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【解決事例】覚醒剤取締法違反事件で保釈許可を獲得した事例
覚醒剤取締法違反事件で、保釈許可を獲得した事例につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
Aさんは愛知県弥富市にある自宅で覚せい剤を使用したとして、愛知県蟹江警察署で逮捕、勾留され既に起訴をされていました。
Aさんのお子さんは「父の母、つまり祖母は末期のがんでもう明日を迎えられるのかわかりません。父には祖母の看病をしてもらい、祖母を家族皆で看取りたいと思っているので、保釈の請求をして欲しいです。」と相談時にお話しされました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【保釈とはどのようなことですか?】
保釈とは、一定額の保証金の納付を条件として、勾留の執行を停止し、拘禁状態から開放する制度のことです。
保釈は、勾留された被疑者が起訴されて、被告人勾留に切り替わった後に請求することができる制度ですので、逮捕後で勾留前、起訴前の勾留中には、保釈制度はありません。
しかし、保釈とは申請したからといって必ず認められるものではなく、裁判所の裁量によって保釈の可否が判断されます。
保釈の種類としては
①権利保釈
②裁量保釈・職権保釈
③不当に長い拘禁と勾留の取消し保釈
等がありますが、詳細は刑事事件に強い弁護士にぜひお尋ねください。
保釈を認めてもらうために大切なことは
①証拠隠滅する危険がないこと
②逃亡の危険がないこと
③被害者や事件関係者及びその親族等に接触する危険がないこと
④被告人を監督する身元引受人の存在
を適切に裁判所に提示することがとても大切です。
なお、保釈保証金は最低でも150万円~200万円程度といわれていますが、事件の性質や情状、被告人の経済状態などを考慮して決定されますので、上限はありません。
保釈保証金は、被告人の逃亡を防止し、裁判への出頭を確保するためのものという性質から、保釈が取り消されて没収されることがなければ、裁判終了後に返還されます。
【弁護活動について】
裁判所に対し、保釈をしても証拠隠滅や逃亡の危険はない、被害者様との接触は家族がAさんの行動を見張り、絶対にさせない、Aさんの妻がAさんをしっかり監督する、などを主張したところ、Aさんに保釈が認められ、Aさんは自宅に帰り、家族の看病をすることができました。
また、裁判所に対し、Aさんには前科前歴がないこと、反省しており、薬物依存の傾向もないこと、強い更生の意欲があること、Aさんの妻がこれからもしっかりとAさんを監督してくことなどを主張したところ、Aさんは執行猶予付き判決となりました。
保釈決定や執行猶予付き判決を得るための、裁判所への主張・申立ては、法律の専門家である弁護士に任せましょう。
覚醒剤取締法違反事件、薬物事件で家族が勾留されているが、保釈をして欲しいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部までご相談ください。
事件について詳細に確認をとったうえで、今後の見通しについてご説明致します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、覚醒剤取締法違反事件、薬物事件に関するご相談を
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を受け付けております。
捜索手続の適法性が注目された事例を解説
今回は、過去の判例をもとに、捜索手続の適法性が争われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【ケース】
現在、名古屋市南区のAさんの自宅において、Aさんが違法薬物であるMDMAを譲り受け、これを所持、使用した疑いで愛知県南警察署の捜索が行われています。
当日の午前8時頃に捜索差押許可状が呈示され、捜索手続が開始されましたが、同日午前11時頃、Aさんの自宅に宅配便が届きました。
荷物は小包のようです。
警察官らは「今回の捜索差押許可状の効力により小包を開封し中を調べる」として同小包を開封したところ、MDMA様の錠剤が発見されました。
後に前記錠剤はMDMAであることが判明したため、警察官らはMDMAを譲り受けた疑いでAさんを逮捕しました。
Aさんは捜索開始の後に届いた荷物が開封され、中身を調べられたことに不満を抱いており、法律上適正な捜索であったのか疑問に感じています。
(最高裁平成19年2月8日決定をもとにしたフィクションです)
【捜索差押許可状とは】
警察官などの捜査機関が被疑者または関係各所を強制的に捜索できることはよく知られていることでしょう。
この場合、関係者が拒絶したとしても、令状による捜索・差押は拒否することができません。
ただし、強制的な捜索・差押を行うためには、原則として、その処分を受ける者に対し、捜索差押許可状が呈示されなければなりません(刑事訴訟法第222条1項・第110条)。
通常、令状を呈示して捜索差押に着手した後、捜査に必要な捜索・差押を行い、捜索差押手続が終了しますが、ケースの場合、捜査官らは令状呈示後に配達された小包の捜索・差押えを行っています。
Aさんはこのような順序の手続であったことに不満、疑問を感じているようです。
【ケースのモデルになった事件についての見解】
※最高裁平成19年2月8日決定要旨
「警察官が,被告人に対する覚せい剤取締法違反被疑事件につき,捜索場所を被告人方居室等,差し押さえるべき物を覚せい剤等とする捜索差押許可状に基づき,被告人立会いの下に上記居室を捜索中,宅配便の配達員によって被告人あてに配達され,被告人が受領した荷物について,警察官において,これを開封したところ,中から覚せい剤が発見されたため,被告人を覚せい剤所持罪で現行犯逮捕し,逮捕の現場で上記覚せい剤を差し押さえたというのである。所論は,上記許可状の効力は令状呈示後に搬入された物品には及ばない旨主張するが,警察官は,このような荷物についても上記許可状に基づき捜索できるものと解するのが相当である」
前記最高裁決定には明確な理由付けがなされていませんが、前記判例によれば、ケースのような捜索・差押手続も適法とされる可能性が高いでしょう。
刑事手続の適法性が争われる、あるいは、争いうるケースは、捜索手続に関連する事件以外にも多々あります。
既存の判例のみでは説明しきれないケースもあるかもしれません。
新しい問題点が争われ、判断がなされた場合には、新規の判例となることもあります。
ただし、このようなケースに対処するためには、刑事事件に関する高度な法律的知識を要します。
捜索・差押手続の適法性に疑問を抱いた場合は、刑事事件に詳しい弁護士と相談し、今後の対策についてアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
捜索・差押手続の適法性に疑問を感じ、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
大麻の使用と出頭について
大麻の使用と出頭について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
新城市に住むAさんは、知人のBさん(同市在住)に勧められたのをきっかけに大麻を使用していました。
ある日、Bさんは、新城市内にて自家用車で物損事故を起こしてしまい、その際に駆けつけた愛知県警察新城警察署の警察官によって、車内にある乾燥大麻が発見されました。その後、Bさんは警察官による簡易鑑定で陽性反応が出たため、大麻取締法違反(大麻所持)の疑いで現行犯逮捕されました。
急にBさんとの連絡が取れなくなったことを不安に思っていたAさんですが、数日後、報道でBさんが大麻取締法違反の疑いで現行犯逮捕されたことを知りました。
実はBさんとの関係を断ち、大麻の使用もやめたいと考えていたAさんは、これを機会に警察署に出頭しようと考えはじめ、弁護士に相談することにしました。
(※フィクションです)
【大麻使用は犯罪ではない?】
大麻取締法は、大麻の取り扱いの免許を所持している者や大麻の研究をしている者が、目的外で使用することを禁じている一方で、一般人については所持について罰則規定があるのみで、自己使用についてはありません。
大麻取締法
第三条
1 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
2 この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の目的に使用してはならない。
第二十四条の二
1 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。
2,3(略)
第二十四条の三
次の各号の一に該当する者は、五年以下の懲役に処する。
一 第三条第一項又は第二項の規定に違反して、大麻を使用した者
とすると、今回のケースのAさんには、犯罪が成立しないとも思われます。
しかし、大麻を使用する場合、大麻を一度所持することが通常で、「使用はしたが所持はしていない」ということは、たいていの場合あり得ません。
したがって、今回のケースのAさんでも、その後の捜査によって所持の事実が裏付けられれば、大麻所持の疑いで逮捕・取調べ等を受けることが十分に考えらえられます。
【自首と出頭の違いは?】
自首とは、犯人が自ら犯した罪が発覚する前に、自発的に捜査機関に名乗り出ることをいい、刑法第42条1項によって、任意的な刑の減軽がなされることが定められています。
刑法
第四十二条
1 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
一方、出頭とは、明確な定義のある法律用語ではなく、一般的に自ら警察署などの公的な場所に出向くことをいいますが、自首と区別して、事件自体が発覚していて、犯人の特定ができている状態で警察に出向くことを指す場合もあります。
今回のケースでは、逮捕後の捜査で、Bさんのスマートフォンは押収され、Aさんとのやり取りを含めた、大麻の取引履歴などが解析により明らかになると考えられます。
そのため、新城警察署が既にAさんの事件について、警察署は既に把握しているものと考えられますから、今回のAさんの場合は、自首ではなく出頭にあたる可能性が高いと思われます。
【出頭のメリットとは?】
出頭は、自首とは異なり、法律による任意的な刑の減軽は定められていません。
しかし、出頭することによって、証拠隠滅や逃亡のおそれが低いとみなされ、逮捕や勾留がされない場合があります。
もっとも、自ら出頭した場合でも身柄拘束のリスクはあるため、出頭時に予め家族の監視監督を誓約した上申書や在宅捜査を求める弁護人の意見書を提出することで、身柄拘束のリスクを下げることができます。
自首もしくは出頭をすることを考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部へご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
新城市で大麻所持などの事件を起こし出頭を検討している方の対応も数多く行ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
【裁判紹介】覚醒剤取締法違反事件の裁判例
覚醒剤取締法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案】
覚醒剤を使用したとして覚醒剤取締法違反の罪に問われた男性に対し、名古屋地裁は、「採尿前に警察官が、被告に提供した飲料に覚醒剤を混入させた疑いを排除できない」として、無罪を言い渡した。
判決では、警察官が逮捕後に勾留中の被告へ現金を渡していたとも認め「捜査が不正に行われた疑いを強く推認させる」とした。
他にも判決によると、被告人は、愛知県東海市の自宅近くで逮捕された後、取り調べ中に警察官からコップに入ったお茶や水を提供され、数十杯飲んだ。
警察官は薬物捜査に従事しており、この際に覚醒剤を飲料に入れた可能性があるとした。
被告人は、公判では一貫して起訴内容を否認していた。
(日本経済新聞「「警官が覚醒剤混入疑い」名古屋地裁が無罪判決」(2021/3/19)を引用・参照)。
【覚醒剤取締法違反事件における裁判例と弁護活動】
覚醒剤事犯を中心とした薬物事件では、(その検挙の困難さも一因となって)違法捜査が行われることも少なくないといわれています。
本事案などは、捜査の違法性の程度が大きく有罪を導くための証拠に証拠能力を認めず、無罪判決を下したものと考えられます。
他方で、覚醒剤事犯においては、捜査官による違法捜査などがない場合にも、被告人が多重人格であり心神耗弱状態(刑法39条2項)であったなど責任能力の低下を認定し、執行猶予付き判決が言い渡された裁判例なども存在します。
覚醒剤事犯を含めた薬物事件では、想定される刑罰が重いこともあり、刑事弁護士が様々な工夫を凝らした弁護活動を展開している分野でもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、覚醒剤取締法違反など薬物事件を含む刑事事件を専門的に取り扱っている法律事務所です。
違法捜査に対する対応・薬物事件に特化した対応に長けた弁護士が、迅速な無料相談や初回接見を承ります。
覚醒剤取締法違反事件で逮捕・起訴された方のご家族等は、24時間対応可のフリーダイヤル(0120-631-881)までまずはお電話ください。
【解決事例】覚醒剤取締法違反事件で保釈決定とと執行猶予付き判決獲得
覚醒剤取締法違反事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説いたします。
【事案の概要】
ご本人様(40代男性)は、愛知県津島市にある自宅で覚醒剤を使用したとして任意同行され、その後愛知県津島警察署に逮捕されました。
奥様は、「夫は20年ほど前に覚醒剤を使用して、執行猶予付きの判決を頂きました。今度こそ私がしっかり夫を見ていきますので、なんとか刑務所に行くのを阻止してくれませんか。」と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【弁護活動】
裁判所に対し、①前回の覚醒剤使用は20年前であり、常習としてとはいえないこと。②事件について反省しており、保釈をしても罪証隠滅の可能性はないこと。③ご本人様が経営する会社が事業拡大しており、保釈をしても逃亡する可能性はないこと。④ご本人様に必要なことは勾留ではなく、薬物更生プログラムを受け構成することである。①~④の理由により、裁判官により裁量保釈が認められるべきである旨主張しました。
また、①再犯のおそれがないこと、②更生のための環境が整っていること、そして ①②の具体的な根拠を主張しました。
その結果、ご本人様には保釈が認められ、裁判官が「懲役刑を科すが、長期間の執行猶予を付し、社会内で更生の機会を与えるのが相当」と判断したことにより、執行猶予判決となりました。
【まとめ】
薬物犯罪では限られた場合(シンナーなど)を除き、罰金刑のみで処罰されることがありません。
執行猶予付き判決をとれるかどうかが、大きな分岐点です。
ですが、薬物の使用で裁判になったとしても、初犯であれば執行猶予付き判決となることがほとんどです。
しかし、薬物犯罪は再犯率が非常に高い犯罪で、薬物犯罪事件で執行猶予判決となり、その執行猶予期間中に再度薬物犯罪事件を起こした場合には、ほぼ確実に実刑判決(執行猶予がつかない判決)となります。
今回の事例のように、執行猶予期間満了後の再犯については、執行猶予期間が満了してからどの程度の期間がたっているかによって執行猶予付き判決となるかが変わってきます。
概ね前回の判決から10年以上経過していれば、執行猶予付き判決を目指していくことも可能です。
ですが、裁判所に対し、執行猶予付き判決とすることが相当であると判断されるには、適切かつ効果的な弁護活動を行わなければなりません。
裁判所や検察庁への主張・申立ては、刑事事件、薬物事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。
このコラムをご覧の方で、家族やご自身が薬物事件を再び起こしてしまったが、執行猶予付き判決を目指したい、という方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、薬物事件に関するご相談を
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【解決事例】名古屋市守山区の麻薬及び向精神薬取締法違反事件で執行猶予処分を獲得
名古屋市守山区の麻薬及び向精神薬取締法違反事件で執行猶予処分を獲得した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
Aさんは、名古屋市守山区にあるコンビニエンスストアの駐車場に自家用車を停車させ、仮眠をとっていたところ、付近をパトロールしていた警察官に職務質問を受けました。
その際、Aさんが何かを隠すような素振りを見せたことを不審に思った愛知県守山警察署の警察官が、Aさんの許可を得て車内を検査したところ、LSD(麻薬の一種)が見つかりました。
その後守山警察署で取り調べを受けたAさんは、警察官に「鑑定の結果次第では再度取り調べを行うから、その際は出頭するように。」と言われました。
相談時、Aさんは、「自分は10年以上前に大麻取締法違反で執行猶予付き判決を受けている。既に執行猶予期間は明けているが、それを理由に今回の件が実刑判決にならないか心配です。」とお話されました。
(フィクションです)
【具体的な弁護活動】
Aさんはその後の捜査・取調べの結果、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪で起訴され、裁判となりました。
まず、弁護士が裁判において、被告人が薬物依存から脱却するため、自らの意思で通院治療や自助グループへ積極的に参加していることから、再度の執行猶予を与えることで、薬物依存脱却の機会を与えるべきだと主張しました。
また、Aさんは今回の件を理由に勤務していた会社を退職していましたが、執行猶予付き判決となれば再雇用することを当該会社が約束していることや、今後はAさんの父が監督をすること、薬物に関する人間関係を全て断絶するために当時使用していた携帯電話を解約していることなど、再犯防止・生活安定のための環境が整っていることも主張しました。
さらに、Aさんに同種前科があることについても、10年以上再犯に至ることなく生活していることから、再犯を理由に実刑に処するほどの非難に値せず、執行猶予付き判決が相当であると主張しました。
その結果、Aさんは執行猶予付き判決となりました。
【まとめ】
薬物犯罪で少しでも刑事処分を軽くしたいと考えている場合、被告人が深く反省していることだけでなく、薬物犯罪に手を染めない(再犯をしない)ための具体策実施と環境作りが十分にとられていることを裁判で適切に主張することが重要になります。
今回のケースでも、Aさんが薬物依存脱却へ向けて通院治療や自助グループへの参加をしていることや、Aさんだけでなく周りの人たちがAさんの社会復帰のための環境作りに尽力することを約束していることなどを適切に主張したことが、執行猶予付き判決の獲得に繋がったと考えられます。
また、同種前科があっても、今回のケースのように、既に執行猶予期間が経過し、その後数年間再犯がなかったような場合には、適切な弁護活動により実刑判決を回避できる可能性があります。
薬物犯罪で少しでも刑事処分を軽くしたいと考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、年間多数の刑事事件への対応をしてきた刑事事件専門の法律事務所です。
今回の事案のような麻薬及び向精神薬取締法違反事件も数多く取り扱ってまいりました。
是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
シンナーを正当な目的で所持すること
シンナーを正当な目的で所持することについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
AさんはDIYが趣味で、自宅で塗料を希釈するために、ホームセンターでシンナーを購入し、帰途についていました。
帰宅途中、Aさんは名古屋市名東区の路上で、愛知県名東警察署の警察官から職務質問を受けました。
警察官は、Aさんが所持していたシンナーについて「吸うために持っているんだろう」と言い、Aさんが「DIYで使う」と説明しても納得してくれませんでした。
結局、Aさんは近くの交番へ行くことになり、毒物及び劇物取締法違反容疑で話を聞かれた後、Aさんには犯罪は成立しないとして開放されました。
(フィクションです)
【シンナーは持っているだけで犯罪になるのですか?】
シンナーは持っているだけで犯罪になるのか?と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。
Aさんは塗料を希釈するためにシンナーを持っていた、というようにシンナーには溶剤としての使い道があります。
シンナーについては、あくまで「吸入目的」で所持していなければ、犯罪にはなりません。
ですので、事例のような場合は、毒物及び劇物取締法違反は成立しません。
参考に、シンナー関係の法定刑についてみていきましょう。
毒物及び劇物取締法に規定があり、広く犯罪行為が規定されていますが、代表的なものとして
①無登録販売等
3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこの併科
②(摂取・吸入・これら目的の所持を知情しての)販売、授与
2年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこの併科
③摂取・吸入・これら目的の所持
1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこの併科
などがあります。
【正当な目的で所持していたのに検挙されたら】
事例の場合、Aさんはその場で犯罪は成立しないと判断されました。
しかし、正当な目的でシンナーを所持していて、毒物及び劇物取締法違反として検挙されてしまったらどうしたらよいのでしょうか。
その時は、取調べで不利な調書を作られるなどされた結果の冤罪を防ぐためにも、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談してください。
正当な理由でシンナーを所持していたことを、弁護士から捜査機関に主張していくことや、
もちろん捜査の過程(職務質問・所持品検査・取り調べなど)で、重大な違法行為があれば、その旨を主張していくことも可能です。
シンナーなど、薬物事件で検挙されたけど、その理由や捜査に納得がいかない方は、これからどうするべきかを薬物事件や刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、薬物事件を多く扱う刑事事件専門の法律事務所です。
シンナーを正当な目的で所持していたのに検挙されてしまった、検挙されたが捜査に納得がいかないという方は、年中無休で対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
危険ドラッグを使用して死亡事故を起こす
危険ドラッグを使用して死亡事故を起こすことについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは普段から危険ドラッグを使用して自家用車を運転していました。
ある日Aさんが、いつものように危険ドラッグを使用しながら名古屋市東区内を運転していたところ、Aさんは意識が朦朧としてしまい、前方の青信号で横断歩道を歩いているVさんに気付かずVさんを撥ねてしまい、Vさんは死亡してしまいました。
Aさんは危険運転致死罪で愛知県東警察署の警察官に現行犯逮捕されましたが、Aさんは「二度と危険ドラッグを使わないから、何とか今回だけは会社にばれないようにできないだろうか」と考え、弁護士に連絡をとりたいと考えています。
(フィクションです)
【危険ドラッグを使用して死亡事故をおこす】
危険ドラッグを使用して死亡事故をおこした場合は、自動車運転処罰法第2条にある、危険運転致死罪に問われることになります。
条文は
次に掲げる行為を行ない、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
(1)アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
(2)~(8)省略
とあります。
危険ドラッグとは、一般的に覚醒剤や麻薬と同種の成分や類似の化学物質を混入させた植物片等を意味します。
危険ドラッグには、麻薬や覚醒剤よりも危険な成分が含まれていることがある、とても危険な薬物です。
使用すれば様々な健康被害をもたらし、最悪の場合は死に至ります。
【会社に知られたくないのですが…】
Aさんは現行犯逮捕されており、このまま勾留される可能性が高いと思われます。
もし、勾留されてしまえば、逮捕と併せて最長23日間警察署の留置場に留め置かれることになります。
更に接見禁止決定がつけば、弁護士以外の人との面会や手紙のやり取りが禁止されます。
勾留中は外部との連絡がほぼ途絶えてしまうため、長期間会社を無断で欠勤することになり、そこから会社側は何があったのかをご家族等に聞き、家族から話さざるを得なくなることがあります。
また、Aさんのように、薬物を使用して更に死亡事故をおこしたとなると、このような事件は社会的影響が大きいため、報道機関に注目される可能性が高く、報道や事件が公表されないようにすることは、かなり困難であると言わざるを得ません。
よって、早期の釈放を求め捜査機関と交渉する、事件を公表しないように捜査機関に働きかける、事件が報道された場合は報道機関に記事の訂正や削除を求める、などの弁護活動をしていくことになるでしょう。
薬物犯罪における釈放の交渉、捜査機関や報道機関への働きかけは、薬物犯罪ではない事件に比べ、難しいものとなります。
刑事事件や薬物事件に強い弁護士に、「こんなことを頼んでよいのか…」と思わず、ぜひ一度ご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を多く扱う刑事事件専門の法律事務所です。
危険ドラッグを使用して死亡事故を起こしてしまった、会社に事件のことを知られたくないとお困りの方は、年中無休で対応している弊所フリーダイヤル(0120-631-881)まで早急にお問い合わせください。
【解決事例】豊橋市の覚醒剤取締法違反事件で保釈許可獲得
覚醒剤取締法違反事件で保釈許可を獲得したことにつき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【事案の概要】
ご本人様(20代女性)は夫と共に覚醒剤を使用したとして、愛知県豊橋警察署に逮捕、勾留されました。
ご両親は、「娘がいないことで孫たちが精神的に不安定になっており、私たちも限界です。娘のことは私たちがしっかり見ていきますので、どうか娘を釈放してもらえませんでしょうか。」
と相談時にお話されました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
【覚せい剤取締法違反について】
覚せい剤の譲渡・譲受・所持・使用につきましては
①営利目的がない場合は、法定刑は10年以下の懲役です。
②営利目的がある場合は、法定刑は1年以上の懲役で、情状により500万円以下の罰金が併科されます。
【弁護活動】
裁判所に対し、①保釈をしても罪証隠滅を行うことは不可能であること、②保釈をしなければ、ご本人様家族への悪影響が甚大であること、③保釈をしても逃亡の可能性はないこと、④ご本人様に必要なのは勾留ではなく、薬物更生プログラムを受けることであること、などを主張しました。
その結果、保釈が認められ、ご本人様は約20日ぶりにご自宅に戻ることができました。
また、「情状により執行猶予に付することが相当であること」と認められたため、執行猶予付き判決となりました。
【薬物事件の保釈について】
まず保釈とは、身柄拘束されている被告人(起訴された人)が、一定金額のお金(保釈金)を納付して身柄を解放してもらう制度のことです。
刑事訴訟法には、
①被告人が死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき
②被告人が前に死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役、若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき
③被告人が常習として長期三年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき
④被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
⑤被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者、若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき
⑥被告人の氏名又は住居が分からないとき
以上①~⑥に該当しなければ保釈を許してもらえるとされています。
しかし、覚せい剤取締法違反事件をはじめ、薬物事件は③と④に該当すると裁判所に判断される可能性が高く、保釈の難度は高いと言われています。
これは薬物事件の、再犯率が高い、証拠隠滅が比較的簡単に行える、などの性質によるものでしょう。
保釈の請求につきましては、法律の専門家である弁護士、その中でも刑事事件や薬物事件に強い弁護士にお任せすることをお勧めいたします。
このコラムをご覧の方で、薬物事件で起訴をされた家族を保釈して欲しいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部では、薬物事件に関するご相談を
フリーダイヤル 0120-631-881(24時間、年中無休)
にてご予約を受け付けております。
税関職員によるあへん煙の輸入と自首
税関職員によるあへん煙の輸入と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。
【刑事事件例】
Aさんは税関の職員ですが、1か月ほど前より友人の暴力団員Bさんに頼まれて、Bさんが所属する暴力団が行っている、あへん煙のが入った密輸入した荷物を故意に見逃すなど密輸入に協力していました。
AさんはBさんから「これからも頼むよ」と協力するように言われていますが、Aさんは良心の呵責に耐えかねて自首を検討しています。
(フィクションです)
【あへん煙とはどのようなものですか】
あへん煙とは、煙を吸うためのあへんのことで、「あへん煙膏(えんこう)」ともいわれています。
ケシという植物の液汁を乾燥させて固めたものを「生あへん」といい、生あへんを加工して煙を吸うために使われるのが「あへん煙膏」です。
【どのような罪に問われますか】
あへんについては、「あへん法」や「麻薬特例法」の規制を受けることになりますが
今回のように税関職員があへん煙、あへん煙を吸引・摂食するための器具を輸入・輸入の許可をした場合には刑法第138条の規制を受けることになります。
刑法第138条について詳しく見ていきましょう。
刑法第138条(税関職員によるあへん煙輸入等)
税関職員が、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を輸入し、又はこれらの輸入を許した時は、1年以上10年以下の懲役に処する。
とあります。
また、未遂は罰せられます。(刑法第141条)
刑法第138条は、前段があへん煙等の輸入罪、後段があへん煙等の輸入許可罪に分けられます。
輸入罪は、あへん煙又はあへん煙を吸食するための器具を輸入することを、税関職員という身分のある者が犯すことで刑罰が重くなる不真正身分犯です。
輸入許可罪は、輸入を取り締まる立場にいるはずの税関職員が、他人があへん煙輸入罪とあへん煙吸食器具輸入罪を犯すことに協力する犯罪です。
輸入の許可をする立場にある税関職員のみが犯すことができる真正身分犯です。
※不真正身分犯とは、構成要件において行為者が一定の身分をもつことで法定刑が加重あるいは減軽されるものをいいます。
※真正身分犯とは、構成要件において行為者が一定の身分をもたなければ犯罪を構成しないものをいいます。
【自首をしたい】
自首とは、犯罪事実や犯人が誰であるかが発覚する前に、犯人自らが捜査機関に対して、自分が罪を犯しましたと申告し処分を委ねることです。
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができると刑法第42条で定められており、裁判所の判断により刑が減軽されることがあります。
しかし、自首が成立しても、必ず刑が軽減されるわけではなく、軽減されるか否かは裁判所の判断にゆだねられます。
さらに、自ら警察署に赴いて罪を認めても、自首が成立しないことがあります。
自首が成立する要件として
①捜査機関に発覚する前の申告であること
②自発的に自己の犯罪事実を申告すること
③自己の訴追を含む処分を求めること
④捜査機関に対する申告であること
があります。
もちろん自首をすれば事件が明らかになり、最終的には刑罰を受けるおそれがありますので、本当に自首をすべきかどうかは、今警察署に行って犯罪事実を申告することが自首に該当するのかどうかも含め慎重に判断すべきです。
自分が何らかの罪を犯したことが間違いないのであれば、自首をするべきかも含め、これからどうしたら良いのかを一度薬物事件や刑事事件に強い弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、薬物事件を多く扱う刑事事件専門の法律事務所です。
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