自撮り要求行為で条例違反に

2020-08-27

自撮り要求行為について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します

~ケース~

愛知県犬山市在住のAさんはSNSを通じて知り合った横浜市戸塚区在住のVさん(16歳)とLINEを交換した。
しばらくやり取りを続ける中でAさんとVさんは仲良くなり,AさんはVさんから下着姿の写真を送ってもらった。
その後,AさんはVさんの通っている学校などの個人情報を聞き出し,Vさんに裸の写真などを送るように要求した。
Vさんはこれを拒否したが,Aさんは「学校にばらすぞ」などとVさんを脅し,裸の写真を送るよう再度要求した。
Vさんは怖くなり神奈川県警戸塚警察署に相談した。
後日,Aさんの自宅に神奈川県警戸塚警察署の警察官が来て,Aさんは神奈川県青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕された。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~自撮りの要求行為~

今回のケースでAさんの行為で罪に問われうるのは,「Vさんに裸の写真を送るように要求したこと」および「『学校にばらすぞ』などと脅し裸の写真を送るよう要求した」ことになるでしょう。
まず刑法上の問題を説明しますと,VさんにはAさんに写真を送る義務はありませんので,Vさんに写真を送るように要求することは強要罪(刑法223条)に該当する可能性があります。

また,18歳未満の男女(児童,青少年)に対し自身の裸の写真など(いわゆる自撮り写真)を要求することは都道府県の定める条例によって禁止されている場合があります。
今回のケースではVさんは神奈川県在住であり,神奈川県青少年保護育成条例にはまさしく自撮り写真の要求行為を禁止する規定があります。

第31条の2(児童ポルノ等の提供を求める行為の禁止) 

何人も、青少年に対し、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めてはならない。

第53条 

4 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する

(13) 第31条の2の規定に違反した者であつて、次のいずれかに該当するもの
ア 青少年に拒まれたにもかかわらず、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めた者
イ 青少年を威迫し、欺き、若しくは困惑させ、又は青少年に対し、対償を供与し、若しくはその供与の約束をする方法により、当該青少年に係る児童ポルノ等の提供を求めた者

AさんはVさんから裸の写真を来ることを拒否されたにも関わらず「学校にばらすぞ」と脅して写真を送るように要求しています。
したがって,Aさんの自撮りを要求する行為神奈川県青少年保護育成条例違反となると考えられます。

ところで,Aさんは愛知県に住んでいますがAさんに神奈川県青少年保護育成条例は適用されるのでしょうか。
高松高等裁判所昭和61年12月2日判決は
「県条例が禁止する内容の電話を他県から県内に通話した者は、電話を受けた場所である結果発生地が当該県内である以上、当該県民および滞在者でなくても、当該条例の適用を受ける。」
と判示しており,同様に自撮り要求行為を禁止する条例のある都道府県在住の者に自撮りを要求することは当該都道府県条例違反となると考えられます。

~弁護活動~

今回のケースのような青少年保護育成条例違反の場合には,主な弁護活動として身柄解放活動および被害者の方との示談交渉が考えられます。
刑事事件の被疑者として逮捕されてしまいますと,逮捕及び勾留によって最長で23日間身柄拘束をされてしまいますので身柄解放に向けて検察官や裁判所に書面を提出したり,勾留に対する準抗告を裁判所にするといった活動が考えられます。
勾留請求されなかった場合,勾留請求が却下された場合,勾留に対する準抗告が認められ場合には身柄拘束がなくなり在宅で捜査が進むことになります。

また,今回のケースのような被害者のいる青少年保護育成条例違反の場合は被害者の方との示談交渉が非常に重要となります。
今回のケースでは被害者(未成年のため親権者)と示談を成立させることができれば検察官は事件を起訴猶予とする可能性が高くなります。
ただし,加害者が被害者と接触するという行為は望ましくなく,また,被害者の方も加害者からの直接の示談交渉には応じて頂けない場合がほとんどです。
しかし,弁護士が相手であれば被害者の方も安心して話を聞いてくれることが多いです。
まずは刑事事件に詳しい弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
全国13都市に支部があり幅広い地域での刑事弁護活動が可能です。
今回のケースのような愛知県と神奈川県といった離れた地域間であっても弁護活動が可能です。
他県で刑事事件を起こしてしまったという場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
無料法律相談・警察署等での初回接見サービスのご予約を24時間365日年中無休で受け付けています。