傷害罪と不起訴

2020-03-13

傷害罪不起訴について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【ケース】

Aさんは,愛知県犬山市内にある居酒屋で友人と酒を飲みました。
その帰り道,すっかり酔ったAさんは,前から歩いてきたVさんにぶつかってしまいました。
それが原因でVさんと喧嘩になり,Aさんは友人の制止を振り切ってVさんの顔面を殴打しました。
これによりVさんは全治1か月の怪我を負い,Aさんは現場に駆けつけた犬山警察署の警察官によって傷害罪の疑いで逮捕しました。
Aさんから依頼を受けた弁護士は,不起訴を目指して弁護活動を行うことにしました。
(フィクションです)

【傷害罪について】

刑法(一部抜粋)
第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

傷害罪は,文字どおり他人を傷害した場合に成立する可能性のある罪です。
傷害罪における「傷害」とは,人の生理的機能の侵害を指すと考えられています。
具体的には,出血や骨折といった怪我に加え,失神や腹痛などの症状を引き起こすことも含まれます。
過去に裁判で争われた結果,「傷害」に当たると判断されたものとしては,性病,外傷後ストレス障害(PTSD),睡眠薬による意識障害などがあります。
中には必ずしも暴行を手段としないものもあるため,故意の行為により「傷害」さえ生じれば,その手段を問わず傷害罪に当たるとされる可能性は十分あります。

傷害罪の法定刑は,15年以下の懲役または50万円以下の罰金とされています。
他の罪と比較してみると,科される可能性のある刑の幅が広いというのが特徴として浮かび上がります。
具体的にどの程度の刑が科されるかは,傷害に至った動機,行為の内容,傷害の程度などの様々な事情を考慮のうえ判断されることが見込まれます。
中でも特に重視されるのはやはり傷害の程度かと思いますので,怪我などが重くなればそれだけ処分も厳しいものになると考えてよいでしょう。
なお,仮に暴行などの時点で殺意があった場合,傷害罪ではなく殺人未遂罪が成立する余地が出てきます。
そうなると,罰金刑の可能性がなくなるなど刑の重さが変わってくるので注意が必要です。

【不起訴の概要と見込み】

一般の方からすると,刑事事件というのはその多くが裁判となり,刑罰が科されるとお考えになるかもしれません。
ですが,法務省が公表している統計によると,起訴率は例年4割から5割程度で推移しています。
つまり,全ての刑事事件のうち半分かそれ以上が不起訴というかたちで終わっていることになります。

不起訴の理由には様々なものがありますが,統計上最も多いのは起訴猶予です。
起訴猶予とは,事件の内容,被疑者の態度,犯罪後の状況などの様々な事情を考慮し,敢えて起訴を見送るというものです。
罪を犯したこと自体に争いがない事件で不起訴を目指す場合は,基本的にこの起訴猶予による不起訴を目指すことになります。
傷害事件において起訴猶予による不起訴を目指せるかどうかは,主に傷害の程度と示談の成否に大きく左右されると考えられます。
怪我などの程度が軽く,なおかつ示談が成立していれば,起訴猶予による不起訴となる可能性は高くなるでしょう。

傷害罪というのは,そもそも先述したとおり法定刑の幅が広いのも相まって,個々の事件により予想される処分が大きく変わってきます。
ですので,まずはご自身の事件について弁護士に相談し,不起訴になるかどうか見込みを聞いてみるのをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件に強い弁護士が,不起訴の見通しについて的確な回答を致します。
ご家族などが傷害罪の疑いで逮捕されたら,刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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