危険ドラッグ使用事件で勾留執行停止なら

危険ドラッグ使用事件で勾留執行停止なら

~ケース~

名古屋市名東区在住のAさんは,自宅において危険ドラッグを使用した容疑で、愛知県警察名東警察署に逮捕された。
後日、Aさんは勾留されることが決定した。
Aさんは逮捕前に受けた健康診断で悪性の腫瘍が見つかっており、精密検査を受ける前に事件が発覚し逮捕されたため、病状をはっきり把握できない状態だった。
Aさんの妻は、検査の結果次第では手術をしないといけないと言われていたこともあり、どうにかして精密検査と治療を受けさせたいという一心で、刑事事件に強い法律事務所の弁護士に初回接見を依頼した。
(事実を基にしたフィクションです)

~起訴前勾留による身柄拘束を解くためには~

危険ドラッグについては、医薬品医療機器等法により規制されています。
中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物質が、いわゆる危険ドラッグとして指定され、医療等の用途に供する場合を除いて、その製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されています。
上記のケースにおいて、Aさんは危険ドラッグを使用した容疑で逮捕・勾留されています。

しかし、Aさんには悪性の腫瘍があることが分かっており、検査の結果次第では手術をする必要があるという症状を訴えています。
そのため、少しでも早く勾留による身柄拘束を解く必要があります。
起訴前勾留において、勾留による身柄拘束を解く方法としては、「勾留理由開示請求」、「勾留決定に対する準抗告」、「勾留取消請求」、「勾留執行停止の申立」があります。

「勾留理由開示請求」とは、被疑者が正当な理由がなく身柄を拘束されている可能性がある場合に行い、その理由を明らかにさせることによって、裁判所に勾留の可否を考え直させる方法です。
「勾留決定に対する準抗告」とは、明らかに不当な勾留による身柄拘束だと考えられる場合、勾留決定を取消すように抗議を行うという手法です。
「勾留取消請求」とは、勾留を行う要件がなくなったと判断される時に、勾留されている被疑者・被告人あるいは弁護人などが裁判所に対して、勾留の取り消しを請求するものです。
勾留取消請求が認められるケースで最も多いのは、被害者との示談が成立した場合です。
そして、最後に「勾留執行停止の申立」は、被疑者に特殊な事情が発生した際に、勾留を一時的に停止することを目的として行われるものです。

~勾留執行停止の申立が認められるケース~

以下、勾留執行停止の申立てについて考えてみたいと思います。
勾留執行停止については、刑事訴訟法第95条において「裁判所は、適当と認めるときは、決定で、勾留されている被告人を親族、保護団体その他の者に委託し、又は被告人の住居を制限して、勾留の執行を停止することができる。」と規定されています。

勾留執行停止は、例えば被疑者の家族が急死してしまい、葬儀に出席しなければならないというような特別な状況下でなければ。なかなか認められないのが現状です。
ただし、上記のケースのように、重い病気の疑いが強く、検査入院が必要であるといった状況であれば、勾留執行停止が認められる可能性はあります。

ただし、説得的に申立てを主張する場合には、刑事事件の弁護活動について経験豊富な弁護士にご依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士刑事事件に強く,危険ドラッグといった薬物犯罪についての刑事弁護活動も多数承っております。
危険ドラッグでご家族が逮捕されてお困りの方、何としても勾留による身柄拘束を解きたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

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