Archive for the ‘性犯罪・わいせつ事件’ Category

準強制性交等罪の起訴と不起訴 

2020-09-16

準強制性交等罪の起訴不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

名古屋市港区に住むAさんは、女性Vさんにに酒を飲ませた上でVさん性交した準強制性交等罪の疑いで愛知県港警察署に逮捕されてしまいました。そして、Aさんは名古屋地方検察庁の検察官により準強制性交等罪で起訴されてしまいました。起訴後に刑事事件専門の弁護士がAさんと接見しました。
(フィクションです)

~ 起訴とは ~

起訴とは,検察官が特定の刑事事件について裁判所の審判(刑事裁判)を求める意思表示を言います。この起訴の権限は,一部の場合を除いて検察官のみにしか与えられていません(起訴独占主義)。
この検察官の意思表示は「起訴状」という書類に現れています。起訴状は、起訴状謄本などとともにに裁判所に提出されます。起訴状謄本は、裁判所を通じてあなたの元へ送達されます。こうしてあなたは起訴された事実を知ることになり、その事実について裁判で争うか、争わないか、どういう主張をし、どういう証拠を提出するか決める準備をするのです。

刑事訴訟法247条(国家訴追主義)
 公訴は,検察官がこれを行う。

~ 不起訴とは ~

他方、不起訴とは文字通り,起訴しないという意味です。起訴権限が検察官に認められているわけですから,起訴するかしないかの判断も検察官に委ねられています(起訴便宜主義)。不起訴となれば、刑事裁判を受ける必要はありませんし,もちろん刑罰を科されることもありません。また,前科もつきません(前歴は残ります)。

刑事訴訟法248条(起訴裁量(便宜)主義)
 犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは,公訴をしないことができる。

ところで、検察官が不起訴と判断するに至った理由の「題名」のことを「裁定主文」といいます。裁定主文でよく目にするのが,「嫌疑不十分」と「起訴猶予」ではないでしょうか?
「嫌疑不十分」とは,検察官が起訴するに足りる証拠が集まっていないと判断したときに裁定するものです。
「起訴猶予」とは,検察官が,証拠から犯罪であることは明らかであるが,犯人の性格,年齢及び境遇,犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況から起訴する必要がないと判断したときに裁定するものです。

本件でいうと、AさんがVさんに対して性交したことを裏付ける証拠がない、あるいは証拠の証明力が弱いなどという場合は「嫌疑不十分」となる可能性が高いでしょう。他方、AさんがVさんに対して性交したことは明らかであるが、Vさんと示談するなどしてVさんがAさんに対して処罰を求めていないなどという場合は「起訴猶予」となる可能性が高いでしょう。

上記のとおり,起訴するか,不起訴にするかの判断は検察官に委ねられていますから,その判断の時期も検察官の判断(裁量)に委ねられます。検察官は,捜査の過程で収集した証拠に基づいて終局処分を決めますし,証拠の収集には一定程度時間を要しますから,終局処分の判断までにも一定の時間を要します。ただし,身柄事件の場合は時間的制約がありますから,在宅事件に比べて証拠収集のスピードがあがり,その分,終局処分を下す時期も早くなります。

検察官は検察官が収集した証拠に基づき起訴不起訴か判断します。そして,検察官は,起訴するだけの証拠が集まったか否かを見極めます。本件のような性犯罪では、Vさんの供述(証拠)が直接証拠ですから、Vさんの供述の信用性が最も重要となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

準強制わいせつ罪で不起訴獲獲得

2020-09-14

準強制わいせつ罪不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県豊川市に住む大学生のAさん(22歳)は、サークルの活動の飲み会に参加しました。そして、Aさんは飲み会がお開きになった後、トイレに行こうとしたところ、別室で泥酔状態でぐったりとしているVさん(21歳)を見つけました。AさんはVさんとは日頃から良く話す仲で、お互い少しずつ好意を寄せていることを感じていました。そこで、Aさんは「この隙に」と思い、Vさんの胸を数回揉みながらVさんの口にキスをしました。すると、Vさんが意識を取り戻し、Vさんから「触ったでしょ?」と言われました。そして、Aさんは、後日、愛知県豊川警察署に準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Vさんが豊川警察署に被害届を提出したようです。

~準強制わいせつ罪~

準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。

刑法178条1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

刑法176条
13 歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります(責任能力における心神喪失とは、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のないことをいいます)。

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。

「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。

~不起訴獲得に向けて~

準強制わいせつ罪は懲役刑しか規定されていません。
ですから、起訴されれば必ず正式裁判を受けなければなりません。
起訴後は保釈されなければ裁判が終わるまで身柄を拘束され続けます。

このような事態を避けるには、起訴を回避する、つまり不起訴を獲得することが必要です。
不起訴を獲得するには、事実を認め、被害者に真摯に謝罪し、示談を成立させる必要があります。
また、起訴か不起訴かを判断するのは検察官ですから、示談は検察官が刑事処分の決める前に成立させ、その結果を検察官にアピールしなければなりません。
時間との勝負でもありますから、事件に対してどのような態度で臨むのか迷われている方ははやめに弁護士に相談する必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。

お酒と強制わいせつ罪

2020-09-06

お酒と強制わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市熱海区に住む大学4年生のAさん(21歳)は、同じ学部に所属するVさんと仲が良く、他の同級生2名と一緒に名古屋市内にあるVさん宅に遊びに行くことになりました。AさんはVさん宅でVさんらとお酒を飲んだあと、Vさんの許可を得てVさん宅に泊まることになりました。AさんとVさんは別々の部屋で寝ていましたが、Aさんは酒が入っていたこともあり気持ちが大きくなって、Vさんが寝ている隙にVさんの体を触りたいと思うようになりました。そこで、AさんはVさんが寝ていた部屋へ入り、Vさんが寝ている隙にVさんの胸や下半身を触りました。翌朝、Aさんは、Vさんから「昨日したことを覚えているよね?」「示談金払わなければ警察に被害届を出すから」などと言われてしまいました。Aさんは自分のしたことに全く記憶がありませんでしたが、就職先の内定も決まっていたこともあり警察沙汰にだけはなりたくないと思い、事を穏便に解決したいと考えています。そこで、Aさんは刑事事件専門の弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)

~ はじめに ~

幣所にご相談に来られるお客様の中には、強制わいせつをはじめとする性犯罪で訴えられている、あるいは訴えられそうという状況であるにもかかわらず、お酒の影響でその行為を全く覚えていない、一部分しか覚えていないと言われる方も多くおられます。しかし、被害者が嘘をついておらず、かつ、その話に信用性が認められる限りはやはり罪に問われる可能性も出てきます。日頃から、お酒の飲み方などには注意する必要があります。

~ 強制わいせつ罪 ~

強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。

刑法176条
 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。 

「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、

・殴る、蹴る、叩く
・首を絞める、馬乗りになる
・「殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」などと言う

などが挙げられます。
また、暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされています。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、

・膣を触る
・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ
・相手方の感情を無視した接吻

などがこれに当たるでしょう。

なお、わいせつ行為ではなく、「性交等」を行った場合は強制性交等罪というさらに重たい罪に問われる可能性があることから注意が必要です(法定刑は5年以上の有期懲役)。また、同罪を犯す目的で性行等をするに至らなかったときは強制性交等未遂罪に問われる可能性があります。

~ 警察沙汰を回避するには ~ 

被害者から警察に被害届が提出されてしまうと、逮捕されたり、あるいは警察からの呼び出しなどに応じなければならなくなります。それを回避するためには、やはり、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくしかありません。そして、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくためには、被害者との間で示談を成立させる必要があるでしょう。

示談はもちろん、当事者間で成立させることも可能ですが、特に性犯罪の場合は被害者の処罰感情が強く、また罪を犯した側は立場的に弱いですから、どうしても被害者側の要求を鵜呑みにせざるをえなくなり、当事者間で示談を成立させることは難しいでしょう。そこで、加害者側の弁護士が必要となってきます。

お困りの際は弁護士へご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

準強制わいせつ罪と不起訴

2020-09-02

準強制わいせつ罪不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県東海市に住む大学生のAさん(22歳)は、サークルの活動の飲み会に参加しました。そして、Aさんは飲み会がお開きになった後、トイレに行こうとしたところ、別室で泥酔状態でぐったりとしているVさん(21歳)を見つけました。AさんはVさんとは日頃から良く話す仲で、お互い少しずつ好意を寄せていることを感じていました。そこで、Aさんは「この隙に」と思い、Vさんの胸を数回揉みながらVさんの口にキスをしました。すると、Vさんが意識を取り戻し、Vさんから「触ったでしょ?」と言われました。そして、Aさんは、後日、愛知県東海警察署に準強制わいせつ罪で逮捕されてしまいました。Vさんが同警察署に被害届を提出したようです。

~準強制わいせつ罪~

準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。

刑法178条1項
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります(責任能力における心神喪失とは、精神病や薬物中毒などによる精神障害のために、自分のしていることが善いことか悪いことかを判断したり、その能力に従って行動する能力のないことをいいます)。

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。

「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。

~不起訴~

不起訴とは文字通り、起訴されない刑事処分のことです。不起訴処分には不起訴に至る理由があります。
不起訴理由には、主として、起訴猶予と嫌疑不十分の2種類があります。

起訴猶予は、犯人が罪を犯したことは明白ではあるが、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により不起訴(公訴を提起しない)とする場合の理由とされます。他方、嫌疑不十分とは、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分で不起訴とする場合の理由とされます。

不起訴(起訴猶予)の獲得を目指す場合は、まずはご自身の罪を認め、被害者に対して謝罪する(物理的に不可能な場合は謝罪文を郵送する)ことから始まります。同時に、再犯防止に向けてどういう行動を取ってきくのか検討することも必要でしょう。
それと併行して、被害者側との示談交渉、示談も大切です。
犯人の反省の程度、示談締結の事実、被害者の処罰感情の緩和といった事情が「犯罪後の情況」として考慮されうるからです。

不起訴(嫌疑不十分)の獲得を目指す場合は、あなたが罪を否認している場合です。
その場合は、まず、捜査官(警察官、検察官)に対する取調べの対応が大切になってきます。
しかし、相手は取調べのプロですから、どう対応すべきかは痴漢事件、刑事事件のプロである弁護士のアドアイスを受けた方が賢明です。
しかも、特に、事実を否認している場合、取調べが一回(一日)で終わるとうことまずないでしょう。
ですから、各取調べごとに綿密に弁護士と打合せを行い、取調べに対応する必要があります。
また、性犯罪においては、被害者や目撃者の供述が「犯罪の成立を認定すべき証拠」として重要となってきます。
ですから、事実を否認する場合は、被害者や目撃者の供述の信用性を争っていかなくてはなりません。
仮に、被害者や目撃者の供述の信用性がない、あるいは低いと認定されれば「犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分」であるとして不起訴(嫌疑不十分)を獲得できるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。

路上痴漢で不起訴を目指すなら

2020-08-31

路上痴漢での弁護活動について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~ケース~

愛知県北名古屋市在住のAさんは会社の帰り,人通りの少ない道で会社員であるVさん(女性)を見かけた。
Vさんは後ろ姿がAさんの好みであり,人通りも少ない好みともあり,Vさんに痴漢をしてしまおうと考えた。
AさんはVさんの後ろから近寄り,Vさんのお尻や胸を触って走り去った。
Vさんが悲鳴を上げたところ,たまたま通りかかったXにAさんは取り押さえられ,通報により駆け付けた愛知県西枇杷島警察署の警察官に引き渡された。
Aさんは愛知県迷惑行為防止条例違反(痴漢)の疑いで取り調べを受け後日,また呼び出しをすると告げられ釈放された。
Aさんは前科が付かない方法がないか弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部の無料法律相談を利用した。
(フィクションです)

~痴漢~

痴漢は刑法ではなく,各都道府県の定めるいわゆる迷惑行為防止条例によって規制されています。

愛知県迷惑行為防止条例
第二条の二
何人も、公共の場所又は公共の乗物(第三項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。

なお第二条で道路,公園,駅,飲食店などが公共の場所として列挙されています。
道路は公共の場所にあたりますので,道路で身体に触れる行為は痴漢となりうる行為であるといえます。
なお,痴漢となるには「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法」で触れた場合になります。
その為,相手の同意がある場合などには痴漢とはなりません。

今回のケースでは知り合いでもないVさんの背後から近付き突然,お尻や胸などを触ったという事案ですので「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法」であったといえるでしょう。
したがってAさんには愛知県迷惑行為防止条例違反(痴漢)成立するといえるでしょう。
なお,愛知県迷惑行為防止条例における痴漢の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています(15条)。

~前科を付けないために~

痴漢として起訴されると,事実を争わない場合,刑事裁判が開かれずに罰金刑となる略式手続きとなることが多いです。
ただし,罰金刑であっても前科となりますので前科を付けないためには検察官が起訴しない起訴猶予の不起訴処分を獲得する必要があります。

痴漢に限らず,刑事事件では,証拠が不十分であったり,犯行態様が軽微であるなどといった事情がなければ原則的に起訴されてしまいます。
しかし,被害者の方と示談を成立させ宥恕(加害者を赦す,処罰を求めないという意見)を得ることが出来れば不起訴処分となる可能性が高くなります。
これは被害者への弁償が済んでおり,被害者が処罰を求めていない場合にまであえて国家が制裁を加える必要はないという考えに基づくと考えられます。

示談交渉をする場合,被害者の方と連絡を取る必要がありますが,被害者が知り合いというケースでなければ被害者の方の連絡先もわかりません。
刑事事件では場合によっては被害者の方が連絡先を教えてくれることもありますが,痴漢の場合には教えてもらえることはほとんどないでしょう。
その点,弁護士であれば,被害者の方の承諾のもと,検察官や警察に被害者の方の連絡先を取り次いで貰えることもあります。
また,痴漢の被害者の方も弁護士が相手であれば直接加害者と話しをするよりも安心感があり,示談まとまりやすいという事も考えられます。
痴漢をしてしまい,前科をつけないためには刑事事件の経験豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
痴漢事件で被害者の方と示談を成立させ不起訴となった事案も数多く手掛けて参りました。
痴漢事件を起こしてしまいお悩みの方・ご家族の方は0120-631-881まで今すぐお電話ください。
事務所での無料法律相談・警察署などでの初回接見サービスのご予約を24時間365日受け付けております。

自撮り要求行為で条例違反に

2020-08-27

自撮り要求行為について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~ケース~

愛知県犬山市在住のAさんはSNSを通じて知り合った横浜市戸塚区在住のVさん(16歳)とLINEを交換した。
しばらくやり取りを続ける中でAさんとVさんは仲良くなり,AさんはVさんから下着姿の写真を送ってもらった。
その後,AさんはVさんの通っている学校などの個人情報を聞き出し,Vさんに裸の写真などを送るように要求した。
Vさんはこれを拒否したが,Aさんは「学校にばらすぞ」などとVさんを脅し,裸の写真を送るよう再度要求した。
Vさんは怖くなり神奈川県警戸塚警察署に相談した。
後日,Aさんの自宅に神奈川県警戸塚警察署の警察官が来て,Aさんは神奈川県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~自撮りの要求行為~

今回のケースでAさんの行為で罪に問われうるのは,「Vさんに裸の写真を送るように要求したこと」および「『学校にばらすぞ』などと脅し裸の写真を送るよう要求した」ことになるでしょう。
まず刑法上の問題を説明しますと,VさんにはAさんに写真を送る義務はありませんので,Vさんに写真を送るように要求することは強要罪(刑法223条)に該当する可能性があります。

また,18歳未満の男女(児童,青少年)に対し自身の裸の写真など(いわゆる自撮り写真)を要求することは都道府県の定める条例によって禁止されている場合があります。
今回のケースではVさんは神奈川県在住であり,神奈川県青少年保護育成条例にはまさしく自撮り写真の要求行為を禁止する規定があります。

第31条の2(児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止) 

何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めてはならない。

第53条 

4 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する

(13) 第31条の2の規定に違反した者であつて、次のいずれかに該当するもの
ア 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めた者
イ 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めた者

AさんはVさんから裸の写真を来ることを拒否されたにも関わらず「学校にばらすぞ」と脅して写真を送るように要求しています。
したがって,Aさんの自撮りを要求する行為神奈川県青少年保護育成条例違反となると考えられます。

ところで,Aさんは愛知県に住んでいますがAさんに神奈川県青少年保護育成条例は適用されるのでしょうか。
高松高等裁判所昭和61年12月2日判決は
「県条例が禁止する内容の電話を他県から県内に通話した者は、電話を受けた場所である結果発生地が当該県内である以上、当該県民および滞在者でなくても、当該条例の適用を受ける。」
と判示しており,同様に自撮り要求行為を禁止する条例のある都道府県在住の者に自撮りを要求することは当該都道府県条例違反となると考えられます。

~弁護活動~

今回のケースのような青少年保護育成条例違反の場合には,主な弁護活動として身柄解放活動および被害者の方との示談交渉が考えられます。
刑事事件の被疑者として逮捕されてしまいますと,逮捕及び勾留によって最長で23日間身柄拘束をされてしまいますので身柄解放に向けて検察官や裁判所に書面を提出したり,勾留に対する準抗告を裁判所にするといった活動が考えられます。
勾留請求されなかった場合,勾留請求が却下された場合,勾留に対する準抗告が認められ場合には身柄拘束がなくなり在宅で捜査が進むことになります。

また,今回のケースのような被害者のいる青少年保護育成条例違反の場合は被害者の方との示談交渉が非常に重要となります。
今回のケースでは被害者(未成年のため親権者)と示談を成立させることができれば検察官は事件を起訴猶予とする可能性が高くなります。
ただし,加害者が被害者と接触するという行為は望ましくなく,また,被害者の方も加害者からの直接の示談交渉には応じて頂けない場合がほとんどです。
しかし,弁護士が相手であれば被害者の方も安心して話を聞いてくれることが多いです。
まずは刑事事件に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
全国13都市に支部があり幅広い地域での刑事弁護活動が可能です。
今回のケースのような愛知県と神奈川県といった離れた地域間であっても弁護活動が可能です。
他県で刑事事件を起こしてしまったという場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
無料法律相談・警察署等での初回接見サービスのご予約を24時間365日年中無休で受け付けています。

児童ポルノを購入してしまっていたら

2020-08-24

児童ポルノを購入してしまっていた場合について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

~ケース~

名古屋市千種区在住のAさんはアダルトサイトから様々な動画を購入していた。
購入した動画の中には一見すると中学生かと思われる女性のポルノ動画もあったが,サイトによると18歳以上であるということであったので気にせずに保存していた。
その後,Aさんの利用していたアダルトサイトの管理人がわゆる「児童ポルノ」に該当する動画を販売していたとして児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されたとニュースで報じられた。
自分も逮捕されてしまうのではないかと不安になったAさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談を利用することにした。
(フィクションです)

~児童ポルノ所持罪~

今回のケースはAVマーケット運営者摘発を基に作成しています。
AVマーケットの運営者摘発を受けて,利用者していた方から数多くの相談が寄せられていますので今後どのようになるかを解説していきたいと思います。
まず,児童ポルノに該当する動画を購入してしまった方には児童ポルノの単純所持罪が成立する可能性が考えられます。
児童ポルノの単純所持罪は児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童ポルノ禁止法など)第7条に定められています。

第七条 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。

第二条 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

いわゆるアダルトビデオの場合には,被写体の裸や性交または性交類似行為が写っていることが多いでしょう。
したがって被写体が18歳未満の場合には児童ポルノに該当してしまうと考えられます。

~児童ポルノ所持は逮捕されてしまうのか~

今回のAVマーケットのようなサイトの管理人,以前あったDVDショップアリスのような販売店の経営者が摘発された場合,次に検挙されるのは児童ポルノ提供者であると考えられます。
その後,会員リストや顧客名簿などから購入者を児童ポルノ所持罪で摘発するという流れになると考えられます。
DVDショップアリスでは約7000人の購入者リストが見つかり,870人が書類送検され,20人が逮捕されたとのことです。
基本的に,単純所持であれば初犯で逮捕されることはほぼありません。
一方で,提供目的所持の場合や以前に児童ポルノ関連で前科があるような場合には逮捕されてしまう可能性も考えられます。
また,証拠の保全のための家宅捜索によってご家族などに児童ポルノ所持が発覚してしまうこともあります。
家宅捜索を避けるためにはご自身で警察などの捜査機関に相談行くといったことが考えられます。
おひとりで出頭するのが不安な場合には弁護士に同行を依頼することが考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
これまで数多くの児童ポルノ所持事件を受任してまいりました。
今回のAVマーケットの管理人摘発を受けご不安な方は0120-631-881までご相談ください。
事務所での無料法律相談のご予約を24時間365日受け付けています。

車上荒らしで不起訴を目指す

2020-01-11

車上荒らしで不起訴を目指す

車上荒らしの弁護活動について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~ケース~

愛知県犬山市に住む大学生Aさんは駐車してある車の窓を破りロックを外し中の物品を盗むいわゆる車上荒らしをしていた。
Aさんが愛知県犬山市内の道路に駐車してある車の窓ガラスを破ったところ,車に設置してあった警報装置が鳴り響いた。
その音を偶然聞きつけたパトロール中の愛知県犬山警察署の警察官であるXにAさんは窃盗未遂罪および器物損壊罪の疑い現行犯逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親はなんとかして前科が付かないようにできないかと弁護法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に弁護を依頼した。
(フィクションです)

~車上荒らし~

車上荒らしはケースのAさんの犯行のように,窓ガラスなどを破り,ロックを外して車内の物品を盗む行為をいいます。
窓ガラスを割っていることから器物損壊罪(刑法261条)が,車内の金品を盗むことから窃盗罪(刑法235条)が成立します。

第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第261条
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第264条

第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

なお,器物損壊罪のいう前3条に規定する物とは,公用文書,私用文書,建造物のことをいいます。

~車上荒らしの弁護活動~

車上荒らしに限らず,窃盗罪器物損壊罪の場合,身柄拘束の回避,被害者の方との示談交渉が主な弁護活動となります。
窃盗罪器物損壊罪に限らず刑事事件を起こし逮捕され,勾留されてしまうと最長で23日間身柄を警察署などの留置施設に拘束されてしまうことになります。
また,勾留されてしまった場合には留満期とともに起訴されてしまう可能性が高く,被害者の方と示談交渉などをする時間的余裕も短くなってしまいます
一方,逮捕勾留されない在宅での捜査の場合には,勾留されてしまった場合に比べ起訴しなければならない期間が定められていませんので勾留されてしまった場合に比べ,示談交渉などをする時間的余裕が生まれます。

勾留回避のためには逮捕段階で刑事事件の弁護経験の豊富な弁護士に弁護を依頼することが重要です。
また,起訴される前の被疑者段階では勾留されなければ国選弁護人は選任されません
そのため,勾留そのものを回避するためには逮捕段階で弁護士に弁護を依頼する必要があります。
逮捕段階で依頼していただければ勾留決定の前に,裁判官に意見書の提出,弁護士が裁判官と直接面談などをして勾留決定をしないように働きかけます。

もし勾留されてしまった場合にも勾留決定に対する準抗告を申立て,準抗告が認められれば身柄解放されることになります。
しかし,勾留決定に対する準抗告が認容されるケースは勾留が却下されるケースに比べて少ないため,勾留前からの勾留回避活動が重要となります。

車上荒らしのような窃盗罪器物損壊罪に限らず,刑事事件を起こしてしまい示談をしようとしても被害者が赤の他人でり連絡先なども分からないことも多いでしょう。
その点,刑事事件の弁護の依頼を受けた弁護士であれば警察や検察官から被害者の方の連絡先を弁護士限りで取り次いで貰える場合もあります
被害者の方の連絡先を取り次いで貰えたら実際に被害者の方に連絡を取り示談交渉をすすめていきます。
示談交渉の際に加害者を許すという宥恕条項を示談書に盛り込んでもらうことで不起訴処分となる可能性が高くなります。

また,器物損壊罪は親告罪となっていますので,示談が成立し告訴をしない旨約束してもらえれば検察官は起訴することができず不起訴となります

車上荒らしのような窃盗器物損壊事件に限らず,刑事事件で不起訴処分となるためには示談交渉が非常に重要となります。
刑事事件を起こしてしまい前科を回避したいとお考えの方はできるだけ早く弁護士に相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
示談が成立し,不起訴処分となった刑事事件も多数取り扱ってまいりました。
車上荒らしなどの刑事事件を起こしてしまい前科を避けたいとお考えの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談,警察署などでの初回接見のご予約を24時間年中無休で受け付けております。

盗撮事件で前科を回避したい

2019-12-06

盗撮事件で前科を回避するためには

盗撮事件前科を回避したい場合を弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

~ケース~

名古屋市の大学に通うAさん(4回生)は名古屋駅にあるショッピングモールのエスカレーターで前に立っていたVさんのスカートの中をスマートフォンで盗撮した。
しかし,VさんはAさんが盗撮していることに気付き,Aさんは警備員に取り押さえられた。
その後,通報により駆け付けた愛知県中村警察署の警察官によってAさんは盗撮(愛知県迷惑行為防止条例違反)の疑いで事情を聞かれることになった。
Aさんはスマートフォンは没収されたものの逮捕勾留されることなく釈放され,連絡を受けたAさんの家族は,Aさんの将来のためにも前科が付かない方法がないか弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部に相談した。
(フィクションです)

盗撮が見つかってしまったら~

盗撮をして見つかってしまった場合,その場で警察に通報され,警察署で事情を聞かれることが多いでしょう。
このような場合に,その場から逃げようとせずに警察の指示に素直にしたがえば,逮捕されずにその日の内に釈放されるということもあります。
しかし,逃げようとしてしまうと,逃亡・証拠隠滅のおそれが高いと判断され,逮捕・勾留といった身柄拘束に繋がってしまう可能性が高くなります。
その為,盗撮が見つかってしまった場合には逃げようとせずに素直に警察の指示にしたがう事が身柄拘束をされないためには重要となります。

盗撮の場合の刑事手続き~

今回のAさんのように逮捕されなかった場合や,逮捕されてしまっても勾留されずに釈放された場合には在宅で事件の手続きが進むことになります。
警察が捜査を進め,検察官に事件の関係書類や証拠を送致します(この手続きを書類送検といいます)。
書類送検を受けた検察官は関係書類や証拠,事件後の情状などを考慮し,被疑者を起訴するかどうかを判断します。
起訴された場合には刑事裁判を受けることになりますが,100万円以下罰金刑の場合には刑事裁判が開かれずその場で罰金を納付する略式手続きが採られる場合もあります。
なお,在宅事件の場合には検察官は「何日以内に起訴しなければならない」という期限が定められていませんので比較的ゆっくりと手続きが進むことになります。

一方,逮捕・勾留されてしまった場合,検察官は被疑者の勾留を請求した日から10日以内(勾留延長があった場合には20日以内)に起訴しなければならないと定められています(刑事訴訟法208条)ので勾留されてしまった場合被害者の方と示談をする時間的余裕があまりありません
その為,検察官に勾留請求をしないように意見書を提出したり,勾留に対する準抗告申立などを依頼された弁護士は行うことになります。
検察官が勾留請求をしなかった場合や,準抗告申立が認められた場合には釈放され,在宅で事件の手続きが進むことになります。

なお,盗撮に限らず在宅事件の場合には起訴されるまでは国選弁護人を付けることは出来ませんので弁護士を付ける場合には私選の弁護士に依頼することになります。
私選の弁護士に依頼するメリットとして,起訴前に示談交渉などの弁護活動が行える点があります。
盗撮事件の場合,余罪のない1件のみで前科がないという場合には被害者の方と示談を成立させることができれば検察官は事件を起訴猶予の不起訴処分とすることが多いです。
一方で示談を成立させられなかった場合には起訴され略式手続きで罰金刑となることが多いようです。
罰金刑であっても前科となってしまいますので前科を回避するためには示談を成立させることが重要です。

盗撮の場合の示談交渉~

盗撮事件では示談を成立させることが出来れば検察官が事件を不起訴処分にすることが多いと書きましたが,事件を起こした本人が被害者の方と直接示談をするのはほぼ不可能でしょう。
というのも,盗撮に限らず刑事事件の被害者の情報を加害者は教えてもらう事は当然できません。
また,仮に何らかの方法で連絡が取れたとしても,盗撮などの被害者は不信感や恐怖心などにより会ってくれないことが多いでしょう。
逆に加害者が直接連絡を取ることで,却って被害者の方を怒らせてしまう可能性もあります。

刑事事件の弁護の依頼を受けた弁護士であれば,検察官から被害者の方の連絡先を取り次いでいただき連絡を取れる場合が多いです。
被害者の方も弁護士が相手であれば話を聞いてみようと考えて頂けることが多いようです。
被害者の方に話を聞いていただき示談を成立させることができれば今回のAさんのケースのような盗撮事件では不起訴処分となる可能性が高いでしょう。
また,示談を断られてしまった場合でも示談を試みたということは若干ではありますが有利な情状として扱ってもらえる場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
盗撮事件で示談を成立させ不起訴処分となった事件も数多く手掛けて参りました。
盗撮をしてしまい前科をつけたくない,不起訴処分を目指したいとお考えの方は0120-63-881までお気軽にご相談ください。
事務所での無料法律相談・警察署などでの初回接見サービスのご予約を24時間年中無休で受け付けています。

東海市で強制性交等致傷罪に問われたら

2019-11-14

東海市で強制性交等致傷罪に問われたら

~東海市で強制性交等致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~

~ケース~

東海市在住のAさんは、深夜、忘年会から帰る途中、暗い夜道を1人で歩くVさんを見かけた。
ムラムラしたZAさんは、Vさんに後ろから近付き、「騒いだら殴る」とVさんを脅し、Vさんを押し倒した。
その際、Vさんは腕を骨折する傷害を負ったが、Aさんは構わず姦淫した。
後日、事件現場付近の防犯カメラの映像やVさんに付着していた体液が決め手となり、Aさんは強制性交等致傷罪の容疑で愛知県警察東海警察署の警察官に逮捕され、その後起訴された。
Aさんが起訴されたとだけ聞かされたAさんの両親は、何とか保釈をして欲しいという思いから、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部弁護士に相談した。
(フィクションです)

~強制性交等致傷罪~

強制性交等罪は、刑法第177条において「十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。…」と規定されています。
また、強制性交等致死傷罪については、刑法第181条2項において「第百七十七条……の罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。」 と規定されています。
暴行・脅迫を用いて性交等をした場合、被害者に怪我が無ければ強制性交等罪、怪我をさせてしまった場合は強制性交等致傷罪となります。

強制性交等致傷罪における暴行とは、性交等を行うために、殴ったり、力ずくで抑え込んだりすることを指します。
また、脅迫とは、性交等を行うために、刃物で刺すそぶりを見せて脅したり、「騒ぐと殺すぞ」と言って脅したりすることを言います。

強制性交等致傷罪の刑罰は、強制性交等罪に比べ、懲役刑の下限が6年に引き上げられており、また無期懲役も定められているため、非常に重い刑罰といえます。
さらに、相手を死亡させてしまった場合は、無期懲役となる可能性が高くなります。

その為、強制性交等致傷罪に問われた場合、出来るだけ早く刑事事件に強い弁護士に弁護活動をしてもらうことをお勧めします。
例えば、もし加害者と被害者との間で起訴前に示談が成立すれば、起訴されない可能性も出てきます。
当然、不起訴となった場合は刑罰を科されることはありません。
また、示談が成立したのが起訴後であったとしても、示談が成立していることのほかに、前科の有無や加害者の反省度合いなどを考慮して、懲役年数が減少することも考えられます。
仮に、減刑されて懲役3年となれば、執行猶予が付く可能性も出てきます。
一方、被害者との間で示談が成立しなければ、実刑となる可能性が極めて高くなります。

~保釈~

保釈とは、保釈保証金(いわゆる保釈金)の納付を条件として、住居等の制限のもとに被告人の身体拘束を解く釈放制度です。
保釈は、起訴された後、保釈請求書を裁判所に提出するかたちで行われます。
その際、一般的には、弁護人は保釈を認めてもらうために裁判官と面談をしたりするなどして、被告人の保釈をすることの必要性及び保釈しても罪証隠滅等のおそれなどの問題はないという許容性を説明します。

この点、保釈には必要的保釈と裁量保釈があります。
必要的保釈については刑事訴訟法第89条にきていされており、以下の要件を満たしていない場合、必ず保釈が認められることになります。

1.被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
2.被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
3.被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
4.被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
5.被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
6.被告人の氏名又は住居が分からないとき。

仮に、上記の要件を満たしていたとしても、保釈の必要性が高いこと、また身柄拘束を続ける必要性が低いことを主張することで、裁量保釈を求めていくことは可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部弁護士は、日頃刑事事件のみを受任しておりますので、強制性交等致傷罪についての刑事弁護活動も安心してお任せいただけます。
強制性交等致傷罪に問われてお困りの方やそのご家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部弁護士にご相談ください。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら