名古屋市の収賄事件で逮捕 執行猶予の弁護士
名古屋市中区在住50代男性警察官Aさんの収賄罪や地方公務員法(守秘義務)違反などに問われた控訴審判決が名古屋高等裁判所でありました。
Aさんは、暴力団親交者に捜査情報を漏らした見返りに現金を受け取ったそうです。
名古屋高裁は、贈収賄罪は無罪とした1審・名古屋地裁判決を破棄、Aさんの収賄罪を認定し、懲役2年6月、執行猶予5年、追徴金10万円と判決した。
今回の事件は、平成27年2月27日の読売オンラインの記事を基に作成しています。
ただし、地名、警察署名、裁判所名等は変えてあります。
~収賄罪とは~
収賄罪とは、公務員がその職務に関して賄賂を受け取ったり、賄賂を渡すよう要求したり賄賂を受け取るよう約束したりする犯罪のことです。
収賄罪で実刑判決を受けた場合、5年以下の懲役に処せられます。
この罪の特徴の一つは、「公務員」にしか成立しないという点です(このような犯罪のことを身分犯と言います)。
ですから、「公務員」に当たらない一般の人が賄賂をもらっても、収賄罪にはなりません。
~判例の紹介~
今回紹介する判例は、平成20年9月26日、さいたま地方裁判所で開かれた収賄被告事件です。
【事実の概要】
被告人は、a市環境産業部下水道課長として、同市の発注する下水道事業に関する業務委託契約の指名業者の選定に関わる職務及び下水道料金徴収業務委託費を算定する職務等に従事していた。
同人は、A株式会社取締役Bから、
・a市が指名競争入札により発注する「浄化センター等維持管理業務」の指名業者の選定にあたって同社が指名競争入札参加者となるよう便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼
・同市が行う「検針業務及び水道料金等収納業務」等の入札に際し便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼
を受け取った。
また今後も同様の便宜な取り計らいを受けたいとの趣旨のもとに供与されるものであることを知りながら、現金30万円の供与を受けた。
以上をもって、自己の職務に関して賄賂を収受したものである。
【判決】
被告人を懲役1年6月に処する。
この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
被告人から金30万円を追徴する。
【量刑の理由】
被告人にとって有利な事情は以下の通りです。
・一貫して事実関係を認めている。
・判廷においても市民の信頼を裏切る行為に及んだことを悔い、日本司法支援センターに対し金100万円を贖罪寄付するなど深く反省の態度を示している。
・市から懲戒免職処分を受け、その受け得る退職金のすべてを失ったほか、厳しい社会的批判を受けるなどの社会的制裁を受けている。
・被告人の妻が当公判廷に出廷し、今後は家族全員で被告人を支えていく旨確約している。
・被告人にこれまで前科前歴はなく長年にわたり勤続し、今後も社会内で稼働することを期待できる。
収賄事件で執行猶予判決を獲得したいという場合には、刑事事件専門の弁護士事務所にご相談下さい。
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なお、名古屋拘置所への初回世間の場合、初回接見費用は3万5700円です。