名古屋市中区の建造物不退去事件で逮捕・勾留された

2021-11-26

名古屋市中区の建造物不退去事件で逮捕・勾留された

名古屋市中区建造物不退去事件逮捕・勾留された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは、名古屋市中区にある愛知県中警察署を訪れ、「警察官への不満や要求を言いたい」などと愛知県中警察署の署長・副署長への面会を繰り返し求めました。
その後、Aさんは、「署長、副署長を出せ」と騒ぎ始め、対応した愛知県中警察署の警察官から5回にわたり愛知県中警察署から出ていくよう警告されたにもかかわらず、警告を受けてから約3時間、来署してからは約4時間半以上居座り続けました。
その結果、Aさんは愛知県中警察署の警察官により建造物不退去罪の容疑で現行犯逮捕されました。
建造物不退去罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、愛知県内にある刑事事件に強い法律事務所への法律相談を検討しています。
(2020年10月6日に東海テレビNEWSに掲載された記事を参考に作成しました。)

【建造物不退去罪とは】

刑法130条は、以下のように建造物不退去罪を規定しています。

(刑法130条)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたのにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

建造物不退去罪は、「要求を受けたのにもかかわらず」「人の看守する建造物」「から退去しなかった」者に成立する犯罪です。
まず、愛知県中警察署は「人の看守する建造物」に該当します。

次に、建造物不退去罪における「要求」とは、建造物から退去することを求める要求であり、施設管理権を有する者又はこれらの者から退去要求の権限行使を委任された者からなされるものです。

刑事事件例では、愛知県中警察署の警察官からAさんに対して愛知県中警察署から出ていくよう求める警告がなされています。
この警告は、建造物から退去することを求める要求であり、施設管理権を有する愛知県中警察署長から退去要求の権限行使を委任された者により発せられたと考えられます。
よって、刑事事件例における警告は、建造物不退去罪における「要求」に該当すると考えられます。

さらに、建造物不退去罪における「不退去」とは、建造物から退去しないことを指します。
そして、建造物不退去罪における「不退去」に該当するためには、退去の要求を受けた後、退去の要求を受けた者が退去するのに必要な合理的時間が経過したのにも関わらず、建造物内に居座り続ける必要があります(東京高等裁判所判決昭和45年10月2日)。

刑事事件例では、Aさんは、愛知県中警察署の警察官から5回にわたり退去の要求を受けた後、約3時間という退去するのに必要な合理的時間が経過したのにも関わらず、愛知県中警察署内に居座り続けています。
よって、Aさんの行為(不作為)は、建造物不退去罪における「不退去」に該当すると考えられます。

以上より、Aさんには建造物不退去罪が成立すると考えられます。

【建造物不退去罪と逮捕・勾留】

刑事事件例では、Aさんは建造物不退去罪逮捕されているところ、Aさんに対する身体拘束は逮捕に引き続く勾留として最大20日間(勾留が延長された場合に限る)に及ぶ可能性があります。

ところで、勾留として長期間に及ぶ身体拘束がなされるのは、Aさんが逃亡をするおそれがある、又はAさんが建造物不退去事件の罪証(証拠)を隠滅するおそれがあると検察官や裁判官が判断するためです。

そこで、刑事弁護士としては、Aさんに逃亡するおそれや罪証隠滅をするおそれがないことを主張できると考えられます。

例えば、本件建造物不退去事件は愛知県中警察署内で起こったものであり、建造物不退去事件に関する証拠としては、愛知県中警察署内に存在する物証(防犯カメラなど)や、建造物不退去事件の目撃者(愛知県中警察署の警察官など)の供述が考えられます。

しかし、愛知県中警察署内に存在する物証(防犯カメラなど)は既に愛知県中警察署の警察官が押収している可能性があります。
また、Aさんが罪証隠滅の目的で愛知県中警察署内に立ち入ることは困難であると考えられます。
さらに、建造物不退去事件の目撃者である愛知県中警察署の警察官に対して、Aさんに有利になるよう供述を変えるよう働きかけても、愛知県中警察署の警察官はこれに応じないと考えられます。

すなわち、刑事弁護士としては、Aさんが罪証隠滅をすることができる可能性はない又は著しく低いと主張することができると考えられます。

その他、刑事弁護士としては、例えばAさんが定職を持っていたり扶養している家族がいたりする場合には、Aさんが逃亡する意欲がないと主張することができると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
名古屋市中区建造物不退去事件で逮捕・勾留された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。