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警察署の金庫から現金を盗む 窃盗罪で警察官が起訴

2023-08-18

警察署の金庫から現金を盗んだ警察官が 窃盗罪で起訴された事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

ニュース記事8月4日配信の時事通信社の記事を引用

今年2月から3月にかけて、愛知県一宮警察署の金庫に保管されていた現金を複数回に分けて、合計94万円を盗んだとして、愛知県一宮警察署の元警察官(懲戒免職)が、窃盗罪起訴されるという、にわかに信じがたい事件が報道されました。
そこで本日のコラムでは、この事件を解説します。

窃盗罪

窃盗罪は刑法第235条に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められている犯罪で、数ある刑法犯犯罪の中でも、皆さんが最も身近に感じる犯罪の一つではないでしょうか。
一言に「窃盗罪」と言いましても、万引きや自転車盗など比較的、被害額が少額な軽微とされる事件から、他人の家などに入って現金などを盗む、いわゆる「侵入窃盗」と言われる、重大とされる事件まで、非常に幅が広くあり、最終的にどういった刑事罰が科せられるかは、犯行態様と、被害額等が大きく影響します。
今回のように、現職の警察官が、警察署内の金庫から現金を盗み出すという窃盗事件は、金庫が警察署のどういった場所にあり、その金庫のある場所に、逮捕された警察官が業務として通常立ち入っていたかによりますが、窃盗罪だけでなく建造物侵入罪にも問われる可能性があるでしょう。
もしそうなった場合は、窃盗罪の中でも悪質と評価されている侵入窃盗事件となるので、非常に厳しい刑事罰が予想されるでしょう。

窃盗罪の弁護活動

窃盗事件を起こしてしまった方の刑事弁護活動において、その事実を認めている場合は、被害者との示談が、最も有効的だとされています。
示談とは、被害者に対して謝罪した上で、賠償を行い示談書を作成することです。
そしてその示談書の内容によっては、起訴を免れたり(不起訴)執行猶予を獲得できたりする場合があるのです。
報道によりますと、今回の事件で逮捕された元警察官が盗んだのは、警察署で取り扱った変死事案で亡くなった方の遺品で、市に引き渡すまで一時的に警察署で保管していた現金のようです。
警察署のものではありませんが、警察署が占有、管理していたものになるので、この窃盗事件の被害者は、愛知県一宮警察署署長となるでしょう。
その場合は、警察署長が示談に応じてくれるとは、とうてい考えられないので、今後の刑事裁判では、情状に訴えた弁護活動を行い、処分の軽減を求める必要があるでしょう。

窃盗罪の弁護活動に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
窃盗事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)にてご相談の予約を受け付けております。

職務質問から逃れよう人身事故 過失運転致傷罪で逮捕

2023-08-15

職務質問から逃れようとして人身事故を起こした大学生が過失運転致傷罪で逮捕された事件を参考に、職務質問について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

参考事件(8月8日配信のメーテレ記事より引用

 

警察官の職務質問から車を運転して逃れようとして、人身事故を起こした大学生が、過失運転致傷罪で警察に逮捕されました。
警察の発表によりますと、警察は、事故の直前に逮捕された大学生に職務質問しようとしており、大学生は、この職務質問から逃れる際に、信号のない交差点で、50代の大生の運転する軽四自動車と衝突する人身事故を起こしたようです。

本日のコラムでは、この事件を参考に職務質問について解説します。

職務質問

逮捕や家宅捜索(捜索差押)等の強制捜査とは異なり、道を歩いている際に、唐突に警察官から質問をされる職務質問は、警察官が街の治安維持などのために行う任意捜査の一つです。
職務質問はあくまで任意捜査であるので、職務質問に応じる義務はなく、応じるか応じないかはあなた次第です。
しかしながら、職務質問は警察官職務執行法という法律に基づいて行われるものであり、「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者…を停止させて質問することができる」と規定されています。
つまり、警察官は、誰にでも手当たり次第に職務質問できるわけではなく、警察官自身が「この人何かおかしいぞ」、「何か隠しているんじゃないか」と思った場合は、質問することができるとされています。
そのため、警察官からの職務質問に対して、何もやましいことがないのに「任意なんですよね?なら答えません」と拒否することは、逆に警察官に不信感を与え、余計に職務質問を長引かせたり、果ては警察官の応援を呼ばれて、実質的に長時間拘束されることになりかねないので、あまりお勧めする事はできません。
また拒否したからといって、警察官からすれば、簡単に職務質問を諦めていては本当に危険な事案を見逃す可能性がありますから、職務質問に応じるよう執拗に説得を行ってくる場合があり、その押し問答の過程で、警察官に暴行を加えたと判断されると、公務執行妨害罪で現行犯逮捕されることもあり得ますので、事情があって職務質問を拒否する場合も、細心の注意を払わなければいけません。

違法な職務質問を受けた場合は

職務質問はあくまでも任意の範囲内で許されており、警察官が職務質問を継続するために有形力を行使することは基本的に違法とされています。
しかし現実は、職務質問の際に、移動できないように複数の警察官に取り囲まれて行動を制限されたり、同意していないにも関わらず所持品検査されたりと、とても任意とは言えない、強制とも言える職務質問や所持品検査によって犯罪が発覚し逮捕されるケースがあるようです。
その後の裁判で違法性が認められると、無罪判決がくだる場合もありますが、全てのケースで無罪判決が下されるわけではないので、違法な職務質問によって犯罪が発覚してしまった場合は、職務質問の適法性について弁護士に相談することをお勧めします。

まずは弁護士に相談を

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職務質問に限らず、刑事事件についてお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
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【ニュース紹介】愛知県東浦町で起きた侵入窃盗事件

2023-08-12

今回は、愛知県東浦町で起きた侵入窃盗事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

ニュース記事6月28日配信の産経新聞の記事を引用

今年4月7日、愛知県東浦町の男性会社員宅に侵入し、トレーディングカード約3万3000枚(計約3800万円相当)を窃盗した男らが住居侵入窃盗の容疑で愛知県警に逮捕されました。

本日はこちらのニュースを参考に侵入窃盗事件について解説します。

侵入窃盗事件とは

人の家やお店などに不法侵入し、そこで窃盗すると、住居侵入や、建造物侵入の罪と、窃盗の罪の両方にとわれます。

まず住居侵入や建造物侵入罪については、刑法第130条に「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、(中略)、3年以下の懲役又は10年以下の罰金に処する」と定められており、簡単に言うと、他人の家やお店等に不法侵入することで成立する犯罪です。
住居侵入罪や建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役又は10年以下の罰金」ですので、有罪が確定すると、この法定刑で刑事罰が科せられます。

続いて窃盗罪については、刑法第235条に「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められており、簡単に言うと、人のものを盗むことで成立する犯罪です。
窃盗罪の客体となる「他人の財物」とは、他人が占有する他人の所有物を意味します。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですので、有罪が確定すると、この法定刑で刑事罰が科せられます。

侵入窃盗は、住居侵入や、建造物侵入の罪と、窃盗の罪の両方に抵触しており、このように数個の犯罪が、手段と目的の関係にある場合を牽連犯といいます。
牽連犯の場合、刑を科する上で一罪として扱われ、その数個の罪のうち、最も重い罪の法定刑によって処断されるので、侵入窃盗の場合は、窃盗罪の法定刑が適用されます。
ただ窃盗罪の中でも侵入窃盗は、悪質な類の事件とされているので、初犯であっても、被害額が高額に及ぶ場合や、余罪が複数ある場合などは実刑判決となる可能性があるので注意が必要です。

侵入窃盗事件の弁護活動

侵入窃盗事件を起こして逮捕された方について、少しでも軽い刑事罰を望むのであれば、被害者との示談が必至となります。
参考事件のように被害額が大きい場合、強い非難が寄せられることが考えらます。
特に、参考事件の被害品とされるトレーディングカードの中にはプレミアムがついたり希少価値が高く、その価格が高騰しているものがあったりすることから、示談交渉が難航する可能性があるので、まずは刑事事件に詳しい弁護士の接見を受け、アドバイスを受けることをお勧めします。

刑事事件に強い弁護士

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電車内の痴漢で逮捕!!不同意わいせつ罪が適用

2023-08-09

電車内の痴漢で、不同意わいせつ罪が適用された逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

痴漢で逮捕

会社員のAさんは通勤で利用している地下鉄内で、隣に座っていた若い女性の太ももを触ったとして、被害者に捕まり、その後通報で駆け付けた愛知県中村警察署の警察官に不同意わいせつ罪逮捕されました。
Aさんには、10年以上前に同じような痴漢行為で警察に検挙された際は、迷惑防止条例違反で略式命令による罰金刑を支払った前科があるのですが、Aさんは、その時と適用された罪名が異なることに不安を覚えています。
Aさんの逮捕を知った家族は、痴漢事件の弁護活動に強い弁護士を探しているようです。
(フィクションです。)

痴漢行為が不同意わいせつ罪に

先月、改正刑法が施行されて、これまで強制わいせつ罪とされていた罪名が、不同意わいせつ罪となり、規制行為も拡大されています。
この改正にともなって、これまで迷惑防止条例違反の適用を受けていた痴漢行為についても、不同意わいせつ罪の適用を受ける可能性が非常に高くなりました。
不同意わいせつ罪が適用されることによって、その後に科せられる刑事罰が重くなる可能性があり、その法定刑は「6月以上10年以下の懲役」と非常に厳しいものです。
罰金刑の規定がないために、不同意わいせつ罪で起訴されるということは、公判請求されることをで、これは公の刑事裁判で裁きを受けること意味します。

不同意わいせつ罪とは

相手が同意しない意思を形成、表明、全うすることが難しい状態で、わいせつな行為に及べば不同意わいせつ罪が成立します。
これまでの強制わいせつ罪は、相手が13歳以上の場合、暴行や脅迫によってわいせつな行為に及んでいた場合に成立していましたが、不同意わいせつ罪は、わいせつ行為に及ぶ際に暴行や脅迫といった手段は必要とされず、簡単に言うと、わいせつ行為に対して相手の同意があったかどうかだけによって犯罪の成立が判断されるのです。
参考事件のような、電車内での痴漢行為については、当然、被害者である女性の同意を得ているはずがないので、不同意わいせつ罪が成立することになるでしょう。

不同意わいせつ罪で逮捕されたら

これまで痴漢行為に適用されていた迷惑防止条例は、刑事事件の中でも比較的軽い犯罪に分類されていますが、不同意わいせつ罪は、どちらかというと重い犯罪に分類されます。
それ故に逮捕されるリスクも高く、逮捕後に勾留が決定してしまう可能性も十分に考えられます。
逮捕直後に、こういった刑事事件に精通している弁護士からアドバイスを受けることで、逮捕された方の不利益を最小限にとどめることができるので、まずは、逮捕されてしまった方のもとに弁護士を派遣することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕された方のもとに弁護士を派遣する 初回接見サービス について、お電話でご予約いただくことができ、即日対応が可能ですので、ご家族等が痴漢で逮捕された際は、是非、ご利用ください。

【ニュース紹介】肉の無人販売店から精算機などを窃取した疑いで男性3人が逮捕

2023-08-06

肉の無人販売店から精算機などを盗んだ疑いで、窃盗グループとみられる男性らが逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

参考事件

愛知県を中心に相次いでいた肉の無人販売店での窃盗事件で、男3人が逮捕されました。

(中略)

逮捕されたのは、愛知県東海市の21歳男性被疑者ら窃盗グループとみられる男3人です。肉の無人販売店から精算機や商品の牛肉9点、計81万円相当を盗んだ疑いが持たれています。

フードなどで顔を隠して犯行に及んでいた3人ですが、逮捕の決め手となったのは、防犯カメラに映っていた2台の車でした。

3人のうち2人は、岐阜市内のコインランドリーで精算機を壊して現金を盗んだ疑いで6月に既に逮捕されていて、その際に警察は車を押収されていました。
同じ車が今回の犯行にも使われていたことから逮捕に至りました。

警察は認否を明らかにしていませんが、今年3月以降、愛知県を中心に肉の無人販売店やコインランドリーが狙われる窃盗事件が100件ほど相次いでいて、3人が関与しているとみて調べています。
7月22日 「決め手は映っていた“2台の車”…肉の無人販売店に侵入し精算機等盗んだ疑い 男3人逮捕 余罪100件程か」より引用 ※氏名等の個人情報は秘匿しています)

逮捕された場合

逮捕・勾留されると、捜査段階において最長23日間、自由に外に出られなくなります。
会社員であれば無断欠勤を、学生であれば無断欠席を続けることになりますが、当然ながら会社を解雇されたり、学校を留年するなどの大きな不利益を被る可能性が高まります。

多数の余罪が疑われる場合の捜査

ケースの事件では、愛知県を中心に相次いでいる窃盗事件に3人が関与しているとみられており、このような場合は、当然ながら余罪についても追及されることになります。
また、今回の逮捕とは異なる被疑事実(別の日時、別の場所での窃盗事件など)により逮捕が繰り返され、身体拘束が長期化する可能性も高いです。
さらに、捜査の結果、被害額が高額であると判断されれば、初犯であっても、起訴された際に実刑判決を受け、刑務所に入らなくてはならなくなる事態も想定されます。

このようなケースでは、早期に弁護活動を依頼し、事件の初期段階から弁護士のサポートを受ける必要性が高いでしょう。

愛知県の刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が窃盗の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【ニュース事例】愛知県津島市の死体遺棄事件

2023-08-03

今回は、愛知県津島市にある住宅物置から2人の遺体が発見された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

参考事件

愛知県津島市にある住宅の物置から2人の遺体が見つかりました。警察は死体遺棄事件として捜査しています。
7月26日午後4時半ごろ、津島市の住宅を訪れた解体作業員が、敷地内にある物置から1人の遺体を見つけました。
駆け付けた警察が調べたところ、さらに1人の遺体が見つかったということです。遺体はどちらも物置から見つかりました。腐敗が進んでいて、年齢や性別は不明ですが、成人とみられるということです。
この住宅は今後取り壊される予定で、遺体の発見当時、解体業者が敷地内を訪れていました。
7月27日 「住宅物置から2人の遺体 死体遺棄事件として捜査 愛知・津島市」より引用)

死体遺棄事件の捜査

死体遺棄罪の法定刑は「三年以下の懲役」(刑法第190条)であり、軽いわけではありませんが、刑法典の中では、それほど重い罪というこわけでもありません。
ただし、罰金刑の規定がないので、死体遺棄罪で有罪判決が確定した場合は、執行猶予を得ることができなければ、刑務所に服役しなければなりません。

もっとも、ケースの事件では、成人とみられる2人の遺体が物置から発見されるなど、遺体はかなり不自然な死を遂げたことが予想されます。
捜査機関は、死因を特定し、殺人事件についても視野に入れて捜査を行うでしょう。

このような事例では、死体遺棄行為に関わったとみられる被疑者が見つかれば、被疑者を逮捕し、遺体を遺棄するに至った経過だけでなく、死亡の原因を厳しく追及します。
そして殺人罪で立件できるだけの証拠が集まれば、逮捕状を得て、殺人罪傷害致死罪等で再逮捕するでしょう。
死体遺棄罪だけであれば執行猶予を獲得できる可能性もありますが、殺人罪や傷害致死罪でも起訴されれば、前科がなくても実刑判決を受ける可能性が極めて高いといえます。

もとより身体拘束の長期化が見込まれる上に、殺人などの重大事件の被疑者ともなれば、被疑者としての負担も大きくなるため、弁護士による積極的なサポートを受ける必要性が高い事件となる可能性が考えられます。

ケースの事例では、死体遺棄行為に関わった人物は検挙されておらず、死因についても明らかではありません。
しかしながら、検挙される前であっても、秘密厳守の環境で刑事事件専門の弁護士と相談できる機会はあります。
事件に関して心当たりのある場合は、検挙される前にどのような弁護活動ができるかについて、あらかじめ弁護士と相談し、刑事事件化に備えることも視野に入れる必要があるでしょう。

刑事事件に強い弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
死体遺棄事件に関してお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【ニュース紹介】展覧会で展示品を壊した疑いで逮捕された男性が不起訴

2023-07-31

今回は、愛知県美術館で開かれた展覧会で展示品を壊した疑いで逮捕された男性が不起訴処分とされた事例につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

今年2月、愛知県美術館で開催された岡本太郎さんの展覧会で、太陽の塔の作品を壊したとして逮捕された男性について、名古屋地検は不起訴処分としました。

名古屋市昭和区の46歳の男性は今年2月、愛知県美術館で開催されていた「展覧会岡本太郎」に展示されていた50分の1サイズの「太陽の塔」の作品を壊した器物損壊の疑いで逮捕されました。
太陽の塔の作品には3センチほどの亀裂が入っていましたが、男性は警察の調べに「覚えがありません」と容疑を否認していました。

名古屋地検は4月14日付で、男性について不起訴処分としました。処分の理由は明らかにされていません。
(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/446429?display=1 4月20日 「岡本太郎展で「太陽の塔」を壊した疑いで逮捕された男性を、名古屋地検が不起訴処分」より引用)

【不起訴処分とは?】

不起訴処分とは、検察官が被疑者を裁判にかけないものとする処分です。
名古屋地検は不起訴処分の理由を明らかにしていませんが、一般論として、
①捜査によって収集された証拠が不十分である場合(嫌疑不十分)、
②被疑者の反省の態度、被害弁償の状況などを考慮して、起訴を見送る場合(起訴猶予)、
③被疑者が犯罪時心神喪失であった場合(心神喪失)
などに不起訴処分がなされます。

不起訴処分がなされた場合は、裁判にかけられずにすむため、前科がつくことなく事件が終了します。
そのため、不起訴処分の獲得を目指した弁護活動は、捜査段階における刑事弁護の一つとして非常に重要なものとなります。

また、器物損壊事件は親告罪とされており、被害者の告訴がない場合や、起訴されるまでに取り消された場合には、起訴されないことになっています(刑法第264条)。
したがって、検察官が起訴、不起訴の別を判断するまでに示談交渉を行い、告訴をしないことを約束してもらえた場合、告訴がなされていた場合であっても、取り消してもらうことができた場合には、やはり不起訴処分となります。

器物損壊事件を起こしてしまった場合には、まず刑事事件に詳しい弁護士と相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
ご家族が器物損壊事件を起こして逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)にてご相談の予約を受け付けております。

【ニュース紹介】のぼり旗に火をつけた疑いで逮捕された男性が不起訴処分に

2023-07-28

今回は、のぼり旗に火をつけた疑いで逮捕された男性が、不起訴処分となった事例につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

去年12月、名古屋市守山区の消防団の詰所で、のぼり旗に火をつけた疑いで逮捕された男性を、名古屋地検は不起訴処分としました。
不起訴処分となったのは、守山区の無職の男性(38)です。

男性は去年12月20日、守山消防団詰所の駐車場にあった「火の用心」と書かれた、のぼり旗1本に火をつけた器物損害の疑いで警察に逮捕されていました。
当時の警察の調べに対し、男性は「間違いないと思います」と容疑を認めていたということです。

名古屋地検は不起訴の理由を明らかにしていません
(https://www.nagoyatv.com/news/?id=018062 3月31日 「「火の用心」の、のぼり旗に火をつけた疑いで逮捕の男性を不起訴 名古屋地検」より引用)

【不起訴処分とは?】

不起訴処分とは、検察官が被疑者を裁判にかけないものとする処分をいいます。
不起訴処分がなされた場合は、前述の通り裁判にかけられないため、有罪判決を受けることはありません。
刑罰を受けずにすむのはもちろん、前科もつかずにすみます。

法務省事件事務規程第75条2項によれば、不起訴処分には20種類が存在します。
よくみられる不起訴処分の区分として、
・「起訴猶予処分」(被疑事実が明白であるが訴追を必要としない場合)、
・「嫌疑不十分」(被疑事実につき、犯罪の成立を認定すべき証拠が不十分である場合)、
・「嫌疑なし」(被疑事実につき、被疑者がその行為者でないことが明白なとき、又は犯罪の成否を認定すべき証拠のないことが明白な場合)
・「心神喪失」(被疑者が犯罪時心神喪失であった場合)
などが挙げられます。

また、報道記事の男性は器物損壊の疑いで逮捕されていますが、器物損壊事件は親告罪であり(刑法第264条)、告訴がなければ起訴することができません。
器物損壊事件につき告訴がなかったときや無効であるとき、取り消された場合においては、事件事務規程第75条2項5号により、不起訴処分がなされることになります。

ケースの男性について不起訴処分がなされた理由は明らかではありませんが、不起訴処分の獲得を目指した弁護活動は非常に重要なものです。
逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後の弁護活動についてアドバイスを受けましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
不起訴処分の獲得に関してご相談をご希望の方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
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【ニュース紹介】スーパーで商品を万引き後、警備員を傘で殴った疑いで緊急逮捕

2023-07-25

今回は、名古屋市西区のスーパーで商品を万引き後、声をかけてきた警備員を傘で殴った疑いで69歳女性が逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。

【ケース】

12日午後、名古屋市西区のスーパーで万引きをし、声をかけてきた警備員を傘で殴って逃げたとして69歳の女が逮捕されました。
逮捕されたのは名古屋市西区の69歳女性被疑者です。

女性被疑者は12日午後3時ごろ、名古屋市西区中小田井2丁目のスーパー「平和堂中小田井店」でヨーグルトなどの食料品6点を万引きしたうえ、声をかけられた女性警備員(70)の顔を持っていた傘で複数回殴った疑いが持たれています。

女性警備員にケガはありませんでした。

女性被疑者は犯行後、徒歩で逃走していて、通報を受け駆け付けた警察官が付近の別の店舗で女性被疑者を発見し、緊急逮捕しました。
女性被疑者は調べに対し「盗んでいない。傘で叩いていない」と容疑を否認しています。
(https://news.yahoo.co.jp/articles/98b84c74889c21f7edec561fa0c62c215f73a2b6 4月13日 「スーパーで食料品6点万引き…声かけた警備員の顔を傘で複数回殴って逃走か 69歳女を緊急逮捕 容疑否認」より ※氏名等の個人情報は秘匿しています)

【ケースの事件について】

ケースの事件については被疑罪名が記載されていないため、一般論にとどまりますが、万引き事件が事後強盗事件に発展する場合もあります。
ケースのように、万引きをした後、声をかけてきた店員や警備員などに暴行・脅迫をする行為が典型例です。

※刑法
(事後強盗)
第二百三十八条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

事後強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役とされていますが、窃盗罪と異なり罰金刑が予定されていません。
有罪判決を受け、刑の減軽もなされない場合においては、最低でも5年の懲役を言い渡されることになります。
また、この場合は執行猶予がつくこともないため(刑法第25条)、実刑判決となります。

万引きをした後に店員や警備員に暴力をふるっただけ、と軽くとらえることは禁物です。
事後強盗の疑いで逮捕された場合には、すぐに弁護士の接見を受け、今後の弁護活動に関してアドバイスを受けましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
事後強盗事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、フリーダイヤル0120-631-881(24時間、年中無休)にてご相談の予約を受け付けております。

【事例解説】ポイントの不正取得は電子計算機使用詐欺罪が成立する?

2023-07-22

ポイントを貯めてお得に買物をする人が増えていますが、ポイントを不正に取得してしまうと、電子計算機使用詐欺罪が成立して刑事事件になってしまう危険性があります。
今回は、ポイントの不正取得により電子計算機使用詐欺罪が成立した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

【事例】

東京都新宿区に在住の女性A(33)が、同区内にある店のレジにあったQRコードを写真で撮り、スマートフォンで何度も読み取って不正に約3万円相当のポイントを取得していたとして、電子計算機使用詐欺罪の疑いで警視庁新宿警察署から任意の取調べを受けました。
同店では、1500円以上の買い物をした特典として、QRコードを読み取らせて商品を購入できるポイントを還元するキャンペーンを行っていました。
新宿警察署からの取調べに対し、Aは「QRコードの写真を撮れば何度でも読み取れることがわかって犯行に及んだ」と容疑を認めています。
(※2023年3月13日掲載の「Yahoo!ニュース」記事を一部変更したフィクションです。)

【電子計算機使用詐欺罪とは】

電子計算機使用詐欺罪は、刑法第246条に規定されている詐欺罪の補充規定として作られました。
詐欺罪は「人を騙して不法な利益を得る行為」を処罰することに対して、電子計算機使用詐欺罪は「コンピューターなどの電子計算機を騙して不法な利益を得る行為」を処罰します。

電子計算機使用詐欺罪については、刑法第246条の2で規定されています。

刑法第246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。

電子計算機使用詐欺罪は、人が事務処理で使用するコンピューターやシステム等の電子計算機に対して、PCやスマートフォンを操作して虚偽の情報や本来与えられない指令を与えて嘘の記録を作成させたり(=不実の電磁的記録の作出)、虚偽の情報を機会に読み取らせたり(=虚偽の電磁的記録の供用)して、不法に財産上の利益を得ることで成立します。
「虚偽の情報」とは、判例で「電子計算機を使用する当該事務処理システムにおいて予定されている事務処理の目的に照らし、その内容が真実に反する情報」と定義付けられています。(東京高裁平成5年6月29日)
今回の事例で考えると、本来は1500円以上の買い物をした特典としてQRコードを読み取ってポイントを取得できるシステムだったことに対し、Aは1500円以上の買い物をせずに写真を撮ったQRコードを何度も読み取ってポイントを取得しています。
つまり、Aの行為はQRコードに対して「真実に反する情報」を与えてポイントを取得しているため、電子計算機使用詐欺罪が成立するということになります。

【電子計算機使用詐欺罪の刑事弁護活動】

今回の事例では、Aは新宿警察署で任意の取調べを受けた後に検察庁に送致され、検察官から取調べを受けることになりました。
検察官が取調べをして起訴すべきだと判断されると、裁判にかけられて実刑判決を下されたり前科が付いてしまったりと今後の人生に大きく影響されます。

そこで、Aは検察官からの取調べを受ける前に、刑事事件を専門としている弁護士に刑事弁護活動を依頼しました。
弁護士に刑事弁護活動を依頼することで、検察官からの取調べに対するアドバイスや依頼者に代わって被害者との示談交渉など、起訴を免れるための弁護活動を行って依頼者を全面的にサポートします。
また、万が一起訴されてしまった場合でも、執行猶予の獲得や少しでも軽い量刑にするための弁護活動に尽力します。
なので、ポイントを不正取得してしまって電子計算機使用詐欺罪による刑事事件を起こしてしまった際は、なるべく早く弁護士に刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件を起こして不安な方へ向けた初回無料の法律相談や家族が逮捕されてしまった方へ向けた初回接見サービスを提供している刑事事件専門の法律事務所です。
電子計算機使用詐欺罪はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績のある弁護士が多数在籍しているので、刑事事件でお困りの方は、ぜひ24時間受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

 

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