犬山市の富くじ発売罪なら

2019-05-27

犬山市の富くじ発売罪なら

~ケース~

犬山市在住のAさんは、動画サイトで活動するいわゆる動画配信者である。
ある日,Aさんは自身の配信上で「視聴者参加型プレゼント企画」と称して1口500ポイントの抽選型プレゼント企画を実施した。
Aさんの配信する動画サイトでは、視聴者がポイントを購入し配信者に送ることで、一定の割合で配信者が現金を得られる仕組みになっていた。
Aさんは参加者それぞれに番号を割り振り,配信上で番号の抽選をし当選者に賞品を発送した。
後日,当該動画を見た愛知県警察犬山警察署の警察官がAさんの行為が富くじ発売罪に当たるのではないかと思い,Aさんから事情を聞くことにした。
(フィクションです)

~富くじ発売罪~

富くじ発売罪については、刑法187条1項において「富くじを発売した者は,2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
富くじとは,あらかじめ番号札を発売して購買者から金銭その他の財物を集め,その後抽選などの偶発的な方法によって,当選者のみが利益を得るという形で,購買者間に不平等な利益を分配する仕組みによるくじ札をいいます。
「くじ札」は有体物である必要はなく,電磁的記録,すなわちメールなどで送信される番号等も含まれると解されるべきでしょう。
富くじの特色として,①抽選の方法により勝敗を決すること,②財物等の所有権をその提供と同時に失う事,③購買者のみが財産的危険を負担し,発売者は財産的危険を負担しないことにあります(大判大正3・7・28)。
販売者も財産的危険を負担する場合には賭博罪となる可能性があります。
なお,当選しなかった者が拠出した金銭などの財物を失わない場合には,富くじ発売罪は成立しません。

余談になりますが、上で説明した富くじの定義は宝くじにそのまま当てはまります。
宝くじは富くじに該当しますが、当せん金付証票法という法律によって販売が許可されています。
宝くじは富くじですので外国の宝くじを購入することは富くじ授受罪(刑法187条3項)に該当すると考えられていますが,現在のところ裁判例はまだありません。
また、商店街などの福引の場合,「福引を直接購入できる」場合には富くじ発売罪になると考えられますが,福引はあくまでの何らかの商品購入などのおまけになりますので富くじ発売罪には当たらないとされています。

~詐欺罪~

また,くじに対する商品の抽選を公正に行った場合には富くじ発売罪となりますが,不公正な抽選であった場合などは詐欺罪に問われる可能性もあります。
詐欺罪は人を欺いて財物を交付させた場合に成立し,法定刑は10年以下の懲役となっています(刑法246条)。
詳しい構成要件については省略しますが,購入者は公正な抽選が行われていると信じて購入しますので,不公正な抽選であった場合,人を欺いて財物を交付させたといえるでしょう。
不公正な抽選とは,たとえば,意図的に特定の購入者に当選させる場合や,身内や架空の番号などに当選させ実際には利益を分配しないような場合が考えられます。

~検挙されてしまったら~

動画配信などで富くじ発売罪に問われるような場合,詐欺的なものである場合などの悪質なケースでなければいきなり逮捕されるという事はあまりないでしょう。
しかし,警察からの事情聴取等の出頭要請を無視し続けたような場合には逮捕されてしまう可能性もあります。
今回のようなケースの場合,富くじとしての販売金額がそれほど大きくなければ不起訴となる可能性もあります。
ただし,一度不起訴となったからといって,再度同じような行為をした場合には起訴されて有罪となり罰金刑などが科せられる可能性が非常に高くなります。

また,詐欺的なくじの販売で,富くじ発売罪ではなく詐欺罪として捜査された場合には起訴されてしまう可能性が高いでしょう。
もっとも,購入者に購入代金を返還するなどの被害弁償をしていた場合には犯行後の情状を踏まえて不起訴となる可能性もあります。
当然ですが,この場合にも再度同じような行為をすれば起訴されて有罪となる可能性が非常に高いでしょう。

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愛知県警察犬山警察署の初回接見費用 38,100円)