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【解決事例】名古屋市西区の住居侵入、窃盗事件で保釈決定と執行猶予判決獲得
住居侵入・窃盗事件で保釈が決定し、執行猶予判決を獲得したことにつき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
ご本人様(30代男性)は知人女性の自宅に侵入し、金品を窃取したとして、愛知県西警察署で逮捕・勾留され、起訴されていました。
奥様は、子供たちのためにも一刻も早く夫には帰ってきてほしいです、また、夫は今の仕事を辞めざるをえないと思いますが、次の就職活動のためにも何とか執行猶予をつけて頂くことはできないのでしょうか、と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【弁護活動】
被害者様に示談交渉に応じていただけないかと検察庁を通して伝えたところ、「弁護士さんを通されても、加害者とは今後一切関わりたくないので、示談交渉には一切応じられません。謝罪文などもいただけません。」との回答を頂いたため、示談交渉については断念いたしました。
その後、裁判所に対し、①保釈をしても罪証隠滅をする可能性はないこと、②保釈をしても逃亡する可能性はないこと、③保釈をしても処罰を免れる目的で所在不明となる可能性はないこと、を主張した結果、ご本人様には保釈が認められました。
また、被害者様と示談を始めることはできなかったものの、その経緯を書類にまとめ、裁判所に提出、さらに贖罪寄付を行い、その旨についても裁判所に提出するなどの活動を行った結果、ご本人様には執行猶予付き判決が下されました。
【まとめ】
保釈とは、保証金を納めることにより、勾留されている者の身柄の拘束を解く制度のことで、起訴されて身分が被告人となった以降に保釈の請求ができます。
保釈を認めてもらうには、①保釈をしても被告人の証拠隠滅の危険がないこと、②保釈をしても被告人には逃亡の危険がないこと、③保釈をしても被告人が被害者等に接触する危険がないこと、を裁判所に主張する必要があります。
贖罪寄付とは、被害者のいない刑事事件、被害者との示談ができなかった刑事事件などにおいて、被疑者や被告人の改悛の真情を表すための寄付のことです。
反省を込めてなされる贖罪寄付は、裁判所における情状の判断資料となっています。
保釈や贖罪寄付の手続き、裁判所や検察庁への主張・申立ては、法律の専門家である弁護士に任せるのがよいでしょう。
このコラムをご覧の方で、住居侵入、窃盗事件で保釈を希望、執行猶予判決を希望される方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、住居侵入、窃盗事件に関するご相談を
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を受け付けております。
GPSから発覚、建築会社から銅線などを盗んだ疑いで男2人逮捕
【事件の概要】
愛知県津島警察署は、建築会社から銅線などを盗んだとして、50代の男2人を逮捕しました。逮捕のきっかけが、建築会社が仕掛けていたGPSであったことが話題になっています。
警察によりますと2人は、瀬戸市 の建築会社の敷地内から銅線などを盗んだ疑いがもたれています。
被害のあった建築会社では、1年ほど前から銅線が盗まれる被害が相次いでいたことから、銅線が入った土のう袋の中にGPSを仕掛け、これを追跡したところ、銅線が売られていたことがわかったことから、2人の逮捕につながったということです。
逮捕された2人の男のうち1人は、「他にも貴金属を盗んだ」などと話していることから警察は、余罪についても調べています。
(6月10日配信の名古屋テレビニュースを参考にしています)
【金属窃盗は増加傾向】
金属価格が世界的に高騰し続けていることもあり、金属窃盗事件件数は増加しています。
特に銅の価格はこの2年で倍近くまで高騰しており、今回のような銅線窃盗の被害報道が数多くされています。
金属窃盗は刑法第235条の窃盗罪に該当し、罰則として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が規定されます。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
【1年前から窃盗被害、余罪の可能性】
金属窃盗は、今回の事件ように、金属窃盗と転売を何度もすることで利益を得るケースがほとんどです。
そのため、金属窃盗の疑いで警察に逮捕された場合は、これまでに同様の余罪がないかを、調べられる可能性が非常に高いです。
今回の事件では、被疑者の1人が「他にも貴金属を盗んだ」と述べていることや、被害を受けた建設会社では1年以上前から盗難被害を受け、GPSを設置したことで犯行が発覚したという経緯からも、被疑者の2人には多くの余罪がありそうです。
【余罪と量刑】
前述したように、窃盗罪の罰則は、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
初犯であったり、被害額が比較的少額であったりする場合、示談が成立していなければ、略式起訴による罰金刑となることが多いです。
しかし、被害額が高額であったり、余罪が複数ある場合には、本件以外でも立件され、起訴される可能性があります。
さらに、今回の事件のように、1年以上にわたって金属窃盗に及んでいたとみられる場合には、その常習性や悪質性から、実刑判決が下されることもありえます。
【弁護活動】
金属窃盗で少しでも刑事罰を軽くしたいと希望する場合は、被害弁償を含めた示談交渉が不可欠です。
被害者との示談が締結できていれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。
今回のように余罪が複数ある場合でも、被害者との示談が成立していれば、不起訴や起訴されても執行猶予がつく可能性が出てきます。
金属窃盗事件を起こしてしまった方で、刑事処分の軽減を希望する場合は、早期に刑事事件に強い弁護士に相談し、被害者と示談することをおすすめします 。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
窃盗事件に詳しい弁護士も在籍しております。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
【解決事例】岡崎市の窃盗(万引き)事件で不送致処分獲得
窃盗(万引き)事件で不送致処分を獲得したことにつき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
ご本人様(40代男性)は愛知県岡崎市の書店で万引きをしたとして、愛知県岡崎警察署で取調べを受けていました。
ご本人様と奥様は、「万引きをして警察に行き、事情聴取を受けました、その後すぐに書店に行き、店長さんに謝罪と弁償をしていますが、これからどうなるのか心配です」
と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【弁護活動】
ご本人様には、同書店において過去に何度か万引きをしていました。
その件も含め、同書店の店長様(被害者様)に対し被害弁償と示談交渉を申し込んだところ、交渉に応じる旨のお返事を頂きました。
ご本人様と奥様が作成された謝罪文を被害者様に渡し、誠心誠意謝罪したい旨伝えたところ、ご本人様の刑事処罰を求めない旨を含めた示談を締結することができました。
その後岡崎警察署に、示談が締結された旨をまとめて、文章で提出したところ、ご本人様の事件は検察庁に送致されることなく、警察限り処分で終了となりました。
【まとめ】
窃盗事件の示談の場合、加害者が被害品の弁償金等の支払いをして、被害者からは身柄の早期釈放や寛大な処分などの意思表示をしてもらうことが多いです。
示談が成立すれば、
①逮捕・勾留中の場合は、釈放される可能性が高くなる
②不起訴となる有利な事情となる
③正式裁判になった場合でも、執行猶予付判決となったり、刑が軽くなる可能性高くなる
④窃盗事件の当事者間で、今後の民事的紛争が回避できる可能性が高くなる
等の大きなメリットがあります。
ただし、締結した示談の内容によっては、同じ事件で後日争いが蒸し返される可能性が有ります。
そのようなことにならないよう、示談交渉は窃盗事件の示談に詳しい弁護士に依頼しましょう。
このコラムをご覧の方で、窃盗(万引き)事件の被害者との示談を希望されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、窃盗(万引き)事件に関するご相談を
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を受け付けております。
【解決事例】碧南市の窃盗事件(万引き)で不送致処分を獲得
窃盗事件(万引き)で不送致処分を獲得したことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
ご本人様(50代男性)は、愛知県碧南市にある書店で雑誌(1500円相当)を万引きしたとして、碧南警察署で取調べの予定が入っていました。
ご本人様は「既に警察官と一緒に、店長さんに今回の件については謝罪と賠償をしています。ですが私はこのお店で何回か万引きをしており、今後そのことを取調べの時に聞かれるようです。これから私はどうなるのでしょうか。」と不安げに相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【弁護活動】
弁護士より被害店舗様に、「ご本人様も大変反省していますので、示談をさせていただけないでしょうか。」と申し出たところ、「わかりました、お話をうかがいます。」と被害店舗様より回答がありました。
その後、被害店舗様より「今までの万引き分も含め、示談金として3万円を払っていただければ被害届を取り下げます。ただし今後は店舗には一切近づかないで下さい。」との回答があり、こちらの内容で示談を締結することができました。
弁護士は示談の内容をまとめ、碧南警察署に提出し、被害届は取り下げられました。
被害届が取り下げられたことにより、事件は検察庁に送致されることなく、ご本人様は不送致処分(警察限り措置)となりました。
【まとめ】
窃盗事件における示談とは、被害額の弁償や慰謝料を払うことで、窃盗事件を起こしたことに対し、被害者から許してもらう契約のことです。
窃盗事件の示談の場合、加害者が被害品の弁償金等の支払いをし、その後被害者から、身柄を拘束されていれば身柄の早期釈放や、加害者に対して寛大な処分をしてください、といった意思表示をしてもらうことが多いのです。
示談の効果として、①警察が介入する前に示談が成立すれば、事件にはならない、②身柄が解放される確率が高くなる、③不送致、不起訴の大きな理由になる、④正式裁判になったとしても、執行猶予付き判決など刑が軽くなる可能性が高くなる、⑤示談が成立した当事者間での、今後の民事的紛争が避けられる可能性が高くなる、などがあります。
窃盗事件においては、警察介入前から事件終了まで、示談のもたらす効果は大きいものです。
示談を成立させるには、窃盗事件の示談に詳しい弁護士に依頼し、示談交渉してもらうのがよいでしょう。
窃盗事件、万引き事件で被害者様と示談をしたいという方は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)の、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にて、ご相談の予約を受け付けております。
商品を見せてもらいそのまま盗むこと
商品を見せてもらいそのまま盗むことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは指輪を買うつもりで愛知県東海市にある貴金属店に行きましたが、自分の欲しい指輪は高価で買えそうにありませんでした。
そこでAさんはショーケースの中にある指輪を指して「これを見せてください」と言い、店員から指輪を受け取り自分の指にはめました。
その時店員がAさんから目を離したため、Aさんはその隙に指輪をはめたまま店外に走って逃走しました。
数日後、Aさん宅に愛知県東海警察署の警察官が訪れて、Aさんは窃盗罪で逮捕されました。
Aさんは、事件のことが会社にばれてしまうのではないかと気が気ではありません。
(フィクションです)
【店員を騙しているのに窃盗罪になりますか】
Aさんは、店員を「騙して」指輪をとっているので、「窃盗罪」ではなく「詐欺罪」になるのではないかと思われるかもしれませんが、今回は窃盗罪にあたる可能性が高いのです。
ではその理由を見ていきましょう。
詐欺罪が成立するには
①欺く行為がある②錯誤に陥る③財産的処分行為がある④財物の交付がある
ことが必要で、更に①~④が繋がっていることが必要です。
この中で③の「財産的処分行為」とは、財物を処分できる権限がある者が財物を交付することです。
事例の場合、店員が指輪を一時的に見せることは財産的処分にはあたらないとされています。(東京高等裁判所昭和30年4月2日判決)
今回は、店員が財産的処分行為をしていないので、詐欺罪にはならず、窃盗罪が成立するのです。
窃盗罪は刑法第235条に規定があり
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
とあります。
【事件のことを秘密にしたい】
窃盗事件で逮捕されると、テレビ、新聞、インターネットなどで報道されてしまう可能性が有ります。
報道されると、会社の人や近所の人などに事件のことが知られてしまう可能性が高まります。
そうなれば、最悪の場合、会社を解雇されてしまったり、引っ越しせざるを得なくなったりするかもしれません。
また、報道されずとも、逮捕され、その後勾留されれば最長23日間は警察署の留置場にいることになりますので、会社を休まざるを得なくなり、そこで事件のことが発覚してしまう可能性があります。
事件が報道されるか否かについては、捜査機関(警察など)から情報提供を受けた報道機関が判断します。
弁護士は捜査機関に、事件について報道機関に情報提供を行わないように働きかけることも可能です。
逮捕、勾留された場合は、やはり早く釈放されればその分会社の人や近所の人に知られる可能性が低くなります。
弁護士は、被害者と示談交渉を行う、裁判所の勾留決定に対し不服申し立てを行うなど、早期に身柄が解放されるよう弁護活動を行うことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
窃盗罪に詳しい弁護士も在籍しております。
ご家族やご自身が窃盗罪で逮捕された、事件のことを周囲に知られたくないという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
他人の預金通帳を使っての払戻しと保釈
他人の預金通帳を使っての払戻しと保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
愛知県海部郡蟹江町に住むAさんは生活費に困り、ルームシェアをしているBさんの預金をおろすことにしました。
AさんはBさんの預金通帳と印鑑を盗んで、銀行に行きBさんになりすまして払戻請求書に必要事項を記載し、銀行の窓口に差し出しました。
銀行窓口の係員は、AさんをBさんだと思い預金を支払う手続きを行い、現金をAさんに渡しました。
Aさんは愛知県蟹江警察署の警察官に窃盗罪と詐欺罪の容疑で逮捕、勾留され起訴されました。
Aさんには前科があるので、Aさんも実刑になることは覚悟しているのですが、刑務所に収監される前に一度愛知県蟹江警察署の留置場から出て、家族に会ったり、様々な手続きを済ませたいと考えています。
(フィクションです)
【Aさんの行為について】
Aさんの行為については
①Bさんの預金通帳と印鑑を盗んだことが窃盗罪
②Bさんになりすまし、銀行の窓口の係員をだまして現金を得たことが詐欺罪
に問われる可能性があります。
①の窃盗罪は刑法第235条に規定があり
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
とされています。
つまり、他人の占有する財物を、占有者の意思に反してその占有を侵害し、財物を自分や第三者の占有に移す(自分や第三者のものにする)と窃盗罪となります。
Aさんも、Bさんが占有する預金通帳と印鑑を、Bさんの許可なく勝手に持ち出し、自分のものとしたので、窃盗罪が成立すると思われます。
②の詐欺罪は刑法第246条に規定があり
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
とされています。
つまり、Aさんは自分はBさんであると銀行窓口の係員を欺いて、その結果係員に現金を交付させたので詐欺罪が成立すると思われます。
【留置場から出たい!そのような時には…】
留置場から出る活動には、時期が勾留時から起訴後まで様々な種類があります。
その中には「保釈」という手続きがあります。
保釈とは、起訴後にのみ認められている制度で、保釈金の納付を条件として、勾留の執行を停止し、拘禁状態を解く制度のことです。
法律上は原則として保釈を認めており、これを「権利保釈」といいます。
ただし、以下の場合は例外的に保釈が認められないとされています。
①死刑、無期、短期1年以上の懲役刑や禁固刑にあたる罪を犯したものであるとき
②以前に死刑、無期、長期10年を超える懲役刑や禁固刑に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき
③常習として長期3年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪を犯したものであるとき
④罪証隠滅(証拠隠滅)のおそれがあるとき
⑤被害者やその事件の関係者や親族の身体もしくは財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をするおそれがあるとき
⑥被告人の氏名または住所がわからないとき
【保釈が認められない場合にあてはまったら絶対に無理なのですか?】
上記の保釈が認められない場合に該当する場合でも、裁判所は適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができます。
なお、裁判所に納める保釈金は一般の刑事事件であれば、最低でも150万円~200万円が相場とされています。
保釈金の準備ができない場合には、保釈保証金を立て替えてもらえる制度もあります。
この保釈金は、保釈時に裁判所が提示した保釈時の条件等(証拠隠滅をしない、裁判に出席するなど)に違反してしまうと、身柄拘束を再度されると同時に裁判所に没収されてしまいます。
しかし、裁判が終結するまで保釈時の条件等に違反しなければ、裁判の結果がどのようなものであれ、保釈金は全額返ってきます。
保釈に関してのご説明や手続きにつきましては、刑事事件に強い弁護士にお任せください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の詐欺罪への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が他人の預金通帳で現金を払い戻して話を聞かれることになった、保釈について相談したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
物を持ち去っても窃盗罪にならない場合
物を持ち去っても窃盗罪にならない場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは生活に困ったため、刑務所に入りたいと考えていました。
そこでAさんは、誰かの物を持ち去り、すぐに自首して有罪になり、刑務所に入ることを思いつきました。
ある日の夜、Aさんは愛知県犬山市の路上で音楽ライブをしていた、VさんのCDを持ち去り、そのまま50メートル離れた愛知県犬山警察署の交番に持って行って、警察官に「窃盗罪をしたので自首をします」と言いました。
(フィクションです)
【刑事事件について】
AさんはVさんのCDを持ち去っているので、一見窃盗罪が成立するように見えます。
しかしこの場合は窃盗罪は成立しません。
理由などをみていきましょう。
まず、窃盗罪は刑法第235条に規定があり
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
とあります。
窃盗罪が成立するには不法領得の意思が必要とされていますが、不法領得の意思とは、「権利者を排除して他人の物を自己の所有物として」、「その経済的用法に従い利用、処分する意思」のことと言われています。
事例の場合は、Aさんは罪を犯して有罪となり、刑務所に入る目的でCDを持ち去っています。
しかし、一般的にはCDは音楽を聴くためのもの(経済的用法は音楽を聴くこと)です。
Aさんは、CDを持ち去った後は、自首するまでこれを交番に持っていくだけが目的でした。
また、Aさんが目指している「刑務所に入る」という目的は、Aさんが有罪判決を受けて実現するもので、CDを聴いて実現するものではありません。
よって、AさんにはCDを経済的用法に従って利用したり処分する意思が無く、いわゆる不法領得の意思が欠けているのでAさんには窃盗罪が成立しない可能性があります。
ただし、AさんがCDを持ち去った後、自首せずCDを捨ててしまった場合は、CDが使用できなくなるなるため、器物損壊罪が成立する可能性が有ります。
【自首とはどのようなことですか】
Aさんが交番で警察官に伝えた「自首」とはどのようなことか見ていきましょう。
自首とは、事件の犯人が警察等の捜査機関に、自発的に窃盗の事実を申告して処分を求めることです。
自首が成立するには、①捜査機関に窃盗事件が発覚していないこと、②捜査機関に自発的に自己の犯罪を申告すること、が必要です。
この条件が欠けている時は、警察に出向いたとしても自首は成立しません。
自首を行った場合の刑法上のメリットは、刑が減刑される可能性があるというものです。
ですので、必ずしも刑が減刑されるわけではなく、自首による減刑は裁判所の自由な裁量によりなされます。
しかし、自首をすることによって逮捕される可能性が低くなる可能性はあります。
事件ごとに判断され、自首をしたからといって逮捕されなくなるわけではありません。
また、警察など捜査機関がすでに事件や犯人を把握している場合に、捜査機関の呼び出し等に応じて犯人が出向くことを任意出頭といいます。
任意出頭は、自首とは異なり刑法上、刑の減刑等の効果は定められていません。
ですが、任意出頭をするということは、犯人の反省の情を示す事情として判断される可能性があり、有利な情状として取り扱われる可能性があります。
窃盗事件を起こして自首をしようと考えているが、自首をした方がよいのか、そうではないのか、など自首の事でお悩みの方は、刑事事件に強い弁護士に一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
窃盗罪や自首に詳しい弁護士も在籍しております。
ご家族やご自身が窃盗罪を起こしてしまった、捜査機関に自首をするべきか悩んでいる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
【名古屋の建造物侵入・窃盗事件】市役所に侵入し、現金を盗む
【名古屋の建造物侵入・窃盗事件】について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
事案:2021年11月、東海市役所に侵入し、現金48万円あまりを盗むなどした事件(メーテレ「市役所に侵入・現金を盗んだなどの罪に問われた男 懲役3年、執行猶予5年の判決 名古屋地裁」(2022年3月28日)より引用)。
【窃盗罪と不法領得の意思】
刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と定め、刑法38条本文は「罪を犯す意思」すなわち当該犯罪に対する故意を犯罪の成立要件としています。
もっとも、窃盗罪が成立するためには、条文(刑法)に書かれざる要件として「不法領得の意思」が必要であると解されています。
判例(最判昭和26年7月13日)によると、「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は書部する意思」がその内容とされています。
本件では、「建造物」たる市役所に無断で「侵入」した上で(刑法130条前段)、報道によるとギャンブルでつくった借金を返済する目的で現金を盗んでおり、上記不法領得の意思が認められることは明らかな事案だと考えられます。
【窃盗事件における弁護活動】
本件で名古屋地裁半田支部は、男に「懲役3年、執行猶予5年」の判決を言い渡しています。
窃盗罪は財産犯ですから、被害弁償によって生じた被害を回復させることがまずは何よりも重要な弁護活動の一つと考えられています。
実際に本件の報道にもあるように、本判決を言い渡すにあたって、酌むべき情状として「被害弁償を行い、前科もない」ことが考慮されていることからも、弁護活動として被害弁償を行うことの重要性は裏付けられていると言えるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、窃盗事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
窃盗で逮捕された方のご家族は、年中無休のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにご連絡ください。
借金のかたのカードの使用と詐欺罪
借金のかたのカードの使用と詐欺罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
AさんはBさんに現金を貸していましたが、その担保としてBさんの母名義のクレジットカードを受け取りました。
その後Bさんから、返済期日までに返済がなかったことから、AさんはBさんとBさんの母に対し、担保にしているBさんの母名義のクレジットカードを使って、返済にあてると伝え、BさんもBさんの母もこれを了承し、クレジットカードの暗証番号を伝えました。
その後Aさんは愛知県清須市にある電気店に行き、Bさんの母名義のクレジットカードを店員に示し、サインを求められたためBさんの母の名前を署名して提出し、パソコンを購入しました。
後日、電気店の店員が、Aさんが男性なのに署名が女性名義なのを不審に思い、愛知県西枇杷島警察署に通報し、Aさんは詐欺罪で愛知県西枇杷島警察署で話を聞かれることになりました。
Aさんは、BさんにもBさんの母にもクレジットカードを使う許可をもらっているのに、何が悪いんだろうと考えています。
(フィクションです)
【詐欺罪は成立するのでしょうか】
今回の場合、AさんがBさんの母名義のクレジットカードを使うことを、Bさんの母が許可している場合に、AさんがBさんの母になりすまして、電気店からパソコンを手に入れていることが詐欺罪にあたるかどうかが気になるところです。
まずは詐欺罪についてみていきましょう。
詐欺罪は、刑法第246条に規定があり
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、前項と同様とする。
とあります。
これは、
「欺く行為」→「錯誤に陥る」→「財産的処分行為」→「財物の交付など」
が、それぞれ関連がある状態で発生することで、詐欺罪となるといわれています。
今回の場合は、クレジットカードというものは、名義人の信用に基づいてその使用が認められているものとされており、結局クレジットカードを使えるのはその名義人に限定されています。
よって、クレジットカードの名義人になりすまして、クレジットカードを使用することは、店舗の間で許可されることはありません。
つまり、クレジットカードの名義人になりすまして、クレジットカードを提示することは、先に述べた「欺く行為」にあたり、詐欺罪が成立することになるのです。
【文書偽造罪については成立しますか】
Aさんがパソコンを購入する際に、Bさんの母の名前を署名していることから、文書偽造罪等も成立すると思われるかもしれません。
しかし、今回の場合は、文書偽造罪等は成立する可能性が低いと思われます。
というのも、文書偽造罪等は、文書の社会的な信頼を保護するのが目的とされています。
つまり、名義人が知らない文書が社会に出回ることを防ぎ、文書の信頼性を保護するためのものです。
今回の場合、文書の名義人(Bさんの母)が、自分の名義の文書の作成(サイン等)を許しているので、実際には文書の名義人が自ら製作した文書と変わらず、基本的には文書の信用性を害することにはならないとされます。
よって、文書等偽造罪が成立する可能性は、ほぼないと思われます。
【刑事事件に強い弁護士への相談】
Aさんのように、自分は特に悪いこと、犯罪になるようなことをしていないと思っていても、実はそれが犯罪になり、いきなり捜査機関から呼び出しを受けるということは、あり得ることです。
もし、そのようなことになった時は、刑事事件に強い弁護士にすぐ相談をしてください。
今後の事件の流れや、取調べへの対策などについて、相談内容をしっかり伺った後、最適なアドバイスをさせていただきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の詐欺罪への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族やご自身が他人のクレジットカードを使用した、自分のしたことが犯罪になると思わなかったとお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
ヘロインと強盗殺人未遂罪と保釈
ヘロインと強盗殺人未遂罪と保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは違法薬物の売人であるVさんに対し、待ち合わせ場所の愛知県春日井市の路地裏で代金を支払う意思がないのに「ヘロインを売ってくれ」と頼みました。
AさんはVさんからヘロインを受け取りましたが、Aさんは代金支払いを免れるために出刃包丁でVさんの腹部を刺し逃走しました。
Vさんは通行人に救助され一命をとりとめましたが、Aさんは強盗殺人未遂罪と麻薬及び向精神薬取締法違反で愛知県春日井警察署に逮捕・勾留され、その後起訴されていますが、Aさんの家族はAさんが刑務所に行く前に一度自宅に帰ってきてほしいと考えています。
(フィクションです)
【ヘロインとはどのようなものですか?】
ヘロインとは、けしを原料とした薬物のことで、けしからあへんを採取し、あへんから抽出したモルヒネを精製して作られており、「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬として規制されています。
モルヒネになる前のあへんとは、けしから採取した液を凝固させたもののことです。
原料であるけしの栽培やあへんの採取、あへん及びけしがらの輸出入、所持などは「あへん法」により規制されています。
ヘロインは、強い精神的・身体的依存が特徴の薬物で、ヘロインを使用すると強い陶酔感や快感を覚えます。
しかし、2~3時間ごとに摂取しないと、体の激しい痛み、悪寒、嘔吐、失神などの激しい禁断症状が起こります。
また大量に摂取すると死に至ります。
ヘロインについては、医学的な使用も一切禁止されています。
ヘロインの所持については、麻薬及び向精神薬取締法に規定があり
営利目的が無ければ、法定刑は10年以下の懲役です。
営利目的があれば、法定刑は1年以上の懲役で、情状により500万円以下の罰金を併科されます。
【強盗殺人未遂罪について】
このような事例については既に判例があり、
「違法薬物をだまし取った後に、代金支払いを免れるために殺人を行おうとしてこれが未遂に終わった場合、代金支払いを免れるという財産上不法の利益をえるためにされたものである以上、この行為は詐欺罪と2項強盗による強盗殺人未遂罪との包括一罪が成立する。」とあります。(最高裁判所昭和61年11月18日判決)
※2項強盗とは、刑法に「強盗罪」として規定される行為のうち直接的な「財物の強取」ではなく、代金の支払い拒否などの「経済的利益を不当に奪い取る」ことを目的として行われる強盗行為のことを言います。
強盗罪が規定されている刑法第236条の「第2項」に規定されているため「2項強盗」と呼ばれています。
【Aさんは自宅に帰ることができるのか】
警察署に留置され、起訴されているAさんが自宅に帰るには「保釈」という制度を利用することになります。
保釈とは、身柄拘束されている被告人(起訴された人)が、一定金額のお金(保釈金)を納付して身柄を解放してもらう制度です。
保釈には、必要的保釈と裁量保釈、職権保釈の3種類がありますが、いずれの保釈の場合でも弁護士によって保釈請求書を作成してもらい、保釈請求を行ってもらうことが有効です。
保釈請求が行われた場合、刑事訴訟法第89条に記載されている事項を除いて、裁判所は保釈を許さなければならないとしています。
刑事訴訟法第89条には
①被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
③被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき。
とあり、つまりこれに該当しない時は保釈が認められるということです。
ただし、薬物事件においては上記の③と④に該当すると判断される可能性が高いため、特に薬物事件において保釈を希望されるときは弁護士にしっかり主張してもらうのがよいでしょう。
また、上記の89条の保釈が認められなくても、刑事訴訟法第90条に基づく保釈を請求することができます。
刑事訴訟法第90条に基づく保釈とは、裁判所が適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができるとしていることで、裁判所の裁量により行われる保釈です。
しかし、裁判所の職権で保釈の判断がされるため、これもやはり弁護士に裁判所に対ししっかりと主張してもらうことが大切です。
また、保釈請求が認められたとしても、保釈金を裁判所に預り金として支払わなくてはなりません。
保釈金は仮に後の裁判で有罪判決を受けたとしても裁判所から返還を受けることができますが、保釈金の金額については、人それぞれですので、一概に金額を見積もることは困難です。
また、薬物事件の場合は再犯率や逃走の恐れの観点から、保釈金は高額になる傾向があります。
最後に職権保釈についてですが、職権保釈とは刑事訴訟法第91条に基づいた、勾留による拘禁が不当に長くなった場合には、保釈を許さなければならないというものです。
保釈を希望される方は、刑事事件、薬物事件に強い弁護士に、ぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、薬物事件を多数扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
麻薬及び向精神薬取締法違反事件や強盗殺人未遂罪で逮捕された方のご家族等は、年中無休で対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)まで今すぐにお問い合わせください。