未成年者略取・誘拐罪の弁護活動

2020-01-21

未成年者略取・誘拐罪の弁護活動

未成年者略取・誘拐罪の弁護活動について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【事件】

愛知県名古屋市に住むAさんは,わいせつな行為をする目的で同区内に住むVさん(17歳)を自宅に誘拐しました。
Vさんが一向に帰ってこないことを不安に思った母親が昭和警察署に相談したことをきっかけに捜査が開始され,Aさんは未成年者誘拐罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです)

【未成年者略取誘拐罪】

未成年者略取誘拐罪は刑法第224条に規定されています。

刑法第224条
未成年者を略取し,又は誘拐した者は,3月以上7年以下の懲役に処する。

略取と誘拐を併せて拐取と言うこともあります。
未成年者略取・誘拐罪をはじめとする略取・誘拐の罪は,暴行・脅迫または欺罔・誘惑を手段として人を現在の生活環境から離脱させ,自己または第三者の事実的支配下に置く犯罪です。
生命・身体の危険にさらされたり,労働を強いられて搾取されたり,わいせつ行為の被害者になる危険から被害者の自由と安全を保護するために作られた犯罪が略取・誘拐の罪です。

未成年者略取・誘拐罪の要件のうち,略取は暴行・脅迫を手段とする場合,誘拐は欺罔・誘惑を手段とする場合をそれぞれ指します。
未成年者を略取・誘拐した場合は原則としてこの罪に当たることになりますが,特定の目的があれば,後述のとおりその目的に対応した略取・誘拐罪が成立すると考えられています。
ちなみに,各種の略取・誘拐罪は未遂も処罰されます(刑法第228条)。

【営利目的等略取・誘拐罪】

営利目的等略取・誘拐罪は,刑法第225条によって「営利,わいせつ,結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で,人を略取し,又は誘拐した者は,1年以上10年以下の懲役に処する」と規定されています。
この条文によって,営利目的,わいせつ目的,結婚目的,生命・身体加害目的で略取・誘拐した場合は,客体が未成年者であるか否かを問わずに営利目的等略取・誘拐罪となります。

それぞれの目的についてみていきます。
営利目的とは,財産を自ら取得し,または第三者に取得させる目的のことをいいます。
ただし,身の代金を取得する目的であった場合は身の代金目的略取誘拐罪(刑法第225条の2)が成立します。
身の代金目的略取誘拐罪の法定刑は無期または3年以上の懲役です。
わいせつ目的とは,被拐取者に対し性的行為を行い,または被拐取者に性的行為を行わせる目的のことをいいます。
結婚目的とは自己または第三者と結婚させる目的のことで,その結婚は事実婚を含むものとされます。
生命・身体加害目的とは,文字通り自己または第三者が被拐取者を殺害し,傷害を与え,または暴行を加える目的をいいます。

他にも,略取誘拐罪には所在国外移送目的略取誘拐罪(刑法第226条)があり,類似の犯罪としては人身売買罪(刑法第226条の2)などがあります。

今回,Aさんはわいせつな行為をする目的でVさんを誘拐していますので,未成年者誘拐罪ではなく,より重い営利目的等略取誘拐罪に問われる可能性があります。
更に,事件の概要からは明らかではありませんが,実際にわいせつな行為に及べば強制わいせつ罪(刑法第176条)や強制性交等罪(刑法第177条)などが成立する可能性もあります。
強制わいせつ罪の法定刑は6月以上10年以下の懲役,強制性交等罪の法定刑は5年以上の有期懲役となっています。

【弁護活動】

各種の誘拐罪に当たる事例の中でも特に未成年者を被拐取者とするケースでは,親などの監護者や社会的な処罰感情が強い場合が多く,起訴されればより重い判決が下される可能性が高いです。
もし未成年者を被拐取者とする各種の略取・誘拐罪の被疑者となってしまったら,早急に刑事事件に強い弁護士に事件を依頼することをおすすめします。
迅速に謝罪と示談を行うことで,不起訴処分や執行猶予を得られる可能性を高めることができる場合があります。

また,取調べに対するアドバイスを弁護士から得ることで,起訴・不起訴を決定する検察官から良い心証を得られることにつながることも多いです。

具体的な弁護活動内容は依頼者様とご相談の上で決めていくことになりますので,未成年者略取・誘拐罪や営利目的等略取・誘拐罪の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が未成年者略取・誘拐罪や営利目的等略取・誘拐罪で昭和警察署に逮捕されてしまって困っている方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部にご相談ください。
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