名古屋市中区の少年によるサイバー犯罪で書類送検 ウイルスによる不正アクセス行為に詳しい弁護士

名古屋市中区の少年によるサイバー犯罪で書類送検 不正アクセス行為と不正指令電磁的記録に関する罪に詳しい弁護士

名古屋市中区在住の高校1年生の少年A君は、不正アクセス禁止法違反、不正指令電磁的記録(ウイルス)保管・同供用などの容疑で○○地方検察庁に書類送検されました。
警察によると、A君は、ネットの掲示板に別のソフトを装って遠隔操作ウイルスをダウンロードさせる記事を投稿し、ダウンロード・インストールした約730人がウイルスに感染しました。
A君は感染したパソコンに侵入し、ネットバンキングやオークションサイトなどのID・パスワードを1800件盗み出しており、このパスワードを使い、通販サイトなどに不正接続した疑いがあります。
また、A君は盗み出したID・パスワードをネット上で販売して、ビットコインで代金を得ていました。
さらにA君には、ランサムウェアのダウンロードリンクを掲示板に書き込んだ疑いもあるといいます。
(2016年02月05日YOMIURI ONLINEの記事を参考に事例を作成。ただし地名・警察署名は変更しています。)

~不正アクセス禁止法・不正指令電磁的記録に関する罪~

今回のA君は、不正アクセス禁止法違反、不正指令電磁的記録保管・同供用の罪で書類送検されています。
どちらもあまり聞きなれない罪名だと思いますが、不正アクセス禁止法違反や不正指令電磁的記録保管・同供用の罪のような「コンピュータ・電磁記録対象犯罪等」は最近増加している犯罪です。

今年7月25日に警察庁より発表された平成29年版の警察白書によると、2016年のサイバー犯罪の検挙件数は2.8%増の8324件で過去最多でした。
その中でも、不正アクセス禁止法違反が34.6%増、コンピュータウィルスに関する「コンピュータ・電磁記録対象犯罪等」は34.6%増でした。

不正アクセス禁止法は、不正アクセス行為や、不正アクセス行為につながる識別符号の不正取得・保管行為、不正アクセス行為を助長する行為等を禁止する法律です。
同法第4条では、不正アクセス行為の用に供する目的で,アクセス制御機能に係る他人の識別符号を取得してはならないと定めています。
これに違反した場合には,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金の刑に処せられます。
また、不正アクセス行為をした場合、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と罰則が定められています。

A君に容疑がかけられている不正指令電磁的記録保管の罪、同供用の罪は、平成23年6月に新たに設けられた「不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるコンピュータ・ウイルスに関する罪」)」です。
刑法に新たに不正指令電磁的記録に関する罪が設けられたことで、いわゆるコンピュータ・ウイルスの作成、提供、供用、取得、保管行為が罰せられることになりました。
不正指令電磁的記録供用罪とは
・正当な目的がないのに、コンピュータ・ウイルスを、その使用者の意図とは無関係に勝手に実行される状態にした場合やその状態にしようとした行為をいい、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が課せられます。
不正指令電磁的記録取得・保管罪とは
・正当な目的がないのに、その使用者の意図とは無関係に勝手に実行されるようにする目的で、コンピュータ・ウイルスやコンピュータ・ウイルスのソースコードを取得、保管する行為をいい、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金が課せられます。

今回の事例のように、少年が逮捕されて事件の報道がなされてしまった場合、少年が在籍する学校に事件のことが発覚して退学させられる事態が生じることも少なくありません。
学校が既に事件のことを把握している場合でも、少年に弁護士をつけて、弁護士が校長や担任と面談し、少年が更生に向けて努力している点、少年が成長した点などを報告したり、少年事件・少年犯罪の手続きや理念について説明することで、少年を学校で積極的に受け入れてくれて退学にならずに済むこともあります。
学校が事件を把握したうえで少年を受け入れる環境が整っているならば,このような事情は少年の更生を考えるうえでも有利な事情となります。

不正アクセス禁止法や不正指令電磁的記録に関する罪で大切な息子様が逮捕されてしまった方、少年事件を学校に知られてしまい困っている方は、ぜひ少年事件・刑事事件専門のあいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
少年事件・刑事事件に熱意を持った弁護士が丁寧に対応致します。
(愛知県中警察署までの初回接見費用:35,500円)

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