Archive for the ‘少年事件’ Category

【解決事例】西尾市の児童ポルノ事件(少年事件)で、不処分獲得

2022-07-30

児童ポルノ事件(少年事件)で不処分を獲得したことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事案の概要】

ご本人様(15歳)は、近所に住む女子児童複数人の裸の写真をメールで送らせ、それを友人に転送したとして、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反の容疑で、愛知県西尾警察署で任意の取り調べを受けていました。
ご両親は、「被害者様方には一刻も早く謝罪したいと考えています。また、息子の事件は刑事事件となるのかとても心配です。」と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)

【弁護活動】

被害者様は複数名いらっしゃり、それぞれの方に謝罪をしたい、それぞれの方に加害少年とその両親が作成した謝罪文を渡しましたが、そのうちお1人には謝罪文の受け取りを拒絶されました。
ご両親に対しては、加害少年に対し指導や教育を行い、生活環境を整えるようにお伝えしました。
その後、事件が家庭裁判所に送致されましたので、家庭裁判所に対し、①加害少年には補導歴などはなく、不良化の傾向は一切見られない、②加害少年は反省しており、自分の犯した罪に対する理解を深めるなど規範意識があがっていること、③加害少年とその両親が今回の事件についてよく話し合い、具体的対策をもって、加害少年と両親が、二度と事件を起こさないよう誓っていること、以上により、少年の更生環境は充分であり、保護処分は必要がない旨を主張しました。
その結果、保護観察をはじめとした保護処分が必要ない、不処分となりました。

【まとめ】

少年事件における、児童ポルノなどの性犯罪につきましても、成人事件と同様に被害者様への謝罪や、示談が重要です。
しかし同時に、少年事件の場合は、少年の生活環境を整えることもとても重要です。
具体的には、少年が性犯罪を犯す背景には、性に対する誤った認識があることが多いので、保護者だけではなく、第三者である弁護士からも、少年に対し、指導、教育を行っていくこともあります。
また、少年に好ましくない(非行的な)交友関係がある場合は、交友関係の見直しを含めた、生活環境を改善することも必要になるでしょう。
これらの状況が整えば、その旨を家庭裁判所に主張し、その少年に適切な処分を目指していくことになります。

子供が性犯罪、児童ポルノ事件を起こしてしまった、被害者様に謝りたい、どのような処分になるのか心配だ、という方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部までご相談ください。
事件について詳細に確認をとったうえで、これからの謝罪や、少年審判の見通しについてご説明致します。

 

現住建造物等放火罪と逆送 

2022-07-15

現住建造物等放火罪と逆送について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。 

【刑事事件例】

17歳のAさんは以前から火が大きく燃え上がるのを見てみたいと思っており、どこかに火をつけようとしていました。
ある夜Aさんは愛知県知多市のVさん宅の軒下にあるVさんの自転車のサドル部分にライターで火をつけ、炎が上がったのを確認して近くからそれを見ていました。
炎はVさん宅の軒下部分に燃え移り、軒下の一部が燃え始めましたが、AさんはVさん宅に燃え移っても別にいいと思っていました。
結局Vさん宅は全焼し、この家に住むVさんは亡くなりました。
Aさんは現住建造物等放火罪などで愛知県知多警察署に逮捕されましたが、Aさんの両親が少年事件について調べた結果、未成年でも刑事処分になることがあると知り、少年事件に強い弁護士に弁護を依頼しました。
(フィクションです)

【放火の罪について】

放火の罪には様々な種類があります。
条文を見ていきましょう。

・現住建造物等放火(刑法第108条)
放火して、現に人が住居に使用しまたは現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船または鉱坑を焼損した者は、死刑または無期もしくは5年以上の懲役に処する。

・非現住建造物等放火(刑法第109条)
1放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船または鉱坑を焼損した者は、2年以上の懲役に処する。
2前項の物が自己の所有に係るときは、6月以上7年以下の懲役に処する。ただし、公共の危険を生じなかったときは、罰しない。

・建造物等以外放火(刑法第110条)
1放火して、前2条(108条、109条のこと)に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。
2前項の物が自己の所有に係るときは、1年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する。
(対象物は、自転車、バイク、航空機、門、塀、橋、畳、机、椅子、ゴミ箱などです。)

いわゆる「放火の罪」の条文はこのようになっていますが、
放火はしたものの「公共の危険」が発生しなかった時は器物損壊罪となります。
※「公共の危険」とは、不特定または多数人の生命、身体、財産に危険を生じさせる状態のことをいいます。
判断基準は、火力の程度、他人の住居などの隣接状況、当時の風向き、風速、気温などの気象状況、昼間か夜間化などの事情によります。

【放火の罪のそれぞれの違い】

①現住建造物等放火罪と非現住建造物等放火罪を分けるものは、「現に人が使用している(人とは犯人以外の一切の人のこと)」または「人が現在している(現在とは放火の当時犯人以外の者が中にいること)」かそうではないかです。
②建造物等以外放火罪と現住建造物等放火罪を分けるものは、現住建造物等の一部でも焼損したか否かとその故意を有していたかです。

【逆送とは】

Aさんの両親が調べた、「未成年でも刑事処分になることがある」とは「逆送」のことです。
逆送とは、家庭裁判所が送致された少年を調査した結果、保護処分ではなく刑事処分を科すことが相当であるとして検察に送致することです。
このことを検察官送致決定といい、「逆送」といわれています。

家庭裁判所から刑事処分相当として検察官に送致された場合、検察官は、公訴提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思慮するときは起訴しなければならないとされています。
逆送される理由は2つあり
①年齢超過を理由とする(年齢超過逆送)
②刑事処分相当を理由とする(刑事処分相当逆送)
があります。

①の年齢超過を理由とするについては、審判時に少年が20歳以上に達している場合、少年法の適用対象ではなくなるため、家庭裁判所は逆送しなければなりません。(犯行時、逮捕時の年齢ではありません。)

②の刑事処分相当を理由とするについては、家庭裁判所は、死刑、懲役または禁固にあたる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分相当と認めるときは、事件を検察官に送致を決定しなければならないとされています。
また、犯行時に16歳以上の少年で、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪にあたる事件の場合には、原則として検察官に送致しなければならないとされています。
なお14歳未満の者は刑事責任能力がないとされているため、逆送されることはありません。

上記の理由により、Aさんに対しても逆送される可能性は高いと思われます。
しかし、少年事件に強い弁護士は逆送をされないために様々な弁護活動を行っていきます。
具体的には、家庭裁判所の裁判官に対し、少年に対する処遇として刑事処分が相当ではないことを主張していきます。

まず「刑事処分が相当である」とは、保護処分によっては少年の矯正改善の見込みがない場合(「保護不能」といいます。)があります。
それに加え、事案の性質、社会感情、被害者感情等から、保護処分に付すことが社会的に許容されない場合(「保護不適」といいます。)があるといわれています。

つまり、少年は保護処分により更生できることを主張を家庭裁判所の裁判官に主張し、更に事案の性質、社会感情、被害感情等から、保護処分に付すことが社会的にも許容されるということを、具体的な事情を踏まえて主張していきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、放火の罪、現住建造物等放火罪への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が放火の罪、現住建造物等放火罪で話を聞かれることになった、または逮捕されてしまった、逆送を防ぎたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

器物損壊罪と環境を整えること

2022-06-27

器物損壊罪と環境を整えることについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。 

【刑事事件例】

Aさん(18歳)は愛知県一宮市にあるV株式会社に勤務していましたが、暴走族や不良仲間との付き合いがあることや素行不良等を理由に、最近解雇されました。
Aさんがこれを不良仲間に話すと、「会社に何か仕返しをしてやれよ。」と言われたので、AさんはV株式会社の看板を壊してV株式会社に嫌がらせをしてやろうと思いました。
そこでAさんはある日の夜中にV株式会社の看板を外して持ち去り、約500メートル先の広場でその看板をハンマーでたたき割って逃げました。
翌日、広場で愛知県一宮警察署の警察官が割られたV株式会社の看板を発見し、器物損壊罪の疑いで捜査を始めました。
(フィクションです)

【看板を持ち去っていても器物損壊罪?】

Aさんは看板を「持ち去って」いるので、泥棒=窃盗罪になるのではと考えるかもしれません。
しかし、窃盗罪が成立するには「不法領得の意思」が必要です。
「不法領得の意思」とは「権利者を排除し、他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従い、これを利用しまたは処分する意思」のことです。
つまり、持ち去ったものを経済的に用法に従って利用、処分する意思があれば窃盗罪が成立するということです。
Aさんは持ち去った看板を利用する意思が全くなく、不法領得の意思は無いと思われるので、窃盗罪ではなく器物損壊罪(叩き割っている)が成立すると思われます。

器物損壊罪(刑法第261条)
前3条に規定するもの(公用文書や私有文書、建造物)のほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

・他人の物を持ち去る→経済的に利用、処分するつもりがある→窃盗罪
・他人の物を持ち去る→経済的に利用、処分するつもりがない→器物損壊罪

【環境を整えること】

少年事件の場合は家庭環境、生活環境を整えることも大切になります。
Aさんの場合は、犯行のきっかけの一つに、不良仲間に「仕返しをしてやれよ。」と言われたことがあります。
このように、暴走族や地元の不良仲間との交遊関係が非行の背景にある場合は、交遊関係の見直しを含めた生活環境の改善が重要となります。
生活環境を改善するためには、ご家族や保護者の協力が不可欠となることから、ご家族や保護者には日常生活の中で本人を監視監督してもらうことになるでしょう。
生活環境が改善したかどうかは、少年が起こした事件への適切な処分が出されるかどうかに大きく関わってきます。

お子様が事件を起こしてしまったなど、少年事件でお困りの方は逮捕されている場合はもちろん、逮捕されていない場合でも、ぜひ少年事件、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
少年事件の流れ、刑事処分の見通し、対応・解決方法、不安や心配事、疑問点など「こんなことも聞いていいのだろうか…」と思うことなく、何でもお話しください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が器物損壊罪で話を聞かれることになった、子供が事件を起こしたけれど家庭環境、生活環境を整えたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

恐喝罪で示談(謝罪や弁償)をしたい 

2022-06-09

恐喝罪で示談(謝罪や弁償)をすることを希望する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。 

【刑事事件例】

17歳のAさんが愛知県瀬戸市の駅前広場を徘徊していたところ、酔っぱらった会社員のVさんが「このガキ、さっさと家に帰れ。」と絡んできました。
これに腹を立てたAさんがVさんに対し「この野郎、ぶち殺すぞ。」と脅迫したところ、身の危険を感じたVさんが自分の懐から財布を取り出し「これで見逃してくれ。」と言いました。
AさんはVさんから財布を受け取り、逃走しました。
後日Aさんは愛知県瀬戸警察署で恐喝罪の疑いで話を聞かれることになり、Aさんの両親はVさんに謝罪や弁償をしたいと考えていますが、Vさんの連絡先も分らず困っています。
(フィクションです)

【恐喝罪、強盗罪と窃盗罪の関係について】

恐喝罪は刑法第249条に
1 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
と規定されています。

Aさんには今回恐喝罪が成立すると思われますが、Vさんを脅迫しているので強盗罪になるのでは?と思われるかもしれませんし
Vさんが差し出した財布を受け取ったので窃盗罪になるのでは?と思われるかもしれません。
それぞれの違いについて見ていきましょう。

①恐喝罪と強盗罪の区別
・恐喝罪が成立する場合
 暴行・脅迫の程度が、相手の反抗を抑圧するまでに至らない程度であった場合には恐喝罪となります。
・強盗罪が成立する場合
 暴行・脅迫の程度が、相手の反抗を抑圧する程度であった場合には、強盗罪となります。

②窃盗罪と恐喝罪または強盗罪の区別
・窃盗罪が成立する場合
 恐喝(強盗)目的以外で暴行・脅迫を加え、その後に暴行・脅迫を加えることなく財物を窃取した場合は、窃盗罪となります。
・恐喝罪・強盗罪が成立する場合
 財物を得るために暴行・脅迫を行った場合はもとより、相手の畏怖(恐れおののくこと)を利用して財物を交付させた場合にも成立します。

今回の場合は、脅迫の程度が相手の反抗を抑圧するまでには至らなかったものの、相手の畏怖を利用して財物を交付させているため恐喝罪が成立するのです。

【謝罪や弁償をしたいのに被害者の連絡先がわからない…】

少年による恐喝事件においても、被害者の方と示談したり謝罪をしたりすることは大切なことの一つです。
示談とは、犯罪の被害者に対して示談金を支払うこと等によって、当事者間で事件を解決することです。
例えば、加害者が被害者に対し謝罪の意思を示すとともに、損害や慰謝料を賠償することによって、被害者が寛大な心で犯罪を許すことなどをいいます。

被害者の方と示談交渉をするためには、まず捜査機関(警察や検察)から被害者の連絡先を聞く必要があります。
しかし、捜査機関から被害者の連絡先を聞けるのは、基本的には弁護士のみです。
加害者やそのご家族の方が、直接捜査機関に被害者の連絡先を教えて欲しいと伝えても、それはとても難しいことでしょう。
ですので、弁護士をつけなければそもそも示談交渉を始めることすら難しいのです。

もちろん弁護士であっても、被害者の連絡先を伝えても良いかどうかは被害者自身が判断しますので、加害者には連絡先を教えたくないと言われることもあるでしょう。
しかし、加害者やその家族ではなく、加害者についている弁護士にならば連絡先を教えても良いと被害者が判断されることも多いのです。

その後の謝罪を含めた示談交渉も、少年事件・刑事事件に強い弁護士にぜひお任せください。

被害者と示談が成立すれば

①事件を早期に解決することが可能となる(事件化する前の場合)
②家庭裁判所での審判の際の判断において有利な事情となる可能性がある
③釈放の可能性が上がる(身柄を拘束された場合)
④損害賠償請求など民事裁判になる可能性を引き下げ、事件の完全解決につながる

など様々なメリットがあります。

被害者との示談をご希望されている方は、少年事件・刑事事件に強い弁護士に早急にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が恐喝罪で話を聞かれることになった、被害者と示談をしたいが連絡先がわからないなどお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。

自殺関与罪と逆送

2022-05-22

自殺関与罪と逆送について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

【刑事事件例】

17歳のAさんは、SNSを見ていたところ、「死にたいです」という女性Vさんの書き込みを見つけました。
Aさんはこの女性と仲良くなりたいと思い、Vさんにメッセージを送り、後日名古屋市港区にあるVさんの自宅で会うことになりました。
Vさんの自宅でVさんが「つらくて死にたいけど勇気が出ない」と言ったため、Aさんは「死んだほうがVさんが幸せならしょうがないね、このロープはとても丈夫だから首を吊るにはいいと思う」と言い、Vさんに準備しておいた丈夫なロープを渡したところ、「ありがとう」とVさんに言われました。
その後Aさんは帰宅しましたが、その日の夜にVさんはAさんに渡されたロープで首を吊って亡くなりました。
後日、Aさんは愛知県港警察署に自殺関与罪の疑いで逮捕されることになります。
(フィクションです)

【自殺することを助けると罪になりますか】

人が自殺することをそそのかしたり、助けたりすると「自殺関与罪及び同意殺人罪」に問われる可能性が有ります。

刑法第202条に

人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

とあります。

【自殺関与罪とは】

自殺関与罪等のうち、自殺教唆・幇助罪は、人を教唆あるいは幇助して自殺させた場合に成立する罪です。

【自殺教唆とは】

自殺の意思のない者に対し、自殺の決意を与えて自殺を遂行させることをいいます。
教唆の手段には制限はなく、黙示的な方法でも良いとされています。
ただし、欺罔や脅迫などの程度が著しい時には、殺人罪の間接正犯となります。

【自殺幇助とは】

既に自殺の決意のある者に対して、その自殺行為に援助を与えて自殺の実現を容易にすることです。


Aさんは既に自殺を決意しているVさんに対し、自殺行為を行ないやすくするためにロープを渡しており
それを使用してVさんは自殺をしているので、Aさんには自殺関与罪(自殺幇助)が成立する可能性が有ります。

【少年事件の流れ】

検察官は犯罪の嫌疑のある少年の被疑事件について、捜査後に家庭裁判所に送致しなければならないと少年法で定められています。
ですが、家庭裁判所に送致後、家庭裁判所が少年事件を家庭裁判所から検察官に送致することがあります。
家庭裁判所から検察官に送致することが、通常の検察官から家庭裁判所への送致と比べて逆向きの送致であるため、このことを通称「逆送致(逆送)」というのです。
逆送致(逆送)された場合は、成人と同じく一般の刑事手続を行うことになります。

どういう場合に逆送となるのかにつきましては

①調査または審判の結果、調査や審判時の本人の年齢が20歳以上であることが判明した時
②刑事処分相当と判断された時
(ただし、行為時16歳以上の少年が故意の犯罪行為によって、被害者を死亡させた事件については、原則として逆送することとされています。)

があります。
ただし、②の場合であっても、家庭裁判所の調査の結果、犯行の動機および態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状および環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認める時は、逆送しなくてもよい、と例外も少年法で定められています。
また、令和4年4月1日施行の少年法改正により、「特定少年(18歳と19歳)の時に犯した死刑、無期又は短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪の事件」が原則、検察官送致がされる事件となります。

少年は成人に比べて、自分の気持ちや記憶を正直に、適切に表現することが難しいことも多いため、捜査初期から弁護士のサポートを受け、家庭裁判所送致後は付添人活動の経験豊富な弁護士のサポートを受け、それぞれの少年にとって最も良い処遇へ導いていくことがとても大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が自殺関与罪や自殺幇助で話を聞かれることになった、付添人経験が豊富な弁護士を探している方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

髪を切ることと暴行罪

2022-05-04

髪を切ることと暴行罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

【刑事事件例】

18歳のA君は海外から帰ってくる恋人のVさんに会うため、名古屋市中村区にある駅の待合室にいました。
しかし、VさんはA君に会うなり、「Bさんと結婚するから別れてくれ」と言い、A君とVさんは口論となりました。
A君はVさんに恥をかかせてやろうと思い、駅構内のコンビニエンスストアでハサミを購入した後、Vさんの髪をつかみ、購入したハサミでVさんの髪を無理矢理切り落としました。
A君はVさんの悲鳴を聞いて駆けつけた、愛知県中村警察署の警察官に取り押さえられ、「暴行罪で話を聞かせてもらう」と言われました。
A君の両親は、今まで警察に一度もお世話になったことはないし、どうしたらいいのかわからないと思い少年事件に強い弁護士に相談に行きました。
(フィクションです)

【髪を無理矢理切るのは暴行罪になりますか】

暴行罪とは、人の身体に対し、有形力を行使したが、人の生理機能に障害を与えなかったり、健康状態を不良にしなかった場合に成立します。
条文は
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料に処する。(刑法第208条)
となります。

A君はVさんに対し、ハサミで無理矢理髪を切るという有形力の行使を行いました。
しかし、髪を切り落とされても、生理機能や健康状態を傷害・不良にすることはないとされますので、暴行罪となる可能性があります。
有形力の行使とは、殴る、蹴る、投げ飛ばす、服をつかんで引っ張る、人の前を狙って石を投げる、拡声器を使い耳元で大声を出す、などがあります。
また、生理機能に障害を与えるとは、怪我をさせる、精神衰弱症にさせる、睡眠障害を負わせる、急性アルコール中毒にさせる、などがあります。
ただし、Vさんに治療を必要とするPTSD(心的外傷後ストレス症候群)が見られた場合は傷害罪となる可能性があります。

【弁護活動について】

A君に対しては、より適切な処分を目指して弁護活動をしていくことになるでしょう。

【審判不開始決定】

審判不開始決定とは、少年事件が家庭裁判所へ送られ、家庭裁判所における調査の結果、審判に付することができない場合、もしくは審判に付するのが相当ではない場合に審判自体を開始しない旨の決定をすることをいいます。
審判に付すことができない場合とは、少年の所在が不明であったりする場合で、審判に付するのが相当ではない場合とは、事案が軽微であったり、家庭裁判所に送致された段階で少年が十分に反省しており要保護性がなくなったりしている場合のことです。
審判不開始処分となった場合は、その時点で事件は完結し、少年審判が開かれることはありません。
ですので、少年事件に強い弁護士は少年が更生していることや、少年の家庭環境、生活環境に問題がないことなどを家庭裁判所に伝え、審判不開始決定となるように働きかけることになります。

【不処分決定】

不処分決定とは、少年事件が家庭裁判所に送られ、家庭裁判所における調査の結果、保護処分に付することができない場合、また保護処分に付するまでの必要がない場合に、審判で保護処分に付さない決定をすることをいいます。
保護処分とは少年院送致や保護観察のことで、不処分決定がされると、それらを受けることなく事件が終了します。
保護処分に付することができない場合とは、少年の所在が不明であったりする場合で、保護処分に付するまでの必要がない場合とは、審判の過程で、調査官や裁判官による教育的な働きかけにより、少年の問題点が改善され、再非行の危険性がなくなったと認められる場合のことです。
ですので、少年事件に強い弁護士は、調査官や裁判官と協議し、付添人としての少年に対する教育的な働きかけによって、問題点が改善され、再非行の危険性はないと家庭裁判所に主張していくことになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こしてしまい、対応にお困りであれば、早急に弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

被拘禁者奪取罪を学校に知られたくない 

2022-04-16

被拘禁者奪取罪を学校に知られたくないことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

【刑事事件例】

高校3年生ので17歳のAさんが名古屋市南区にあるスーパーに入ると、同級生のBさんが警備員と店員に腕をつかまれているのを見つけました。
Aさんは警備員に対し、「友人だけどなにかあったのですか」と尋ねると、警備員は「私が彼を万引きで逮捕したので今から愛知県南警察署に行きます」と答えました。
Aさんはとっさに「僕が警察署に連れていきます」と警備員に嘘をつき、警備員と店員の制止を振り切ってBさんの腕をとって一緒に逃げました。
2人は、追跡してきた愛知県南警察署の警察官に取り押さえられました。
Aさんの両親は、高校は何とか卒業させたい、学校に知られない方法は無いかと法律事務所に相談に行きました。
(フィクションです)

【Aさんはどのような罪に問われますか】

Aさんには「被拘禁者奪取罪」が成立する可能性があります。
被拘禁者奪取罪は、刑法第99条に規定があり

法令により拘禁された者を奪取した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。

とあり、未遂も処罰されます。(刑法第102条)

「法令により拘禁された者」とは、法的根拠に基づいて国家機関から身体の自由を拘束されている者とされています。
その中には警察官によって逮捕された者のほか、警察官以外の者が現行犯逮捕した者、逮捕段階であり勾留前の者、少年院や少年鑑別所に収容されている者、などがあてはまります。
「奪取」とは、被拘禁者を看守者の実力支配から離脱させて、自己または第三者の実力支配下に移すことです。

Aさんは警備員によって現行犯逮捕されているBさんを、制止を振り切りBさんの腕をとり一緒に逃げているので、被拘禁者奪取罪が成立する可能性があるのです。
(一般人は、通常逮捕、緊急逮捕はできず、現行犯逮捕のみできます。)

【学校に事件のことを知られたくない】

学校に事件のことが伝わるのはいくつかの理由が考えられます。
少年やその保護者が学校に直接連絡した場合を除き
①警察から学校に連絡する場合
②調査官から学校に連絡する場合
の2つが考えらえます。

【警察からの連絡への対応】

全国の都道府県の警察本部と教育委員会が協定を結び、警察と学校が連絡を取り合う制度があります。
この制度により、少年や保護者のしらないところで警察から学校に連絡が行き、学校に事件のことを知られるという可能性が有るのです。
しかしこの制度があっても、警察は必ずしもすべての事件について学校に連絡しているわけではありません。
ですので、弁護士は学校に連絡をするべきでは無い事情があるなどの場合は、警察にその旨を申し入れ、学校へ連絡しないように働きかけることも可能です。

【調査官からの連絡への対応】

まず調査官とは、専門知識を活用して非行少年の立ち直りに向けた調査活動を行う人のことです。
警察が学校への通報を控えた場合には、警察の捜査が終了後に事件が送られる、家庭裁判所もそれに応じるのが一般的です。
しかし再度、弁護士から学校に連絡をするべきでは無い事情などを家庭裁判所の調査官に伝え、学校への連絡をしないように働きかけることが可能です。

【学校に事件のことを知られてしまった】

弁護士が警察などに申し入れをする前に、既に警察が学校に連絡していることも考えられます。
しかしその場合でも、弁護士から学校の校長先生や担任の先生と面談し、少年が更生していることや、少年事件の手続きや理念を説明し、少年を受け入れてくれるように要請することも考えられます。
それでも、残念ながら少年が学校に受け入れてもらえず、退学せざるを得ないケースはあるかもしれません。
その場合は、もちろん転校先を決めるのは少年と保護者の方ではありますが、弁護士からもアドバイスをさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件・刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が被拘禁者奪取罪で話を聞かれることになった、学校に事件が知られてしまうかもしれないとお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

改正少年法で少年事件が実名報道されやすくなる?

2022-03-16

改正少年法で少年事件が実名報道されやすくなるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

~事例~

愛知県清須市に住んでいる18歳のAさんは、深夜、市内の路上を歩いていた通行人の女性Vさんに対して、後ろから抱きついて胸を触るといったわいせつな行為をしました。
Vさんが大きな声で叫んだことから周囲の人がAさんの行為に気が付き、愛知県西枇杷島警察署に通報。
Aさんはその場から逃げようとしましたが、駆け付けた警察官に強制わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさんが逮捕されたという連絡を受け、自分達の息子が逮捕されたことにショックを受けています。
Aさんの両親は、最近のニュースで「改正少年法少年事件でも実名報道されやすくなる」という報道を見たこともあり、Aさんが実名報道されるのかということも気になっています。
そこで、Aさんの両親は、少年事件について取り扱っている弁護士に、事件について詳しく相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・改正少年法と実名報道

少年法では、20歳未満の者を「少年」とし(少年法第2条第1項)、「少年」についてこの法律を適用しています。
この「20歳未満の者が少年法上の『少年』であり、少年法の適用を受ける」ということは、令和4年4月1日から施行される改正少年法でも変わりません。

しかし、今回の事例のAさんの両親は、「改正少年法少年事件でも実名報道されやすくなる」といったニュースを見ているようです。
改正少年法によって変化することと、それに伴う影響とはどういったものがあるのでしょうか。

改正少年法が現行の少年法と大きく異なるポイントは、18歳・19歳の少年を「特定少年」と定義して、17歳以下の「少年」と異なる扱いをする部分が生まれたというところでしょう。
改正少年法では、以下の条文が新設され、「特定少年」というくくりが作られることになります。

改正少年法第62条
第1項 家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。

第2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。
ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
第1号 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
第2号 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)

改正少年法では、上記のように、18歳・19歳の「少年」を「特定少年」というくくりとし、事件を検察官に送致(いわゆる「逆送」)して成人同様の刑事手続きを受ける範囲を、17歳以下の「少年」よりも広く取ることとなっています。
「特定少年」の原則逆送事件の範囲が広がることは、現行の少年法から改正少年法となることによって大きく変わることの1つといえるでしょう。

改正少年法の「特定少年」が現行の少年法と扱いが変更されることはこれだけではありません。
今回の事例でAさんの両親が心配している、報道に関する扱いも変更されることになります。
そもそも、現行の少年法では、20歳未満の少年全般に対して、推知報道を禁止する旨の条文が定められています。

少年法第61条
家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。

この「氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載」することがいわゆる「推知報道」です。
すなわち、20歳未満の「少年」について、実名報道を含むどこの誰だか分かるような報道はやめましょうということが推知報道の禁止ということです。
少年事件を起こした少年の実名報道が行われてしまえば、その少年の更生や社会復帰の機会を奪われてしまうおそれがあることから、少年法では少年の更生のために推知報道を禁止しているのです。

しかし、改正少年法では、以下のようにして、特定少年については条件によって推知報道禁止の例外とします。

改正少年法第68条
第61条の規定は、特定少年のとき犯した罪により公訴を提起された場合における同条の記事又は写真については、適用しない。
ただし、当該罪に係る事件について刑事訴訟法第461条の請求がされた場合(同法第463条第1項若しくは第2項又は第468条第2項の規定により通常の規定に従い審判をすることとなつた場合を除く。)は、この限りでない。

つまり、事件時に特定少年=18歳・19歳であった場合で、その少年事件が逆送され、起訴されたのであれば、推知報道の禁止は適用されない=実名報道されうるということになるのです。
現行の少年法では、逆送や起訴の有無に関係なく事件時に少年であれば実名報道などの推知報道が禁止されていたことからすると、改正少年法では条件によっては実名報道が可能となるため、そうした意味では今回の事例のAさんの両親が報道で見たように「改正少年法では実名報道がされやすくなる」というように考えられるでしょう。

このほか、改正少年法では、事件時に特定少年だった少年が結果的に刑罰を受けることになった場合には、成人同様資格の取得制限を受けること等が現行の少年法から変更されます。

少年法が改正されることで、特に18歳・19歳の少年の扱いが大きく変更されます。
実名報道の可否など、少年やそのご家族に大きな影響が考えられることも変更される内容の1つですから、少年事件の当事者になってしまったら、疑問・不安は早期に解決して適切な対応をすることが必要になるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部では、刑事事件だけでなく少年事件も数多く取り扱っています
少年事件を起こしてしまった方、そのご家族の改正少年法に関するご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

少年が共同危険行為の疑いで逮捕されてしまった

2022-03-11

少年が共同危険行為の疑いで逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説いたします。

~ケース~

16歳のA君は、知人ら数名と誘い合わせ、愛知県瀬戸市内の県道において、原動機付自転車を大きく蛇行させて運転するなどしていたところ、パトカーで駆け付けてきた愛知県瀬戸警察署の警察官により道路交通法違反共同危険行為)の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
逮捕の知らせを受けたA君の両親は、少年事件に詳しい弁護士から今後の対応についてアドバイスを受けようと考えています。
(フィクションです)

~共同危険行為とは?~

道路交通法第68条は、「二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない」としています。

これに違反し、有罪判決が確定すると、「二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」に処せられます(道路交通法第117条の3)。

~少年であるA君の場合はどうなる?~

A君は16歳の少年であるため、少年法の適用があります。
少年事件では、原則としてすべての少年事件が家庭裁判所へ送致された後、必要に応じて保護処分を受けることにより事件が終了します。
保護処分には、①保護観察処分、②児童自立支援施設又は児童養護施設送致、③少年院送致があります(少年法第24条1項1号~3号)。

審判が開かれた場合は、A君に対して保護観察処分、または、少年院送致が言い渡される可能性が高いでしょう。
保護観察処分が、在宅で保護観察官及び保護司による指導、支援を受けながら更生を目指す保護処分であるのに対し、少年院送致は、少年院に少年を収容した上で更生を目指す保護処分となります。
少年院に収容された場合は、特別の場合を除いて外出することができませんので、A君にとって負担の重い保護処分と考えることもできるかもしれません。
弁護活動を行う場合は、A君の将来を考慮し、過度に負担のかかる処分にならないよう、適切な処分の獲得に向けて活動していくことになるでしょう。

~少年院送致を避けるために必要な活動とは?~

例えば、最終的に少年院への送致を避けようとするのであれば、A君を少年院に収容するのではなく社会内で更生させる方が妥当であることを裁判官に納得してもらう必要があります。

今回のケースの場合は、家庭での監護態勢、A君の交友関係を見直し、改善していくことが必要となるでしょう。
ケースの状態のままでは、A君が社会に戻ったのち、再び今回の共同危険行為をした知人らと非行をしてしまうのではないかと予想されるからです。
家庭における監護態勢が十分でない場合や、今回のような非行を行う仲間との関係が続くと思われるのであれば、少年院送致などの処分によって、そういった環境から強制的に切り離す措置が取られる可能性が高まります。

もっとも、上記のような環境調整は一朝一夕に成し遂げられるものではなく、十分な時間をかける必要のある弁護活動です。
少年が1人の人間である以上、両親との関係や、ケースの非行を行った仲間との関係を見直すためには、弁護士を始め、周囲の支援が重要となります。

十分な時間をかけるためには、逮捕された段階からでも環境調整を行うべきです。
少年事件に詳しい弁護士に弁護活動を依頼し、少年審判に備えて活動を行うことが重要といえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件・少年事件の取り扱いを中心とする法律事務所です。
お子様が共同危険行為の疑いで現行犯逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部にご相談ください。

傷害容疑の少年事件を起こした

2021-10-12

傷害容疑の少年事件を起こした

傷害容疑の少年事件を起こした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさん(19歳)は、愛知県一宮市の公園において、15分間余りにわたり、V1さん(20歳)とV2さん(19歳)に殴る蹴るなどの暴行を加え、V1さんとV2さんにそれぞれ全治1週間の怪我を負わせました。
Aさんは、愛知県一宮警察署の警察官により傷害罪の容疑で逮捕されました。
Aさんが傷害事件を起こしたと連絡を受けたAさんの両親は、愛知県内にある刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(2020年10月22日に産経新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【傷害罪とは】

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

上記のように、刑法204条は傷害罪を規定しています。
そして、傷害罪が成立するような「傷害」とは、「人の生理的機能に障害を加えること」であると考えられています。

Aさんは、V1さんとV2さんに殴る蹴るなどの暴行を加え、V1さんとV2さんにそれぞれ全治1週間の怪我を負わせています。
この全治1週間の怪我が、傷害罪でいうところの「人の生理的機能に障害を加えること」である「傷害」にあたると考えられます。

以上より、Aさんには傷害罪が成立すると考えられます。

【傷害罪と少年事件】

Aさんが傷害事件を起こしたときの年齢は19歳であり、Aさんは少年法で定められた少年事件の手続き下で保護処分が決定される可能性があります。
そこで、以下では、少年事件の手続きについて解説します。

少年法2条1項は、少年を「20歳に満たない者」をいうと規定しています。
そして、少年の年齢を判断する時期については、すべての処分が終了する時点まで少年(20歳未満)でなければならないと考えられています。
よって、Aさんがすべての処分が終了する時点まで19歳であれば、Aさんは少年法で定められた少年事件の手続下で傷害事件に対する保護処分が決定されることになります。

この少年法の年齢要件については、事件を起こした時点では19歳であったが、事件を起こした日と誕生日が近く、処分が決定される時点には20歳を迎えてしまう可能性があるというように時間が切迫している場合もあります。
捜査機関や家庭裁判所としても、事件を起こした少年が19歳のうちにすべての処分を終了させるために、検察官による家庭裁判所への送致や家庭裁判所での処分の決定が早急に行われることもあります。
このように処分までの時間が切迫している場合において、少年へ寛大・適切な処分を獲得するためには、早い段階で刑事弁護人・付添人を選任し、家庭裁判所の調査官や裁判官と十分な協議をすること及びその時間を確保することが重要です。

また、たとえAさんが傷害事件に対するすべての処分が終了する時点まで19歳であり、少年法の年齢要件を満たすとしても、Aさんが成年と同じ刑事事件の手続きに戻されてしまう可能性もあります。
というのは、少年法20条1項が、「家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。」と規定しているからです。
この手続きは「逆送」といわれ、一定の重大事件について、少年に少年法に規定された保護処分ではなく、刑事処分を科すことが相当であると判断した場合になされるものです。

少年が成年と同じ刑事事件の手続きに戻されてしまうと、教育的施設である少年院ではなく行刑施設である刑務所に収容されてしまう可能性があるなど、少年の健全な成長や更生にとって大きな不利益が生じるおそれがあります。
そのため、少年が成年と同じ刑事事件の手続きに戻されてしまわないよう、家庭裁判所の調査官や裁判官と十分な協議と働きかけを行うことが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
傷害容疑の少年事件を起こした場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。

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