【解決事例】恐喝未遂事件で一部接見禁止解除

恐喝未遂事件で一部接見禁止解除が認められた事例につき、あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事件の概要】

Aさん(20代男性)は、友達のBさん(20代女性)と共謀して、Bさんが書き込んだ出会い系サイトで知りあい、愛知県犬山市にある待ち合わせ場所に現れた男性Vさんに対し「俺の彼女に何しようとしてるんだ」などと言い、金銭を脅し取ろうとしましたが、Vさんがその場から逃げて愛知県犬山警察署に通報したため、その目的を遂げることはできませんでした。
Aさんは愛知県犬山警察署に恐喝未遂罪で逮捕・勾留され、接見禁止がついていました。
Aさんの母親は、「Aと直接顔を見て、元気にしているのか、仕事もどうするのかを聞きたいです。何とか私だけでもAと面会できるようにしてくれませんでしょうか。」と相談時にお話されました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

【美人局(つつもたせ)について】

美人局とは、古い類型として「夫婦の共謀に基づき、妻が男性と性的な関係をもち、それを理由として、夫が男性に対し、金銭の支払いを要求」することとされています。
しかしこれはあくまで古い類型ですので、現代では男女間に婚姻関係がない場合でも、「俺の女に手を出したな。落とし前をつけろ。」というような因縁を付けて、金銭の支払いを要求することもあり、このパターンも広い意味の美人局といわれています。
美人局は、詐欺罪(刑法246条)または恐喝罪(刑法249条)にあたる犯罪行為です。
詐欺罪と恐喝罪の違いは、被害者を騙すか恐喝するかの違いですが、どちらも法定刑は10年以下の懲役です。

【接見禁止とは】

接見禁止とは、被疑者や被告人が、弁護人以外の者と連絡を取ることを許さない処分のことをいいます。
つまり接見禁止がつくと、弁護人以外とは面会も、手紙のやり取りもできなくなります。
接見禁止がつきやすい状況の例として、今回のAさんのように共犯者がいる場合、面会に来た人に共犯者の状況を聞いて、口裏合わせをしようとする可能性があると裁判所に判断される、などがあります。

接見禁止がついていると、弁護士とは面会ができるとはいえ、被疑者・被告人本人にも負担がかかるのはもちろんのこと、被疑者・被告人のご家族も大変不安になると思います。

弁護人は、準抗告、抗告、接見禁止処分の一部解除の申立て、という方法を使い、裁判所に対して接見禁止を解除することを求めていくことができます。

【弁護活動について】

今回の事件につきまして、弁護士は裁判所に対し、「接見禁止処分の一部解除の申立て」を行いました。
接見禁止処分の一部解除の申立て、とは、法律上の根拠はありませんが、裁判所へのお願いという形で、接見禁止をつけておく必要がないことを主張し、裁判所から接見禁止を一部解除してもらうことのことで、接見禁止を全部解除してしまうと証拠隠滅の恐れがある場合でも、事件には関係のない家族だけは接見禁止を解除してもらえることが多いのです。
今回は
①Aさんの母とAさんが面会しても母は事件には無関係であるため、証拠隠滅をする可能性はない
②Aさんの母も、事件解決に協力し、共犯者には一切接触しないと約束している
③Aさんの仕事について、会社と連絡するため母との面会が不可欠である
ことを裁判所に主張した結果、Aさんの母の接見禁止は解除となりました。

また、被害者様と示談が成立したため、Aさんは不起訴処分となりました。

【恐喝事件・恐喝未遂事件に強い弁護士】

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