【お客様の声】名古屋市内で過失運転致死事件で逮捕 被告人の最大限の更生環境を整え,執行猶予を獲得する弁護活動
■事件概要
依頼者(40代男性,会社員,前科なし)が,車を運転中,一方通行道路を過信して,自転車に乗った被害者と衝突し,死亡させた過失運転致死事件。依頼者には前科もなく,交通違反歴もありませんでしたが,被害者の死亡という重大な結果を引き起こしてしまったことから,厳罰も想定される事件でした。
■事件経過と弁護活動
本件死亡事故は逮捕後在宅事件として捜査を続けられ,検察官から正式裁判になる旨を告げられた依頼者は,当事務所の弁護士に対して公判での刑事弁護活動の依頼をされました。
依頼を受けた弁護士が依頼者から事件の詳細を聴き取ったところ,被害者は事故によって亡くなってしまったこと,遺族とは示談ができていないが任意保険会社が現在対応中であること,依頼者は被害者の葬儀に参列して遺族に対して謝罪を続けていること,本件死亡事故により依頼者は勤務先を解雇されたこと,依頼者にも妻や子という家族がおり生計を立てなければいけないことなどの事実が確認されました。
依頼者はすでに相応の社会的制裁を受けていると考えた弁護士は,裁判を受けた後の生活を念頭に,妻はもちろん新たな雇用先からも,依頼者が二度と同じような事故を起こさないように監督を誓約していただくなどして,社会内での更生環境の調整に尽力しました。
公判において弁護士は,依頼者である被告人が本件死亡事故後から一貫して犯行を認めた上で反省,謝罪していることや,任意保険による被害弁償の見込み,妻や新たな勤務先から今後の監督についての誓約があることなどを主張し,実刑判決ではなく,社会内での更生が望ましいことを訴えました。また,被害者にも一定程度の過失があったとして,本件死亡事故は被告人のみの責任であるとして,過度に被告人を重く処罰することは妥当ではないことを訴えました。
このような公判弁護活動の結果,判決文では,被害者にも過失があったこと及び依頼者の更生環境が整っていることが重視され,依頼者は執行猶予付き判決を得ることができ,社会内での更生を図ることが許されました。