特殊詐欺事件で接見禁止解除に

2020-10-02

特殊詐欺事件での接見禁止一部解除について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

愛知県春日井市に住むAさんは、SNSを通じて知り合った相手から、「キャッシュカードを受け取るだけの簡単なアルバイトの仕事があるけどやってみないか」となどと言われ誘われました。Aさんは、内心「まったく見ず知らずの他人からキャッシュカードを受け取るなんて怪しい仕事に決まっている」と思いましたが、1回の受け取りにつき5000円をもらえるというので引受けました。当日、Aさんは指定された場所に行くと、現場に張り込んでいた愛知県尾張警察署の警察官に詐欺未遂罪(特殊詐欺)の現行犯で逮捕されてしまいました。Aさんの家族は、逮捕直後に尾張警察署で面会をしようとしましたが認められず,勾留された後も接見禁止決定が出ているということで認められませんでした。そこで、Aさんの両親は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~特殊詐欺事件で接見禁止に付される可能性~

被害者に電話をかけ、警察官や銀行員、役所の職員などと偽り、「あなたの口座が犯罪に使用されています。口座を凍結するために、あなたの通帳とキャッシュカード、暗証番号が必要です。今から署員をお宅に向かわせますので、それらを渡してください。」と言葉巧みに被害者を騙し、通帳やキャッシュカードを騙し取る特殊詐欺事件について、一度はニュースなどで耳にされたことがあると思います。
その手口も多岐に渡り、「私は騙されない。」と思っている方でも、実際にそのような電話がかかってくると、ころっと騙されてしまうことがあるのです。

このような特殊詐欺は、単独犯で行されることはあまりなく、複数の人間がそれぞれの役割を担って協力しながら実行されることがほとんどです。
例えば、電話をかける「かけ子」、被害者からキャッシュカードを受け取る「受け子」、そして、受け取ったキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出す「出し子」といった具体に複数人で共謀して犯罪を遂行します。

組織犯罪が疑われる場合、逮捕後に勾留に付され、長期の身体拘束を強いられる可能性が非常に高くなっています。
加えて、通常、勾留と同時に接見禁止が決定されます。

身柄を拘束されている被疑者・被告人が、外部の人と会うことを「接見」といいます。

ご自身の子供さんが「逮捕された」という通知を受けて、一刻も早く面会したいというお気持ちは分かりますが、逮捕直後は法律上、弁護人または弁護人となろうとする者以外の者との面会は認められていません。では、法律上いつから面会が認められているかといえば勾留決定が出た後です。刑事訴訟法80条では次の規定を設けています。

刑事訴訟法80条
 勾留されている被告人は、第39条第1項(弁護人または弁護人になろうとする者)に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。勾引状により刑事施設に留置されている被告人も同様とする。

なお、ここで「被告人(起訴された人)」とありますが、被疑者(起訴される前の人)にも適用されます。
逮捕から勾留まで

おおよそ3日間

は要すると思いますから、この3日間は、原則、面会できないと考えられていたほうがよろしいかと思います。

ところが、勾留後も「弁護人または弁護人となろうとする者以外の者」、つまりご家族らの方との面会が制限されることがあります。それが、

被疑者・被告人に接見禁止決定が出た場合

です。
接見禁止決定とは、通常検察官の請求を受けた裁判官が、被疑者・被告人が逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると認めた場合に、勾留されている被疑者・被告人と弁護人又は弁護人となろうとする者以外の者との接見を禁じる決定のことをいいます。
特殊詐欺は組織的に行われる犯罪であることから多数の関係者が関与していることが多く、そのため、特殊詐欺で勾留されると接見禁止決定で出ることが比較的多いと思われます。

~接見禁止を解除するには?~

接見禁止を解除するための手段として、接見禁止の裁判に対する準抗告・抗告の申立てがあります。これは法律(刑事訴訟法)上認められた手続きです。他に、接見禁止の全部又は一部解除の申立てがあります。全部解除となれば、制限なく接見できます。また、一部解除とは、裁判官・裁判所が認めた範囲の人のみ接見を認める処置です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、特殊詐欺をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。