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【裁判紹介】過失運転致死傷事件の裁判を紹介
過失運転致死事件で起訴された交通事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案】
2022年3月、名古屋市港区で下校中の小学生2人を車ではねて死傷させたとされる男について、名古屋地方検察庁は、過失運転致死傷の罪で起訴しました。
愛知県港警察は、捜査段階では、より量刑が重い危険運転致死傷容疑で送検していました。
(名古屋テレビ「小学生2人死傷事故 赤信号で交差点に進入したとして男を過失運転致死傷罪で起訴 名古屋地検」(2022年4月14日)より引用し、一部内容を変更しております)。
~捜査段階の罪名と起訴罪名の違い~
本件は、捜査段階では、危険運転致傷罪と危険運転致死罪(自動車運転死傷行為処罰法2条)として送致(送検)されていました。
しかし、起訴段階になり、検察官は過失運転致傷罪と過失運転致死罪(同法5条)での起訴が妥当だとして、送検時より軽い罪名で起訴されるに至っています。
このように、捜査段階と起訴段階で罪名がずれることも、刑事事件では少なくありません。
検察官は、広範な起訴裁量を有しており、本件のように軽い罪名で起訴されることも、また逆に重い罪名で起訴されることも有り得ます。
どのような罪名で起訴されるかは、起訴前の弁護活動によって左右される部分も大きく、交通事件であっても刑事弁護士による弁護活動の重要性は決して低くありません。
~交通事件における弁護活動~
本件の報道時点では、まだ起訴段階であり、公判は始まっていません。
本件は略式手続(刑訴法461条以下)ではなく通常の刑事裁判として起訴されていると考えられ、1人死亡、1人重傷という重大な結果を生じさせていることからも、懲役刑が見込まれる公算が高いでしょう。
もっとも、一般論としては死亡事故を起こしたからといって懲役刑が絶対に避けられないということではありません。
示談の成立如何では、略式起訴等により罰金刑が選択されることも少なくありません。
検察統計によると、(罰金刑の定めのある)過失運転致死等の死亡事故でも、4割近くが罰金刑にとどまっていることを考えると、捜査段階における弁護活動が被疑者・被告人の命運を分けるとすらいえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、過失運転致死傷事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
過失運転致死傷事件で逮捕や起訴された方およびご家族は、24時間365日対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までお早めにご連絡ください。
【裁判紹介】覚醒剤取締法違反事件の裁判例
覚醒剤取締法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案】
覚醒剤を使用したとして覚醒剤取締法違反の罪に問われた男性に対し、名古屋地裁は、「採尿前に警察官が、被告に提供した飲料に覚醒剤を混入させた疑いを排除できない」として、無罪を言い渡した。
判決では、警察官が逮捕後に勾留中の被告へ現金を渡していたとも認め「捜査が不正に行われた疑いを強く推認させる」とした。
他にも判決によると、被告人は、愛知県東海市の自宅近くで逮捕された後、取り調べ中に警察官からコップに入ったお茶や水を提供され、数十杯飲んだ。
警察官は薬物捜査に従事しており、この際に覚醒剤を飲料に入れた可能性があるとした。
被告人は、公判では一貫して起訴内容を否認していた。
(日本経済新聞「「警官が覚醒剤混入疑い」名古屋地裁が無罪判決」(2021/3/19)を引用・参照)。
【覚醒剤取締法違反事件における裁判例と弁護活動】
覚醒剤事犯を中心とした薬物事件では、(その検挙の困難さも一因となって)違法捜査が行われることも少なくないといわれています。
本事案などは、捜査の違法性の程度が大きく有罪を導くための証拠に証拠能力を認めず、無罪判決を下したものと考えられます。
他方で、覚醒剤事犯においては、捜査官による違法捜査などがない場合にも、被告人が多重人格であり心神耗弱状態(刑法39条2項)であったなど責任能力の低下を認定し、執行猶予付き判決が言い渡された裁判例なども存在します。
覚醒剤事犯を含めた薬物事件では、想定される刑罰が重いこともあり、刑事弁護士が様々な工夫を凝らした弁護活動を展開している分野でもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚醒剤取締法違反など薬物事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
違法捜査に対する対応・薬物事件に特化した対応に長けた弁護士が、迅速な無料相談や初回接見を承ります。
覚醒剤取締法違反事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。
【解決事例】恐喝事件の控訴審で執行猶予判決獲得
一審で実刑判決だったものの、控訴審で執行猶予付き判決となった解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
Aさん(20代男性)は友人のBさんと一緒に、愛知県碧南市にある公園でVさんに対して恐喝をしたとして、愛知県碧南警察署に逮捕され、後に懲役1年の実刑判決を受け、控訴していました。
Aさんは「Vさんを脅していたのは主にBさんです。Bさんが執行猶予判決になり、私が実刑判決なのはどうしても納得がいきません。」と面会時にお話をされました。
(実際に起こった事件をもとに、一部変更を加えています。)
【恐喝罪について】
恐喝罪は刑法第249、恐喝をして、お金などの財物を交付させたり、不法の利益を得た場合に成立する犯罪です。
恐喝罪の法定刑は、10年以下の懲役で、未遂行為も処罰されます。
もう少し詳しく説明しますと
加害者が被害者に対し、暴行や脅迫をすることによって、被害者を怖がらせ、お金などの財物を交付させることが恐喝罪にあたります。
カツアゲなどが典型例ですね。
また、加害者の暴行や脅迫によって、相手方の反抗を抑圧し、被害者からお金などの財物を奪った場合には、強盗罪となります。
【弁護活動について】
まず、Aさんは身柄を拘束されていましたので、保釈の請求を裁判所に行いました。
具体的には裁判所に対し、①保釈をしても罪証隠滅の恐れはない、②保釈をしても逃亡の恐れはない、③Aさんの更生のためにも働く必要がある、ことを主張しました。
その結果、Aさんには保釈が認められ、Aさんは自宅に戻ることができました。
その後は裁判所に対し、①Aさんは本件事件においてBさんに対し従属的な立場であったこと、②それにもかかわらず、Bさんが執行猶予判決、Aさんが実刑判決というのはあまりにも均衡を失している、旨を主張していきました。
その結果、①、②の主張が認められ、及びAさんが保釈中に就職をしたことなども考慮された結果、Aさんには1審の判決が破棄され、執行猶予付き判決となりました。
【恐喝罪の法律相談】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、恐喝罪などの刑事事件に関する法律相談を無料で承っております。
東海三県の恐喝罪に関するご相談については
フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を承っておりますので、お気軽にお電話ください。
なお弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、恐喝罪などの刑事事件で東海三県内の警察署に逮捕されてしまった方には、警察署に弁護士を派遣する初回接見サービスをご用意しています。
SNSで誹謗中傷、名誉毀損罪とは?
SNSでの誹謗中傷、名誉毀損罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案】
Xは、学生時代から仲良くしていた親友のYがいました。
YはXに数万円の借金をしており、中々返済をしないYに、XはYに早く借金を返してほしいと不満を募らせていた。
とある日、XとYは、居酒屋で酒を呑んでいる際にYのXに対する借金をきっかけに口論となり、関係が悪くなってしまった。
以降,XはYに腹を立てており、何かYに嫌がらせをしたいと考えていました。
そこで、XはYの暴露情報として、YouTubeやTwitterなどのSNSを通じて、「Yは借金を全く返さないクズ」、「Yは未成年と肉体関係を持ったことがある」、「Yは、学生時代に同級生の財布から金を盗んだ」などの内容の投稿を行いました。
数日後も、Yに対する怒りが収まらないXは「Yはどうしようもないくらい頭が悪く学生時代赤点ばかり取っていた」、「SNSのダイレクトメッセージを使って,知らない女性に肉体関係を迫っている」などの内容の投稿を行いました。
その後も、XはSNSにYに対する誹謗中傷を投稿し続けていました。
最後の投稿から数か月後、Xは愛知県刈谷警察署に、XのSNSへの投稿について名誉毀損罪成立するとして逮捕されました。
※事案はフィクションです。
【名誉毀損罪とは?】
名誉毀損罪(刑法230条)は、事実を摘示し、公然と、人の社会的評価を低下させる恐れのある行為を行うと成立します。
法定刑は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金です。
刑法230条1項 名誉毀損罪
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
条文から名誉毀損罪の成立要件は「公然」「事実を摘示」「毀損」となります。
「公然」とは、不特定または多数の者が認識し得る状態を言います。
「認識しうる状態」で足り、実際に認識したことまでは必要ではありません。
「事実を摘示とは、具体的な事実内容を示したことをいい、その内容の真否は関係ありません。
「名誉を毀損 」とは、社会的評価が低下する可能性のある行為を行うことで足り、実際に社会的評価が下がったことまでは要求されていません。
【罪に問われない方法は?】
1,違法性阻却事由
名誉毀損の要件を満たしていても、違法性が阻却される場合には、名誉毀損罪は成立しません。
刑法230条の2 第1項 公共の利害に関する場合の特例
前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
条文から名誉毀損罪の違法性阻事由の要件は「公共性があり」「公益を図る目的で」「真実または真実相当性があること」です。
「公共性」とは、社会的に影響力のある人物や政治家など国民にとって有意義な情報であることを言います。
「公益を図る目的」とは、政治家の汚職を公にすることで政治の腐敗を正そう等の正当な目的であることをいいます。
内容に「公共性」があっても、目的が憂さ晴らし等の場合には、違法性は阻却しません。
「真実相当性がある」とは、真実であると信じるべき正当な理由や根拠があることをいいます。
2,告訴期間・公訴時効
名誉毀損罪は「親告罪」といって、その名誉毀損を行った人物を知った日から6カ月以内に告訴しなければなりません。
また、名誉毀損罪の公訴時効は3年であるため、名誉毀損行為をしたときから3年以内に起訴する必要があります。
このような,告訴期間や公訴時効の期間が過ぎてしまった場合には,名誉毀損罪として罪には問われません。
【おわり】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は刑事事件専門の法律事務所です。
名誉毀損の事件の弁護活動に強い弁護士をお探しの方は
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【解決事例】交通死亡事故を起こし、弁護活動で執行猶予付き判決を獲得
交通死亡事故を起こし、弁護活動により執行猶予判決となった解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事例】
Aさんは、愛知県常滑市内を自家用車で走行中、車道を横切っていたVさん(90代男性)に気付くのが遅れ、Vさんをはねてしまい、その結果Vさんは死亡しました。
Aさんは愛知県常滑警察署で任意の取り調べを受け、既に起訴をされていました。
Aさんは相談時に「裁判が始まるのがとても怖いです。私は刑務所に行くことになるのでしょうか。」と相談時にお話しされました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)
【交通死亡事故について】
交通死亡事故は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)違反として、過失運転致死罪に問われることが多数です。
また、平成19年の刑法改正で自動車運転過失致死傷罪が新設されて、その後平成25年に自動車運転死傷行為処罰法が新設され、従来の自動車運転過失致死傷罪から過失運転致死傷罪に罪名がかわりました。
交通事故のうち死亡事故のケースでは、前科や前歴がない方でも執行猶予がつかない実刑判決の可能性があるのです。
ですので、実刑判決(刑務所に入ることになる)を避けることを目指していくことが多くなると考えられます。
【交通死亡事故における弁護活動】
①身柄の解放を目指す
交通死亡事故を起こし、逮捕・勾留された場合は釈放・保釈による身柄の解放を目指した弁護活動を行います。
②不起訴・無罪判決を目指す
もしも、身に覚えのない交通死亡事故の容疑を掛けられてしまった場合、弁護士は警察や検察などの捜査機関または裁判所に対して、不起訴処分や無罪判決になるよう訴えていくことができます。
交通死亡事故を起こしてしまった場合でも、運転者に過失がないことや、注意しても交通事故の発生を避けることはできなかったことなどを主張・立証することで、不起訴処分や無罪判決を目指します。
③正式裁判を回避することを目指す
被害者遺族への被害弁償と示談交渉を行うことで、正式裁判にならない、略式裁判による罰金処分を目指した弁護活動を行っていきます。
④刑務所に行くことの回避や減刑を目指す
起訴をされ、正式裁判になった場合でも、被害者遺族との間で被害弁償や示談を締結したり、運転の態様や不注意の程度など、被告人に有利な事情を主張や立証することで、減刑や執行猶予付き判決を目指していきます。
【今回の弁護活動について】
Vさんのご遺族に対し、謝罪がしたいと弁護士からお伝えしたところ、「Aさんとは会いたくないし、示談交渉もお断りしますが、謝罪文はいただきます」とお返事を頂きましたので、ご遺族にAさんが作成した謝罪文をお渡ししました。
その後裁判所に対し、
①Aさんの過失態様の悪質性が非常に高いとはいえないこと
②Aさんには前科前歴がないこと
③Aさんは対人無制限の保険に加入しており、ご遺族の損害については完全に補填される見込みであること
④Aさんは大変反省しており、更生の環境も整っていること
などを主張したところ、Aさんには執行猶予付き判決が下されました。
このコラムをご覧の方で、交通死亡事故を起こしたが、執行猶予判決を希望しているという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、交通死亡事故に関するご相談を
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【裁判紹介】強盗致傷事件の裁判例
強盗致傷事件の裁判例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案】
名古屋市の郵便局で現金を奪い、人質に取った女性客にけがをさせたとして、強盗致傷などの罪に問われた被告人の裁判員裁判の判決が、名古屋地裁で開かれ、裁判長は懲役7年(求刑懲役9年)の判決を言い渡した。
判決によると、被告人は、郵便局の女性客を人質に取り、現金221万円を奪った。
逃走中に女性を引きずるなどして、肘や膝に軽傷を負わせた。
(産経新聞「郵便局強盗、男に懲役7年 名古屋地裁「社会に不安」(2021428)」を引用・参照)。
【強盗罪と強盗致傷罪】
刑法は、236条に「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する」(同条1項)との規定を置いています。
そして、「強盗」が、「人を負傷させたとき」は「無期又は6年以上の懲役に処」すとされています(240条前段)。
判例上、致傷行為は強盗の手段たる「暴行」によって生じることを要さず、強盗の機会における暴行によって生じれば足りると解されています。
本事案では、強盗後の逃走中に被害者を引きずるなどして軽傷を負わせており、強盗の機会性を満たすことから上記240条前段が適用されることになるのです。
【強盗事件(強盗致傷事件)の裁判】
強盗致傷事件は、上述の刑法240条前段の罪にあたることから、「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件」(裁判員法2条1項1号)として、裁判員裁判対象事件となることに注意が必要です。
つまり、強盗罪にとどまるか致傷罪にまで至るかによって、裁判員裁判になるか裁判官裁判(通常の刑事裁判)になるかという大きな分水嶺が存在することになります。
また、当然ながら強盗罪にとどまる場合と本事案のように致傷罪まで問われる場合では、量刑も大きく異なります。
例えば、路上で女性に刃物を突き付け軽トラックを奪うなどした致傷行為を伴わない強盗事件においては、懲役3年の実刑判決が下された例があります。
この裁判では、経済的な被害が実質的にみて小さいことなどが判決理由として指摘されており、致傷行為がなかったことのみが量刑の理由とはなっていませんが、やはり怪我を負わせているか否かは量刑上大きな差を生じさせることとなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗事件などを取り扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
強盗致傷事件(強盗事件)で逮捕・起訴された方のご家族等は、365日24時間いつでも対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。
【解決事例】建造物侵入と窃盗 示談成立し不起訴処分
勤務先に侵入、窃盗行為を行った事件につき、示談を成立させ不起訴処分となった解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事件の概要】
Aさん(40代男性)は、夜中に勤務先である愛知県東海市にある衣料品店に合い鍵を使って侵入し、店舗内にある衣料品を盗み、これをインターネットオークションで売りました。
Aさんは愛知県東海警察署に建造物侵入罪と窃盗罪で逮捕、勾留されました。
Aさんの奥様は、「我が家には多額の借金があり、夫は追い詰められていました。警察にお世話になるのは今回が初めてで、これからどうなるのかとても不安です。」と大変心配されていました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)
【建造物侵入と窃盗について】
建造物侵入罪とは、刑法第130条に規定があり
正当な理由なしに住居以外の他人の建造物や艦船に入り込む犯罪のことをいいます。
今回のように、窃盗目的で店舗に侵入したり、盗撮目的で施設や店舗に入りトイレにカメラを仕掛けたりしても、建造物侵入罪は成立します。
法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」です。
窃盗罪とは、刑法第235条に規定があり
他人の財物を窃取する(盗む)犯罪のことをいいます。
法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
【弁護活動について】
被害店舗様が示談交渉に応じてくださりましたので、示談交渉を行いました。
その結果、示談が成立し、被害店舗様より「Aさんから謝罪と賠償を受けたためAさんを許す」「検察官にはAさんに対して刑事処分をしないで欲しい」「被害届を取り下げる」などの意向を書面で頂くことができました。
それらを検察官に提出したところ、Aさんは釈放され、不起訴処分となりました。
【窃盗事件における示談について】
窃盗事件における示談とは、被害額の弁償や慰謝料を払うことで、窃盗事件を起こしたことに対して被害者に許してもらう契約のことをさします。
示談を成立させることは窃盗事件の被疑者側にとって、とても大きな意味を持ち、
①窃盗事件で逮捕・勾留中の場合、釈放される可能性が大きくなる
②不起訴となる有利な事情として作用する可能性が高い
③裁判になった場合でも、執行猶予付判決となったり、刑が軽くなる可能性が高くなる
④窃盗事件の当事者間で、今後の民事的紛争が回避できる可能性が高くなる
などのメリットがあります。
しかし、当事者間で直接示談交渉を行うことは、被害者が示談に応じてくれない、感情的になり交渉がとん挫してしまう、などのデメリットがあります。
被害者様との示談交渉は、刑事事件を多数取り扱ってきた弁護士に依頼するのがよいでしょう。
【建造物侵入事件、窃盗事件の法律相談】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、建造物侵入や窃盗などの刑事事件に関する法律相談を無料で承っております。
愛知県内の刑事事件に関するご相談については
フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を承っておりますので、お気軽にお電話ください。
【解決事例】詐欺事件で執行猶予処分を獲得
詐欺事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案の概要】
愛知県半田市在住のAさんは、お金に困っていたところ、SNS上でアルバイト募集の投稿を見かけ、これに応募しました。
その後、担当者を名乗る者から連絡があり、Aさんに対し、「口座を開設して、その口座の通帳とキャッシュカードを指定の住所に郵送すれば、1つの口座につき5000円をお支払いいたします。」と話したため、その話どおりに、Aさんは複数の自己名義の口座を作成し、通帳とキャッシュカードを郵送しました。
しかし、Aさんの作成した口座が特殊詐欺被害金の送金先口座となっていることが判明し、これを契機として、Aさんは詐欺の疑いで愛知県半田警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんのご家族は、「今後の捜査の見通しがわからずとても不安です。娘はどうなるのでしょうか」と相談時お話しされました。
(守秘義務の関係から、一部事実と異なる表記をしています。)
【特殊詐欺に関する事件は厳しい処分が下される傾向にある】
銀行口座は、口座開設者が利用することを前提にしているため、口座開設者以外の者に口座を利用させる目的を隠し、銀行を騙してキャッシュカードや通帳の交付を受けた場合、刑法246条1項の詐欺罪に該当します。
今回の事案では、Aさんは、自分で利用するわけではないのに、そのことを隠して自己名義の口座を作成し、通帳とキャッシュカードの交付を受けているため、詐欺罪が成立すると考えられます。
そして、今回のような特殊詐欺に関する事件については、捜査機関や裁判所は厳しい態度で臨んでおり、近年では、被害額の弁償などが済んでいたケースでも不起訴処分とはならず執行猶予付き判決であったり、場合によっては実刑判決となったケースもあります。
【具体的な弁護活動】
Aさんは捜査の結果、4件の詐欺事件について起訴されることになりました。
裁判において、検察官は特殊詐欺が深刻な社会問題になっていることに鑑みて、実刑判決が相当であると主張しました。
これに対し弁護士が、①Aさんは作成した口座が特殊詐欺に利用されることを知らなかったこと、②計画性を欠くため犯行態様は悪質とはいえないこと、③被害に遭った銀行に対し誠心誠意謝罪していること、④Aさんの父親と姉が今後の監督を約束し、更生するための環境が整っていること、⑤前科・前歴がないことなどを理由に、執行猶予付き判決が相当であると主張しました。
その結果、Aさんは執行猶予付き判決となりました。
【まとめ】
詐欺罪は、罰金刑が定められておらず、起訴された場合は必ず正式な裁判となります。
そして、先に述べたように、特殊詐欺に関する事件は、厳しい処分が下される傾向にあります。
そのため、少しでも刑事処分を軽くしたいと考えた場合、刑事事件に強い弁護士による、適切かつ迅速な弁護活動が重要になります。
具体的な弁護活動として、被害弁償、謝罪文の提出、示談交渉などが挙げられますが、これらの弁護活動を適切に行うことで、不起訴処分の獲得、起訴された場合でも執行猶予付き判決を獲得する可能性が高まります。
お困りの場合は、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
今回の事案のような特殊詐欺に関連する事件も数多く取り扱ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
【裁判紹介】強制わいせつ事件の裁判を紹介
強制わいせつ事件の裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案】
小学校の担任教諭として受け持っていた女児(当時13歳未満)の体を触ったとして強制わいせつ罪に問われた被告人の男に対し、名古屋地裁は、「教師の立場を悪用し、悪質性は際立っている」として、懲役1年(求刑・懲役1年6月)の判決を言い渡した。
事件の目撃者はおらず、女児の証言の信用性が争点となった。弁護側は女児の証言に不自然な点があるなどと主張、無罪を訴えていた。
(読売新聞「教え子の9歳女児の下半身触った元担任教諭に懲役1年の実刑判決…名古屋地裁」(2022/5/10)を引用・参照)。
~13歳未満に対するわいせつ行為~
刑法176条前段は、「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する」と規定しています。
これが、強制わいせつ罪の原則形であり、「わいせつ」行為は、「暴行又は脅迫」を手段として行われる必要があります。
もっとも、同条後段は、「13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする」としており、被害者が「13歳未満」である場合には、「わいせつ」行為それ自体のみで強制わいせつ罪が成立しうる点に注意が必要です。
~強制わいせつ事件における裁判例と弁護活動~
本事案では、被害者である女児の証言の信用性が争点とされましたがその信用性を認め、被告人に実刑判決が下されています。
他方で、13歳未満の年少の被害者の供述の信用性が認められず、無罪となった事例も存在します。
裁判例では、年少者の供述には周囲の影響を受けやすいといった特質があることや、被害者が被害にあったとされる後も被告人とじゃれ合っていたことなどの客観的事情との整合性等から、供述の信用性に疑義があるとされています。
したがって、弁護士としては、被害者が年少者である場合にはその供述の信用性を慎重に吟味する必要があり、特に他の非供述証拠が乏しい場合にはこの点に関する判断が判決の内容を大きく左右することになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、強制わいせつ事件を含む刑事事件を専門的に扱っている法律事務所です。
強制わいせつ事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、24時間対応しているフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお問い合わせください。
【解決事例】覚醒剤取締法違反事件で保釈決定とと執行猶予付き判決獲得
覚醒剤取締法違反事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案の概要】
ご本人様(40代男性)は、愛知県津島市にある自宅で覚醒剤を使用したとして任意同行され、その後愛知県津島警察署に逮捕されました。
奥様は、「夫は20年ほど前に覚醒剤を使用して、執行猶予付きの判決を頂きました。今度こそ私がしっかり夫を見ていきますので、なんとか刑務所に行くのを阻止してくれませんか。」と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【弁護活動】
裁判所に対し、①前回の覚醒剤使用は20年前であり、常習としてとはいえないこと。②事件について反省しており、保釈をしても罪証隠滅の可能性はないこと。③ご本人様が経営する会社が事業拡大しており、保釈をしても逃亡する可能性はないこと。④ご本人様に必要なことは勾留ではなく、薬物更生プログラムを受け構成することである。①~④の理由により、裁判官により裁量保釈が認められるべきである旨主張しました。
また、①再犯のおそれがないこと、②更生のための環境が整っていること、そして ①②の具体的な根拠を主張しました。
その結果、ご本人様には保釈が認められ、裁判官が「懲役刑を科すが、長期間の執行猶予を付し、社会内で更生の機会を与えるのが相当」と判断したことにより、執行猶予判決となりました。
【まとめ】
薬物犯罪では限られた場合(シンナーなど)を除き、罰金刑のみで処罰されることがありません。
執行猶予付き判決をとれるかどうかが、大きな分岐点です。
ですが、薬物の使用で裁判になったとしても、初犯であれば執行猶予付き判決となることがほとんどです。
しかし、薬物犯罪は再犯率が非常に高い犯罪で、薬物犯罪事件で執行猶予判決となり、その執行猶予期間中に再度薬物犯罪事件を起こした場合には、ほぼ確実に実刑判決(執行猶予がつかない判決)となります。
今回の事例のように、執行猶予期間満了後の再犯については、執行猶予期間が満了してからどの程度の期間がたっているかによって執行猶予付き判決となるかが変わってきます。
概ね前回の判決から10年以上経過していれば、執行猶予付き判決を目指していくことも可能です。
ですが、裁判所に対し、執行猶予付き判決とすることが相当であると判断されるには、適切かつ効果的な弁護活動を行わなければなりません。
裁判所や検察庁への主張・申立ては、刑事事件、薬物事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。
このコラムをご覧の方で、家族やご自身が薬物事件を再び起こしてしまったが、執行猶予付き判決を目指したい、という方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、薬物事件に関するご相談を
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