自画撮り要求行為で青少年保護育成条例違反に

2019-10-19

自画撮り要求行為で青少年保護育成条例違反に

 

~自画撮り要求行為で青少年保護育成条例違反ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します~

~ケース~

安城市在住のAさんはSNSで知り合ったVさん(知立市在住17歳)と住んでいる場所が近く仲良くなり連絡先を交換した。
しばらくやりとりを続けるうちに,AさんはVさんから下着姿の写真を送ってもらった。
その後,AさんはVさんの通っている学校などを巧みに聞き出し,Vさんに「下着の写真を学校名と共にネット晒されたくなかったら裸の写真を送れ」と要求した。
Vさんは渋々これに応じ,Aさんに胸が写っている写真などを送った。
VさんはAさんからの要求がエスカレートしいく内に怖くなり,愛知県警察安城警察署に相談した。
Aさんは愛知県警察安城警察署で事情を聞かれることになった。
(フィクションです)

~自画撮り要求行為~

近年,SNSの発達により未成年,特に中高生と成人との交流が容易に行われるようになっています。
それに伴い,中高生などが何らかの犯罪に巻き込まれたり,被害者となってしまう事件が急増しています。
今回のケースのような自画撮り要求に関する事件は典型的な事件といえるでしょう。

さて,今回のAさんのように自画撮りを送るように要求する行為はどのような犯罪に当たるのでしょうか。
まず刑法の話ですと,原則として相手側は写真などを送る義務はないと考えられますので強要罪(223条)の成立が考えられます。
ただし,強要罪は単に要求しただけでは成立せず,「生命,身体,自由。名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し」て人に義務のない事を行わせる必要があります。
下着姿の写真のような性的羞恥心を害する写真を晒す(公表する)ことは名誉を害する行為になりますので,そのことで脅し,自画撮りを送るように要求することは強要罪となると考えられます。

また,今回のケースではVさんは17歳ですので児童ポルノ禁止法のいう「児童」に当たります。
その為,Vさんから送られてきた下着姿や裸の写真を保存した場合には児童ポルノ禁止法違反(単純所持罪・7条1項)となる可能性が高いです。
また,児童ポルノとなる写真を送るように要求した場合,相手方に児童ポルノを製造させていることになります。
そのため,児童ポルノとなる自画撮りを送るように要求することは児童ポルノ製造罪(7条4項)となると可能性が高いでしょう。

愛知県青少年保護育成条例では自画撮りの要求行為が禁止されていませんが,都道府県によっては自画撮りの要求行為について条例によって罰則を定めている場合もあります。
例えば京都府青少年健全育成条例第21条の2では以下の様に定めています

21条の2 何人も,青少年に対し,当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めてはならない。

罰則として,青少年に拒まれたにもかかわらず提供を求めた場合や青少年を欺いたり,対償の供与などによって提供を求めた場合に1年以下の懲役または50万以下の罰金となります。

余談となりますが,児童ポルノについて,児童本人が自身を撮影する(=児童ポルノを製造する)ことを立法者が想定しておらず,処罰対象から児童本人が除外されていません。
そのため,理論的には自撮りをした児童本人も児童ポルノ禁止法違反となってしまい,法改正すべきだとの声もあります。
実務上は児童側は立件されうことはほぼありませんが,児童本人が自身の児童ポルノを販売していたという事案では児童本人が児童ポルノ禁止法違反に問われたこともあります。

~弁護活動~

今回のケースで成立すると考えられる強要罪の法定刑は3年以下の懲役,児童ポルノ単純所持は1年以下の懲役または100万円以下の罰金,児童ポルノ製造は3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります。
強要罪は罰金刑がないため,実務としては罰金刑のある児童ポルノ関連で立件することが多いようです。

児童ポルノの単純所持や今回のケースのような児童ポルノ製造罪の場合,被害者の方と示談が済んでいる場合,同法で罰せられる児童買春に比べて起訴猶予となる可能性は高くなっています。
すなわち,自撮り要求で逮捕・検察庁に送致されてしまった場合には被害者の方と示談が成立している場合には検察官は起訴猶予とする可能性が高いです。
起訴猶予を狙うために被害者の方と示談をするには基本的に弁護士に依頼する必要があります。
というのも,被害者の方と示談をしようにも連絡先がわからない事も多く,仮にわかっていても被害者の方は加害者とは会ってくれない場合も多いです。
そういった場合でも弁護士であれば同意の下,検察官から連絡先を取り次いで貰える場合もありますし,被害者の方も弁護士であればあって頂ける場合もあります。
まずは刑事事件の経験豊富な弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部刑事事件専門の法律事務所です。
児童ポルノ禁止法に関わる事件の弁護経験豊富な弁護士が所属しております。
児童ポルノ禁止法違反でお悩みの方は0120-631-881までご連絡下さい。
事務所での無料法律相談,警察署などでの初回接見のご予約を365日24時間受け付けています。