。
(https://www.nagoyatv.com/news/?id=017067 1月24日 「名古屋のホテルで女子大生嘱託殺人事件 大学生の女(19)を少年院送致「悪質性は低い」」より ※氏名等の個人情報については秘匿しています)

【少年院送致とは?】

少年院送致は、家庭裁判所の少年審判において下される保護処分(少年院送致の他に、保護観察、児童自立支援施設または児童養護施設送致があります)の一つです。
ケースのような18歳以上の少年である特定少年の場合は、審判で、3年以下の範囲内において犯情の軽重を考慮して少年院に収容する期間を定められます。
少年院では、身体拘束を伴い、特別な場合を除き外出することはできません。
処分に伴う負担も大きく、少年の学業、進路に対する影響も大きいです。
不必要に非行少年が少年院へ送致されることがないよう活動する必要もあります。

このような場合には多くのケースにおいて、保護観察処分、不処分を目指した弁護活動を行うことになるかと思われますが、少年が社会に戻っても、改善更正しうることを家庭裁判所に納得させる必要があります。
そのためには、少年事件に熟練した弁護士のサポートが非常に役立つでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
少年事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部へご相談ください。
24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)にて、ご相談の予約を受け付けております。

【裁判紹介】強盗致傷事件の裁判例(実刑・執行猶予)の紹介

2023-05-29

強盗致傷事件の裁判例等について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

被告人は、「金を出して」などと店員を脅し、売上金や釣り銭用の硬貨など12万円を用意させ、持っていた刃渡り約11センチの包丁切り傷を負わせて、そのまま金を奪って逃げた。
被告人は犯行前日の早朝には路上に駐輪してあった電動バイクを盗んだほか、駐車されていた車の窓から財布を持ち去っていたことから、強盗致傷の他と銃刀法違反、窃盗2件の罪に問われた。
(中日新聞「「強盗致傷事件を起こした元ホスト、「あの頃に戻ってしまった」と語った訳は―。」(2022/4/29)を引用・参照。)

【強盗致傷(刑法240条前段)事件について】

(強盗致死傷)
第240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に……処する。
(強盗)
第236条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
(事後強盗)
第238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

刑法240条前段は、強盗罪を犯した者(刑法236条以外にも238条の場合も含まれます)が被害者に怪我を負わせた場合の罪について規定しています。 
この条文を読んだだけでは必ずしも明確ではありませんが、怪我を負わせる意思を持って犯行を行った強盗傷人罪と、強盗の際にたまたま怪我を負わせてしまった強盗致傷罪の双方が同条によって規律されていることになります。
さらに、刑法240条前段の罪は法定刑として「無期」懲役が含まれるため、原則として裁判員裁判となります(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項1号)。
この点において、裁判官裁判(裁判員の参加しない通常の裁判)とは、必要な対応が大きく異なることに注意が必要です。

【強盗致傷事件に関する裁判例】

本事案において、名古屋地裁(裁判員裁判)は、「懲役6年(求刑懲役9年)」の判決を言い渡しています。
もっとも、同様に強盗致傷を含む罪で起訴された他の事案においては執行猶予判決が下されたものも存在します。
神社のさい銭箱から現金を盗み、停止を求めた警察官を複数回殴るなどしてけがを負わせた事例においては、「懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)」の執行猶予判決が言い渡されています。
このように実刑判決と執行猶予判決とに大きく判断が分かれた理由の一つとして、計画性の有無が挙げられるでしょう。
執行猶予判決が下された後者の事案では、強盗行為自体が事後強盗(上述の刑法238条)であったと考えられ、計画性は低かったと考えられます。
一方、本事案では、包丁という凶器を用意している以上、強盗の際に被害者等に怪我を負わせることもあり得るものだと認識していたものと考えるのが自然であり、一定の計画性が認められます。
この他にも量刑事情(刑を決定する際に考慮される事情)は様々なものがあり、一つ一つの個別的事件によって千差万別です。
起訴された場合にどのような刑が下されうるか(量刑の幅)等については、専門知識を有する刑事弁護士によるアドバイスが不可欠な領域ということできます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、強盗(致傷)事件を含む刑事事件を中心に扱っている法律事務所です。
強盗(致傷)事件で逮捕・起訴等された方のご家族は、365日24時間対応の無料フリーダイヤル(0120-631-881)までお電話ください。

【裁判紹介】交通事件に関する詐欺事件の裁判例等を紹介

2023-05-23

交通事故に関する詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【事案】

交通事故に遭った際、通院で勤務を休んだ日数を水増しして保険会社に申告し、保険金およそ5万9000円を騙し取った罪に問われていた被告人に対し、名古屋地裁は「懲役10月、執行猶予3年」の有罪判決を言い渡した。
(東海テレビ「元警察官の32歳男に執行猶予付きの判決」(2020/7/31)を引用・参照)。

【交通事故に関する詐欺事件】

(詐欺)
第246条 
①人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
②前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法に規定されている詐欺罪(刑法246条)には、客体を「財物」とするいわゆる1項詐欺と、「財産上の利益」を客体とする2項詐欺があります。
本稿では、最も一般的な1項詐欺に関する事件について取り上げて解説していきたいと思います。

上記にもあるように246条1項は「人を欺いて財物を交付させた者」に詐欺罪が成立すると定めるのみで非常にシンプルな条文となっています。
しかし、詐欺罪は財産犯(刑法第2編36章~40章)の中でも複雑な構造を持つ犯罪であるということに注意を要します。
1項詐欺罪(既遂)が成立には、「人を欺く行為(欺罔行為)→錯誤→財物の交付→財物の移転」という因果連関が必要となるのです。
これを本事案について見てみると、交通事故にあった被告人が、当時の勤務先に有給休暇を請求しこれを加えた水増しした休業補償金(保険金)を保険会社に申告し(「人を欺」く行為)、申告に基づいた保険金が発生すると誤信した保険会社が(錯誤)、水増しされた保険金を被告人に交付し(交付行為)、被告人がこれを受け取っている(財物の移転)ことから詐欺罪が成立することになります。
交通事故に関する詐欺事件には、本事案のようないわゆる保険金詐欺の他にも、保険会社が絡まない偽装事故のケースも存在します。
被告人らが乗用車と歩行者の衝突事故を偽装し、何も知らない同乗者の被害者(自らを加害者と誤信)から示談金を請求するようなケースです。
詐欺罪はいわゆる知能犯と分類されることからも分かる通り、様々な態様で行われケースによっては高度な組織性を有することもあり(それを被疑者・被告人が認識していない場合も少なくありません)、専門家である刑事弁護士によるサポートが不可欠な事件類型といえるでしょう。

【詐欺事件における刑事弁護士の弁護活動】

本事案では、被告人に「懲役10月、執行猶予3年」の有罪判決が下されています。
まず詐欺事件を起こしてしまった場合、最大の関心事の一つとなるのが起訴されるかされないか(裁判になるかならないか)でしょう。
財産罪(財産犯)は当然のことながら財産を侵害する犯罪ですから、被害弁償や示談成立の有無が判断を分ける重要な要素となることは間違いありません。
したがって、弁護士としては被害者側とコンタクトを取り、出来るだけ早い段階でこれらの弁護活動において成果を出していくことが肝要となります。
次に起訴されてしまった場合は、どのような判決が下されるのかということが最大の焦点となります。
近年は特殊詐欺(いわゆるオレオレ詐欺に端を発する多様化した特殊な詐欺・窃盗事件)を中心とした組織的な詐欺事件には極めて重い判決が下される傾向にあると言われています。
本稿で紹介した事案は特殊詐欺ではないものの、被疑者・被告人のあずかり知らぬ内に組織的な詐欺事件に加担していることも少なくないため、弁護士による十分な聞き取りやその専門知識にもとづく裁判の見通しについての助言を受けることもまた不可欠といえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、詐欺事件を含む刑事事件を中心に取り扱っている法律事務所です。
詐欺事件で逮捕・起訴等された方やそのご家族は、24時間対応のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。

【解決事例】器物損壊事件で不起訴処分を獲得

2023-05-20

器物損壊事件において、弁護活動の結果、不起訴処分を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要】

Aさんは名古屋市熱田区にあるショッピングセンターの駐車場で、ささいなことからVさんと口論になりました。
Vさんがショッピングセンターに入って行った後、怒りが収まらないAさんは、Vさんの自家用車に10円玉で故意に線状の傷をつけました。
その後Aさんは愛知県熱田警察署に呼び出され、器物損壊罪の疑いで任意で捜査を受けることになりました。
Aさんは「大変馬鹿なことをしてしまいました。Vさんに謝罪したいのですが、警察官には『Vさんの個人情報は教えることができない』と言われました。」
と相談時にお話しされました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

【車に故意に傷をつける】

10円玉のような硬貨やくぎ、鍵などを使って停まっている車に、線状のひっかきキズをつけることを、10円パンチと言うこともあるそうです。
しかしこの行為は「いたずら」と呼ばれることもあるのですが、「器物損壊罪」という犯罪行為にあたります。

【器物損壊罪について】

器物損壊罪は、刑法第261条に規定があり
法定刑は、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料です。

器物損壊罪は、「他人の物」を壊したり価値を損なわせたりする犯罪です。
器物損壊罪の「損壊」とは、物を物理的に壊す行為だけでなく、物の効用を害する行為を含みます。
なお、器物損壊罪は、被害者の告訴がなければ起訴ができない親告罪です。

【弁護活動について】

警察署を通じて、Vさんに対し、Aさんから謝罪をさせていただけないかとお伝えしたところ、Vさんより
「Aさんに謝罪してもらい、車の修理代金さえ頂ければ、Aさんには重い処分は望みません」とお返事を頂きました。
その後、VさんにAさん作成の謝罪文を渡し、Vさんの車の修理代金をお支払いし、示談を締結することができました。
なお、Vさんに対し、告訴取消の意思を確認したところ、「Aさんに重い処分は望まないが、最後まで捜査や取調べは受けて欲しい」とのことでしたので告訴取消はされませんでした。
以上の経過を警察署に書面で提出したところ、後日検察庁に事件が送致され、検察庁の捜査が終結後にAさんは不起訴処分となりました。

被害者との示談交渉や警察署、検察庁への意見申立ては、法律の専門家である弁護士に任せるのがよいでしょう。

このコラムをご覧の方で、器物損壊事件の被害者との示談を希望されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、器物損壊事件に関するご相談を

フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)

にてご予約を受け付けております。

 

【ニュース紹介】車のドアノブに手をかけた男性を引きずり怪我をさせ逮捕された男性が不起訴処分に

2023-05-17

今回は愛知県で起きた事件の報道をもとに、不起訴処分について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

愛知県安城市の駐車場でドアノブに手を掛けた男性を引きずったまま車を発進させ、けがをさせたとして逮捕された男性を、名古屋地検岡崎支部は不起訴処分としました。
12月23日付で不起訴処分となったのは、碧南市の会社員の男性(62)です。
男性は11月25日、安城市内のレンタルショップの駐車場で、店を出たところ、経営者に呼びとめられ、経営者が車のドアノブに手をかけたところで車を発進させ、約15m先まで引きずって転倒させたとして殺人未遂の疑いで逮捕されていました。店の経営者は軽いけがをしました。
逮捕当時、男性は警察の調べに対し「引きずったり、けがをさえた覚えもなければ、そのつもりもありませんでした」と容疑を否認していました。
名古屋地検岡崎支部は、不起訴の理由を明らかにしていません。
(https://www.nagoyatv.com/news/?id=016664 12月23日 メ~テレ 「ドアノブに手をかけた人を15m引きずって走行したとして逮捕された男性を不起訴」より引用)

【事件の内容について】

ケースの事件において特筆すべきは、被疑罪名が「殺人未遂罪」となっている点です。
言うまでもなく大変な重罪ですが、自動車を運転しながら故意に人を引きずる、故意に自動車を人にぶつけるなどした場合、生命にかかわる危険な行為であり、殺人未遂罪(被害者が死亡した場合は既遂)を適用して捜査されるケースが非常に多いです。

【ケースの事件は不起訴処分により終了】

ケースの事件は不起訴処分によって終了しています。
不起訴処分とは、検察官が被疑者を裁判にかけないものとする処分です。

名古屋地検岡崎支部は不起訴処分の理由を明らかにしていませんが、殺人未遂罪のような重い被疑事実により捜査されてきた事件であっても、①事件の経緯、②捜査によって収集できた証拠の状況、③被害者のケガの軽重、④当事者間における示談の有無を考慮し、不起訴処分がなされる可能性もありえます。

自動車を運転中に生じたトラブルについては、加害者は気づいていなかったり些事だと思っていても、捜査機関が殺人未遂罪を適用して捜査を開始することが珍しくありません。
殺人未遂罪で逮捕されてしまった場合は、すぐに弁護士の接見を受け、今後の弁護活動についてアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
ご家族が殺人未遂の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にまずご相談ください。
相談のご予約は、365日/24時間いつでも対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)で受け付けています。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら