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即決裁判で早期釈放
即決裁判と早期釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
愛知県津島市に住むAさんは、大麻約0.5グラムを所持していた件で、愛知県津島警察署に逮捕されました。Aさんは大麻所持の事実は間違いないとは認識しつつも、無罪を獲得して罪を免れたいと考えていました。ところが、接見に来た弁護士に同様の趣旨のことを伝えると「逆にあなたに不利になる場合があり、事実が明らかであるならば事実を認めて即決裁判を目指した方がはやく釈放される」言われました。そこで、Aさんは事実を認める(自白する)ことにし、即決裁判手続きを目指すことにしました。なお、Aさんは前科、前歴を有していません。
(フィクションです)
~大麻所持~
大麻所持は大麻取締法違反に当たります。
大麻取締法3条1項では「大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。」とされており、24条の2第1項で、
大麻を、みだりに所持し、譲り受け、または譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
とされています。
~ 即決裁判(手続き) ~
即決裁判とは、一定の事件について、事案が明白かつ軽微であって、証拠調べが速やかに終わるなどの事情があるときに、原則、1回の審理で判決の言い渡しまで行う裁判手続をいいます。
即決裁判を受けるメリットとしては、
1、審理は申立て後、原則、14日以内に開かれ1回で終わること
2、必ず執行猶予判決を言い渡されること(実刑判決は言い渡されない)
3、1、2に関連し、審理当日(判決当日)に釈放され、早期の社会復帰が可能となること
など、比較的スピーディーに審理が開かれること、です。
他方、デメリットとしては
1、必ず有罪判決が言い渡されること
2、量刑不当を理由に控訴できるが、事実誤認を理由とする控訴はできないこと
などが挙げられます。
上記のとおり、
・大麻所持の法定刑は5年以下の懲役であること
・Aさんが事実を認めている(自白している)こと
・所持量が比較的少量であること
・Aさんに前科前歴がないこと
に鑑みれば、本件が即決裁判に付される可能性は十分あります。
即決裁判は被告人が有罪であること、有罪であると認めることが前提です。
Aさは当初否認していたようですが、闇雲に被告人を否認させ無罪獲得を目指すことだけが弁護人の仕事ではありません。被告人にとって何が一番大切なのかを考え、そのための弁護活動に注力します。したがって、被疑者・被告人にとって有益ではないと考えた場合は、ときに被疑者・被告人を説得しなければならない場合もあります。
本件の弁護人もAさんが事実を認め即決裁判によって早期釈放されることこそがAさんによって一番有益だと考えたらからこそ即決裁判を受けることへ誘導したのだと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。お気軽にご相談ください。
勾留と釈放
勾留と釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市中村区に住むAさん(28歳)は、Vさんと二人きりになったカラオケボックスの内で、Vさんに無理やりキスをしたり、直接Vさんの胸を揉むなどの行為をした強制わいせつ罪で愛知県中村警察署に逮捕されました。その後、Aさんは勾留され、20日間拘束された後起訴されました。Aさんは、起訴後も勾留されています。Aさんのご両親は、Aさんの身柄を釈放してもらうべく刑事事件に強い弁護士に刑事弁護を依頼しました。
(フィクションです)
~ 勾留 ~
「勾留」とは、被疑者または被告人の身体の自由を拘束する裁判及び執行のことをいいます。読みは同じですが刑罰の「拘留」(刑法9条)とは異なります。
勾留は、起訴される前の被疑者勾留と起訴された後の被告人勾留に分けられます。
= 被疑者勾留 =
被疑者勾留の場合、捜査の必要性の要素が色濃く出ます。
つまり、被疑者勾留は被告人勾留と異なり、裁判所(あるいは裁判官)の独自の判断での勾留は認められず、事件の全容を把握している「検察官の請求」を前提とします。そして、請求を受けた裁判官が勾留の許否を判断するのです。また、弁護人は勾留されている方と自由に接見できる(刑事訴訟法39条1項)のですが、公訴の提起(起訴)前に限り、弁護人接見に関し条件を付けられることがあります。これを接見指定といいます(刑事訴訟法39条3項)。
* 勾留期間 *
勾留期間は、検察官の請求のあった日から数えて10日間です。例えば、平成31年3月11日に勾留請求があった場合の勾留満了日(勾留が終わる日)は同月20日です。ただし、検察官が勾留期間を延長することにつき「やむを得ない事情」があると判断した場合は、勾留期間の延長を請求されることがあります。請求期間は原則として10日間で、請求を受けた裁判官は独自の裁量で延長期間を決めることができます(例えば、検察官が10日間の延長請求しても、裁判官の判断で8日間に短縮されることがあります)。
* 接見指定と接見等禁止 *
接見指定とは上記のように、弁護人あるいは弁護人となろうとする者が勾留されている方と接見するにあたって指定される条件のことです。他方、接見等禁止とは、弁護人「以外」の者と勾留されている方との接見等を禁止することで(刑事訴訟法81条)、法的には接見指定と別個のものと考えられています。なお、接見指定は公訴の提起(起訴)前だけにしかすることができないのに対し、接見等禁止は、必要があれば公訴の提起後にも付けられることがあります。
= 被告人勾留 =
被疑者から被告人となった場合、捜査の必要性は減退します。
よって、被告人の勾留は、裁判所(あるいは裁判官)の職権により行われます。通常、公訴の提起があったのと同時に勾留されますが、検察官が敢えて勾留をしたいという意思表示をしたい場合は、裁判官に職権の発動を促します。被告人勾留の場合、接見指定は認められません。
* 勾留期間 *
勾留期間は、公訴の提起があった日から2か月です。その後は、特に継続の必要がある場合に、決定をもって1か月ごとに更新されます。
~ 勾留と釈放 ~
勾留を解く(釈放する)ために、様々な対抗手段を講じることが必要です。ここでも、被疑者勾留と被告人勾留の場合にわけてご紹介いたします。
= 被疑者勾留 =
被疑者勾留の場合、まず、検察官に勾留請求しないよう働きかけたり、裁判官に勾留の決定を出さないよう働きかけることができます。ただし、これは法的な手段ではありません。法的な手段としては、勾留決定が出た後に勾留裁判に対する不服申し立て(準抗告)をすることが考えられます。なお、被疑者勾留の場合、被告人勾留と比べ身柄拘束期間が短いことから保釈請求は認められていません。
= 被告人勾留 =
被告人勾留の場合の主な対抗手段としては保釈請求でしょう。その他、勾留更新決定に対する準抗告、抗告の手段なども考えられますが、あまり例がないようです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。ご家族などが勾留されお困りの方は0120-631-881までご連絡ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております
検察官の不起訴とは
検察官の不起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
~ ご相談内容 ~
私は、昨年の9月に痴漢をした件で不起訴処分(起訴猶予)を受けました。しかし、今年のの7月にまた痴漢をしました。現在はその件で検察庁から呼び出しを受けています。7月の件では起訴されても仕方ないと思っているのですが、9月の件でも起訴されてしまうのでしょうか??(フィクションです)
~ 不起訴って何? ~
不起訴とは、検察官が下す終局処分(その事件について起訴・不起訴を終局的に決める処分)の一種で、その意味は文字通り、起訴されないということです。以下、具体的にみていきましょう。
不起訴は、検察官が下す終局処分の一種ですから、不起訴を決めるは警察官でもなければ、裁判官でもなく、
検察官
です。検察官の元には、警察や検察の捜査で収集した証拠が全て届けられます。その証拠の中には、被疑者(犯人)にとって不利な証拠もあれば、有利な証拠も含まれています。したがって、検察官は、それらの証拠を総合的に判断して、事件を起訴するか、不起訴にするか判断できる立場にあるのです。刑事訴訟法には不起訴について次の規定が設けられています。
上記のとおり、起訴するか、不起訴にするかの判断は検察官に委ねられていますから、その判断の時期も
検察官の判断(裁量)
に委ねられます。
検察官は、捜査の過程で収集した証拠に基づいて終局処分を決めますし、証拠の収集には一定程度時間を要しますから、終局処分の判断までにも一定の時間を要します。ただし、身柄事件の場合は時間的制約がありますから、在宅事件に比べて証拠収集のスピードがあがり、その分、終局処分を下す時期も早くなります。
検察官は検察官が収集した証拠に基づき不起訴にするかどうか判断します。そして、検察官は、起訴するだけの証拠が集まったか否かを見極めます。証拠が集まっていないと判断した場合、あるいは集まっているが、
犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況
から起訴を必要としないとき(刑事訴訟法248条)は不起訴とします。
検察官が不起訴と判断するに至った理由の「題名」のことを裁定主文といいます。よく目にするのが、「嫌疑不十分」と「起訴猶予す。
嫌疑不十分とは、検察官が起訴するに足りる証拠が集まっていないと判断したときに裁定するものです。起訴猶予とは、検察官が、証拠から犯罪であることは明らかであるが、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況から起訴する必要がないと判断したときに裁定するものです。
実は、この裁定主文は「嫌疑不十分」「起訴猶予」の他にもいろいろあります。例えば、そもそも被疑者が死亡している場合は「被疑者死亡」により不起訴となりますし、訴訟条件が欠けている場合も不起訴となります。
不起訴になれば、
刑事裁判にかけられること
刑罰を受けること
前科が付くこと
がなくなります。したがって、裁判所や検察からの呼び出しに応じる負担もなくなります。また、不起訴獲得によって職場の雇用や資格取得の場面でもよい影響が出るでしょう。
~ 今後、逮捕、起訴されることはないの? ~
裁判と違って、不起訴処分には、それ以上事件を蒸し返してはいけないという決まりはありません。したがって、不起訴となったからといって、
逮捕、起訴されないという保証はありません
証拠が足りなくて不起訴となっても(嫌疑不十分の場合)、処分後に新たな証拠が出てきた場合、起訴猶予で不起訴となっても、処分後に再犯を犯し情状が悪くなった場合などは、再度、逮捕、起訴されることがあります。前者のケースは少ないと思われますが、後者のケースは十分にあり得ることです。したがって、起訴猶予で不起訴となった場合は、それだけで安心せず、その後の生活態度には十分気を付ける必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
児童ポルノ単純所持の罪と発覚経緯
児童ポルノ単純所持と発覚の経緯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
Aさんは、自分で鑑賞するため、観賞用に、自宅に、児童ポルノであるDVD50点を持っていました。そうしたところ、Aさんは、愛知県中川警察署の家宅捜索を受け、児童ポルノであるDVD50点を押収されました。後日、Aさんは、愛知県中川警察署の警察官から児童ポルノ単純所持の罪で警察署まで出頭するよう呼び出しを受けました。Aさんは、今後のことが不安になって、刑事事件に強い弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)
~ 児童ポルノ単純所持の罪とは ~
児童ポルノ単純所持の罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」7条に規定されています。
法律7条1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
= 児童ポルノとは =
「児童ポルノ」については法律2条3項で定義されています。
法律2条3項
「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(略)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態(性欲を興奮させ又は刺激するもの)
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態(殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの)
「児童」とは、18歳に満たない者をいいます。
「電磁的記録に係る記録媒体」とはハードディスク、BL・DVD・CD、USBメモリー、フラッシュメモリー、インターネット上のサーバー、ビデオカセットテープなど電磁的記録(情報)が記録・蔵置されているものをいいます。つまり、児童ポルノとは、1号から3号の姿態が描写(記録)されている写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物ということになります。
= 成立要件 =
児童ポルノ単純所持の罪が成立するためには、
・児童ポルノを所持していたこと
・自己の性的好奇心を満たす目的があったこと
・自己の意思に基づいて児童ポルノを所持するに至ったこと
・上記の者であることが明らかに認められる者であること
という要件に加え、児童ポルノを所持していたことの認識が必要です。
* 自己の性的好奇心を満たす目的 *
自己の性的好奇心を満たす目的とは、平たくいえば、「児童の裸などを見たい、触りたいなどということに対する興味をもつ心」といった感じでしょうか?
この「自己の性的好奇心を満たす目的」があったか否かは、あなたの供述に加えて、児童ポルノ・電磁的記録を所持・保管するに至った動機、経緯、その量、所持・保管の態様などの客観的状況から推認されます。ですから、あなたがいくら「自己の性的好奇心を満たす目的」がなかったといっても、「自己の性的好奇心を満たす目的」があったとされることがありますから注意が必要です。
~ 児童ポルノ単純所持の罪と発覚経緯 ~
ところで、児童ポルノ単純所持の罪はどのような経緯で発覚するのでしょうか?個人で持っているだけなのに、どうして発覚してしまうのか疑問、不安を持たれる方も少なからずおられると思います。そこで、ここでは考えられる発覚のパターンについて列挙してみました。
= 余罪捜査から発覚 =
一番多いのがこのパターンではないかと思います。
例えば、児童買春、児童ポルノ製造の罪で検挙されたのち、スマートフォンやパソコンなどを押収されて中身を調べられ発覚するというパターンです。
= 業者の摘発から発覚 =
児童ポルノの供給者側である業者が摘発され、業者が保管していた顧客リストなどから個人が特定され、個人宅に捜索が入って発覚するというパターンです。
= 児童の補導などから発覚 =
児童が警察に補導された場合は、援助交際などに関わっていないかどうか確認するため、児童のスマートフォン中身を調べられるでしょう。仮に、児童が裸などの写真画像、動画を送っていた場合は、そこから相手方である個人が特定される可能性があります。児童が親などに相談した場合も同様です。
ここに挙げたのはほんの一例であって、発覚の経緯は様々だと思います。警察の捜査が入るのはいつか分かりません。まずは、ご自分がなされていることをしっかりと認識した上で、対策を立てることが必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、児童ポルノをはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。お困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
横断歩道上の交通事故
横断歩道上の交通事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
愛知県小牧市に住むAさんは、自動車を運転して帰宅していたところ、信号のない横断歩道上を歩行中であったVさんを誤ってはねてしまいました。Aさんはこのことに気づいていましたが、このまま警察に報告すると逮捕されるのではないかと怖くなり、道路に倒れたVさんを助けることなくそのまま逃走しました。ところが、後日、Aさんは、愛知県小牧警察署の警察官により、過失運転致傷罪及び道路交通法違反で逮捕されてしまいました。Aさんの家族は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
~ 横断歩道上の交通事故 ~
横断歩道上は「歩行者の聖域」と言われ、自動車の運転者は、横断歩道上を渡ろうとする、あるいは渡っている歩行者を見かけた場合は様々な配慮をしなければなりません。
この点に関し、道路交通法38条では次の規定を設けています。
道路交通法38条
1 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進 路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による 停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断 歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除 く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その 前方に出る前に一時停止しなければならない。
3 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他 の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
1項前段(~「速度で進行しなければならない」まで)は横断歩道等に近接する車両等の速度に関する義務、1項後段は、車両等の一時停止、歩行者等の通行を妨げない義務を定めたものです。
2項は、横断歩道等あるいはその直前に車両等がある場合の同車両等の側方を通過する際の一時停止義務、3項は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路における追い抜き禁止義務を定めたものです。
2項、3項は、横断歩道等には歩行者等がいるが蓋然性が高いにもかかわらず、各状況下で一時停止することなく車両等を追い抜こうとすれば、横断歩道等に対する見通しが悪いことから、車両等の運転手に一時停止義務や追い抜き禁止義務を課したものです。
このことから、横断歩道上を歩行する歩行者を車ではねて怪我させた場合、歩行者が赤色信号で横断歩道を歩行していた場合など落ち度が認められない限りは「過失」ありとされ、自動車運転処罰法(正規名称、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)の
過失運転致傷罪(被害者が怪我した場合、死亡した場合は過失運転致死罪)
に問われます。
過失運転致傷罪も過失運転致死罪も法定刑は
7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金
ですが、実際の量刑としては、横断歩道上の交通事故は過失を重く見られますから、罰金刑でも高い金額か禁錮刑を選択されることが多いかと思います。
また、ひき逃げ(10年以下の懲役又は100万円以下の罰金)をした場合はさらに刑が重たくなりますので注意が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが、24時間体制で、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
強盗事件と不起訴
万引きから事後強盗罪へと発展し不起訴を目指すケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【ケース】
Aさんは,家事育児に追われていることでストレスがたまり,お金に困っているわけでもないのに万引きをするようになりました。
ある日,Aさんが愛知県名古屋市内のスーパーマーケットで菓子数点を万引きしたところ,店を出ようとしたところで警備員に呼び止められました。
動揺したAさんは,警備員に向かって咄嗟にハンドバッグを振り回し,警備員の頭にハンドバッグが当たって怯んでいる隙にその場から逃走しました。
警備員に怪我はありませんでした。
後日,Aさん宅を愛知警察署の警察官が訪ね,Aさんは事後強盗罪の疑いで逮捕されました。
Aさんの夫は,弁護士に不起訴を目指せないか聞いてみました。
(フィクションです。)
【万引き事件が強盗罪に?】
上記事例のAさんは,事後強盗罪という罪の疑いをかけられています。
強盗罪は聞いたことがあっても事後強盗罪は聞いたことがないという方は多いかと思います。
まず,強盗罪は,暴行または脅迫を手段として財産を奪取した場合に成立する可能性のある罪です。
暴行・脅迫により被害者の抵抗を困難にして財産を自分の物にする点で,いわば窃盗罪がより悪質になったものとして位置づけられます。
これに対し,事後強盗罪は,窃盗に及んだあとで一定の目的のもと暴行または脅迫を加えた場合に成立する可能性のある罪です。
一定の目的とは,①盗んだ物が取り返されるのを阻止するため,②逮捕されるのを防ぐため,③証拠を隠滅するため,のいずれかです。
窃盗犯がこうした目的で暴行・脅迫を行うことがよく見られ,なおかつその危険性が強盗罪における暴行・脅迫と同視できることから,事後強盗罪という類型が設けられました。
事後強盗罪は「強盗として論ずる」とされているため,法定刑や他の罪との関係は強盗罪と同じということになります。
つまり,刑は5年以上の有期懲役であり,強盗致死傷罪など強盗罪の加重類型も成立しうることになります。
ちなみに,強盗罪と事後強盗罪における暴行・脅迫は,「相手方の反抗を抑圧するに至る程度」,つまりある程度強いものでなければならないと考えられています。
仮に暴行・脅迫が弱めのものだったとすると,強盗罪ではなく恐喝罪になったり,事後強盗罪ではなく窃盗罪と暴行罪または脅迫罪になったりする余地が出てきます。
【不起訴を目指すには】
仮に逮捕されるような事件を起こしたとしても,事件の内容と弁護活動によっては不起訴になる可能性があります。
不起訴は検察官が裁判を行わないという判断を下したことを意味するので,有罪となって刑罰が下されることは基本的になくなります。
そのため,刑事事件においては理想的な終わり方の一つだと言うことができます。
先述のとおり,検察官が不起訴処分を下すかどうかは,事件の内容と弁護活動により大きく左右されます。
事件の内容については,端的に言って事件の悪質性が低ければ不起訴になりやすくなると考えられます。
今回のケースで言うと,被害総額が高くないと見込まれる,少なくとも暴行は突発的なものである,といった事情が悪質性の低さを根拠づける要素となることが期待できます。
弁護活動については,やはり非常に重要なものとして示談が挙げられます。
今回のケースであれば,万引きの被害者である店と暴行の被害者である警備員が被害者に当たると考えられます。
弁護士を通して被害者にきちんと謝罪と被害弁償を行い,許しを得ることができれば,不起訴となる可能性はぐっと高まるでしょう。
逮捕された,あるいは強盗罪だからといって,絶対に不起訴にならないかと言うとそういうわけではありません。
不起訴を目指されるのであれば,まずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事事件に強い弁護士が,知識と経験を頼りに的確な不起訴の見込みをお伝えします。
ご家族などが事後強盗罪の疑いで逮捕されたら,刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
(初回接見のご予約方法はこちら)
お酒と強制わいせつ罪
お酒と強制わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市熱海区に住む大学4年生のAさん(21歳)は、同じ学部に所属するVさんと仲が良く、他の同級生2名と一緒に名古屋市内にあるVさん宅に遊びに行くことになりました。AさんはVさん宅でVさんらとお酒を飲んだあと、Vさんの許可を得てVさん宅に泊まることになりました。AさんとVさんは別々の部屋で寝ていましたが、Aさんは酒が入っていたこともあり気持ちが大きくなって、Vさんが寝ている隙にVさんの体を触りたいと思うようになりました。そこで、AさんはVさんが寝ていた部屋へ入り、Vさんが寝ている隙にVさんの胸や下半身を触りました。翌朝、Aさんは、Vさんから「昨日したことを覚えているよね?」「示談金払わなければ警察に被害届を出すから」などと言われてしまいました。Aさんは自分のしたことに全く記憶がありませんでしたが、就職先の内定も決まっていたこともあり警察沙汰にだけはなりたくないと思い、事を穏便に解決したいと考えています。そこで、Aさんは刑事事件専門の弁護士に無料法律相談を申し込みました。
(フィクションです)
~ はじめに ~
幣所にご相談に来られるお客様の中には、強制わいせつをはじめとする性犯罪で訴えられている、あるいは訴えられそうという状況であるにもかかわらず、お酒の影響でその行為を全く覚えていない、一部分しか覚えていないと言われる方も多くおられます。しかし、被害者が嘘をついておらず、かつ、その話に信用性が認められる限りはやはり罪に問われる可能性も出てきます。日頃から、お酒の飲み方などには注意する必要があります。
~ 強制わいせつ罪 ~
強制わいせつ罪は刑法176条に規定されています。
刑法176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
「暴行」とは、他人の身体に対する有形力の行使をいい、脅迫とは、人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
そして、強制わいせつ罪における暴行、脅迫の程度は、一般には、被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければならないとされています。
具体的には、
・殴る、蹴る、叩く
・首を絞める、馬乗りになる
・「殺すぞ」「家を焼くぞ」「裸の写真ネットにばらまくぞ」などと言う
などが挙げられます。
また、暴行それ自体がわいせつ行為であってもよいとされています。
「わいせつな行為」とは、徒に性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為をいうと解されています。
具体的には、
・膣を触る
・陰部に手を入れる
・乳房を弄ぶ
・相手方の感情を無視した接吻
などがこれに当たるでしょう。
なお、わいせつ行為ではなく、「性交等」を行った場合は強制性交等罪というさらに重たい罪に問われる可能性があることから注意が必要です(法定刑は5年以上の有期懲役)。また、同罪を犯す目的で性行等をするに至らなかったときは強制性交等未遂罪に問われる可能性があります。
~ 警察沙汰を回避するには ~
被害者から警察に被害届が提出されてしまうと、逮捕されたり、あるいは警察からの呼び出しなどに応じなければならなくなります。それを回避するためには、やはり、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくしかありません。そして、被害者に警察に被害届を提出することを思いとどまっていただくためには、被害者との間で示談を成立させる必要があるでしょう。
示談はもちろん、当事者間で成立させることも可能ですが、特に性犯罪の場合は被害者の処罰感情が強く、また罪を犯した側は立場的に弱いですから、どうしても被害者側の要求を鵜呑みにせざるをえなくなり、当事者間で示談を成立させることは難しいでしょう。そこで、加害者側の弁護士が必要となってきます。
お困りの際は弁護士へご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件で逮捕されるなどしてお困りの方は、まずはお気軽に、0120-631-881までお電話ください。専門のスタッフが24時間体制で、初回接見、無料法律相談の予約を受け付けております。
少年事件の簡易送致制度
少年事件の簡易送致制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
名古屋市西区に住む高校生のA君(17歳)は、自宅から学校まで遠かったため、自宅から原付バイクを使って通学していました。ところが、ある日の朝、A君はいつものように原付バイクにエンジンをかけようとしたところエンジンがかからず、修理に出すと故障していることがわかりました。A君は、今後どのようにして通学しようか悩んでいたところ、A君と同じく原付バイクで通学していた友人のB君から電話があり、「原付バイクが故障したって?」「いらないのあるからタダであげるよ。」と言われました。A君は、B君が1年前に他人の原付バイクを盗んで警察に逮捕されたことを知っていたことから「もしかしたら盗まれたものかもしれない。」などと薄々思いましたが「タダならよかろう」と思い、B君に指定された場所までいき、原付バイクとそのカギを譲り受けて自宅に戻りました。そうしたところ、A君は、愛知県西警察署から「盗品等無償譲受け罪で話を聴きたいから警察まで来てくれないか。」との連絡を受けました。「やっぱり盗品だったのか」と思ったA君は母親と相談し、警察に行く前に弁護士に取調べの対応方法についてアドバイスを受けることにしました。警察官の話によれば、B君は、また原付バイクを盗んだ件で窃盗罪で逮捕された、とのことです。
(事実を基に作成したフィクションです。)
~ 盗品等に関する罪 ~
友人間での取引、売買などが刑事事件へと発展する可能性があることが注意が必要です。
盗品等に関する罪は刑法256条に規定されています。
刑法256条
1 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。
1項は「無償譲受け」、2項は「運搬」「保管」「有償譲受け」「有償処分あっせん」に関する罪です。
「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物(以下、盗品等)」とは、窃盗罪、強盗罪、横領罪などの財産犯によて得られたもので、被害者が返してくれと請求できるものをいいます。
「無償譲受け」とは、文字通り、無償で盗品等を譲受けることをいい、現実の物の受渡しが必要です。
また、盗品等に関する罪が成立するための主観的要件として、行為者において譲受けた物が「盗品等である」ことの認識が必要です。
この認識の程度は、必ずしも「盗品等である」との確定的な認識である必要はなく、「盗品等であるかもしれない」という未必的な認識で足りるとされています。
~ 家庭裁判所へ送致されるルートは2つ ~
捜査機関は少年事件について捜査を遂げた結果、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料されるときは、すべての少年事件を家庭裁判所へ送致しなければなりません。
これを全件送致主義といいます。
事件が捜査機関から家庭裁判所へ送致されるルートは2つあります。
一つは、警察から直接、家庭裁判所へ送致されるルートです。直送事件とも呼ばれています。ただし、このルートで送致される事件は、過失傷害罪(30万円以下の罰金)、軽犯罪法違反(拘留、又は科料)など法定刑が「罰金以下の刑に当たる罪」に限られます。
もう一つは、警察から検察庁を経て家庭裁判所へ送致されるルートです。法定刑に罰金刑が規定されていても、選択刑として懲役刑が規定されていると、その罪に関する事件はこのルートで送致されることになります。
~ 少年事件の簡易送致制度 ~
しかし、事案が軽微で少年の保護の必要のない事件についてまで一律に同じ手続きで家庭裁判所に送致させることは、少年にとっても負担ですし、保護善導する上でも効果的とはいえません。また、多くの事件を取り扱う捜査機関の負担にもなりかねません。
そこで、一定の基準を満たす少年事件については、簡易送致制度に基づき簡易送致手続が行われています。
これは、被疑少年ごとに少年事件簡易送致書という書類を作成し、直送事件の場合は直接家庭裁判所へ、直送事件でない場合は検察官へ送致する手続きです。
なお、いかなる場合に簡易送致とするかは犯罪捜査規範第214条に規定されています。
犯罪捜査規範214条
1 捜査した少年事件について、その事実が極めて軽微であり、犯罪の原因及び動機、当該少年の性格、行状、家庭の状況及び環境等から見て再犯のおそれがなく、刑事処分又は保護処分を必要としないと明ら かに認められ、かつ、検察官又は家庭裁判所からあらかじめ指定されたものについては、被疑少年ごとに少年事件簡易送致書及び捜査報告書(略)を作成し、これに身上調査表その他の関係書類を添付し、一 月ごとに一括して検察官又は家庭裁判所に送致することができる。
2 前項の規定による処理をするに当たつては、第二百条(微罪処分の際の処置)に規定するところに準じて行うものとする。
もっとも、全ての事件、罪が簡易送致の対象となるわけではなく、あくまで「検察官又は家庭裁判所からあらかじめ指定されたもの」に限ります。盗品等に関する罪については、通常、一定の被害金額以下にかかる罪が対象とされていることが多いようです。
~ 簡易送致となったら?簡易送致を目指すには? ~
簡易送致された場合は、検察庁から呼び出しを受けて取調べを受ける可能性は低いでしょう。また、家庭裁判所で少年審判を受ける可能性も低いと思われます。
簡易送致するか否かは警察が決めますから簡易送致を目指すには、被害者に被害弁償したり、少年を取り巻く環境を整え、更生可能性をしっかりアピールする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。
暴行罪か傷害罪か
暴行罪と傷害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します
名古屋市北区に住むAさんは、職場の同僚の勤務態度に腹を立て、Vさんの胸ぐらをつかみ、右拳でVさんの顔面を1回殴る暴行を加えました。その際、Vさんの鼻などから出血は確認できず、Vさんも病院には行かなかったようです。
ところが、それから1週間後、Aさんは愛知県北警察署の警察官に呼び出され、取調べで「Vさんから医師の診断書が出た」「診断名は歯牙破折だ」ということを聞かされ、傷害罪の被疑者として捜査すると言われました。
Aさんとすれば、暴行自体は認めているものの、事件当時、Vさんから歯が折れたなどとは聞かされていなかったため、怪我の点については納得できずにいます。
そこで、Aさんは、今後どう対応すればいいのか刑事事件に強い弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)
~ 暴行罪 ~
Aさんが
・Vさんの胸ぐらをつかんだり
・Vさんの顔面を右拳で殴る
行為は、暴行罪の「暴行」に当たります。
暴行罪は刑法208条に規定されています。
刑法208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行罪の「暴行」とは、人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいうとされています。
殴る、蹴る、突く、押す、投げ飛ばすなどの行為がその典型でしょう。もっとも、最近、マスコミで報じられている
あおり運転
もこの「暴行」に当たるとして、あおり運転をしたを暴行罪で処罰した例もあります。
~ 傷害罪 ~
傷害罪は刑法204条に規定されています。
刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
見た感じ、暴行罪よりも、どのような要件がそろった場合に傷害罪が成立するのか分かりにくいですが、刑法208条と併せてみてみると、
「暴行」を加えた者が「傷害」するに至ったとき
に傷害罪が成立するものと解されます。
なお、「傷害」とは、
単に相手方に怪我をさること
のみならず、それよりももっと広く、
人の生理機能に障害を与えること、又は人の健康状態を不良に変更すること
と解されています。
~ 暴行罪と傷害罪との違い ~
以上から、暴行罪と傷害罪との違いは、
「傷害」の結果が発生したか否か
によります。そして、その「発生したか否か」には、
もとから傷害が発生しなかった
という場合と、
傷害は発生したが、暴行との因果関係が認められない
という場合の2つのパターンがあることに注意が必要です。
~ 本件の刑事弁護 ~
本件で、Aさんは、「暴行」の事実自体は認めているものの、「暴行」と「傷害」との因果関係について疑問を持たれているようですから、まずは「暴行罪」での処分を主張していかなければなりません。
具体的には、Aさんはもちろん、周囲に直接の目撃者あるいはVさんの様子を知る人がいなかったかどうか調べ、その方たちからもお話を聴く必要があるでしょう。
そして、その聴取した結果を意見書という形にまとめ、処分を決める検察官に提出するといったことが考えられます。
それと同時に、「暴行」の事実に限っての示談交渉を進めていく必要があります。
仮に、傷害罪で起訴され裁判になった場合は、裁判で診察をした医師を尋問するなどして作成した診断書の証明力を減退させる必要も出てくる可能性があります。
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公務執行妨害罪、公文書毀棄罪と釈放
公務執行妨害罪、公文書毀棄罪と釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
Aさんは自動車をを運転中、非常点滅表示灯が点滅していなかったことから、パトカーを運転する愛知県一宮警察署の警察官に停止を求められました。Aさんは道路わきに車を止め、車から降りて警察官の職務質問を受けました。Aさんは、素直に罪を認め、はやく手続を終わらせたいと考えていましたが、警察官の態度があまりにも横柄すぎると感じたことから、警察官Aから交付を受けた「交通反則切符」をその場で破り捨てました。そこで、Aさんは公務執行妨害罪、公文書毀棄罪で逮捕されてしまいました。Aさんは、妻と二人で痴ほう症の両親の面倒を看ています。そこで、逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、一刻も早く釈放されることを願って刑事事件に強い弁護士に弁護活動を依頼しました。(フィクションです。)
~ 逮捕罪名について ~
まずは、Aさんの逮捕罪名である公務執行妨害罪、公文書毀棄罪から解説したいと思います。
= 公務執行妨害罪 =
本罪は、刑法95条1項に規定されています。
刑法95条1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
* 破っただけで公妨? *
この記事をご覧になった方は、
・警察かに暴行、脅迫を加えてないのになぜ逮捕?
・切符破っただけで公妨?
などと疑問を持たれた方も多いのではないでしょうか?実は、公務執行妨害罪の「暴行」とは、
公務員の身体に対して直接加えられる有形力の行使(直接暴行)に限られず、公務員に対して向けられてはいるものの、直接公務員の身体に対して加えられたものではない有形力の行使(間接暴行)をも含む
とされています。これは公務執行妨害罪が公務の円滑な遂行を保護することを目的としているからと説明されています。判例では、
・覚せい剤液注射液入りアンプルを足で踏み付け破壊する行為
・収税官吏が差し押さえた密造酒入りのカメを破壊する行為
なども「暴行」に当たるとされています。
= 公文書毀棄罪 =
本罪は、刑法258条に規定されています。
刑法258条
公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
「公務所」とは、官公庁その他公務員が職務を行う所をいいます。「公務所の用に供する文書(公用文書)」とは、公務所で使用されるための文書をいいます。過去の裁判例(東京高裁昭和41年11月11日)では、交通切符をも「公用文書」に当たると判断されています。なお、犯人が署名する前など、文書として未完成のものであっても「公用文書」であることに変わりはないとされています。「毀棄」とは、共用文書等の本来の効用を害する一切の行為をいうとされています。破り捨てる行為も「毀棄」に当たるでしょう。
~ 本件と釈放 ~
本件の場合、犯罪を立証し得る直接証拠は犯行を現認した警察官Aの供述です。しかし、Aさんが釈放された場合、わざわざ警察署まで出向いてAさんを威迫し、自分に有利に供述を変遷させるなどの罪証隠滅行為に出ることは通常考え難いです。そもそも、Aさんとしては、Aさんの特定すらできないかもしれません。よって、本件の場合、罪証隠滅行為の現実的可能性は他の犯罪に比べ低いです。ですから、本罪では逃亡のおそれさえなくしてしまえば釈放される可能性はグンと高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、公務執行妨害罪、公文書毀棄罪などをはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。ご家族の一日でも早い釈放をお望みの方は、土日・祝日、24時間受付中の弊所の初回接見サービスのご利用をご検討ください。
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