蒲郡市で犯罪収益移転防止法違反なら

2019-06-10

蒲郡市で犯罪収益移転防止法違反なら

~ケース~

蒲郡市在住のAさんは、SNSで投資家を名乗るアカウントXが開催していた「参加者の中から100人に100万円をプレゼント」という企画に参加した。
Aさんはどうせ嘘だろうと思っていたが,数日後プレゼントに当選した旨のメッセージが届いた。
メッセージには受け取り方法として「振込回数に限度があり全員に振込みをするには時間がかかるので銀行口座のキャッシュカードと暗証番号を紙に書いてを送って欲しい」という内容が記載されていた。
Aさんはどう考えても詐欺だと思ったが,「不安でしたがちゃんと振り込まれてキャッシュカードが戻ってきました」という書き込みが多数あるのを見て信用できるのではないかと考えた。
そこでAさんは、銀行で新たな銀行口座を作成しキャッシュカードと暗証暗号を紙に書いてをXに送付した。
その後しばらくして,愛知県警察蒲郡警察署からAさんの口座が特殊詐欺の受取口座に利用されており、Aさんに犯罪収益移転防止法違反の容疑がかかっているため、愛知県警察蒲郡警察署に出頭するように命じられた。
逮捕されてしまうのかと不安になったAさんは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談を利用することにした。
(フィクションです)

~Aさんに成立する犯罪~

今回のケースでAさんが行った行為は銀行口座を開設しXにキャッシュカードを交付したということです。
この行為にいかなる犯罪が成立するのかを考えていきましょう。

犯罪収益移転防止法

銀行口座を他人に譲渡した場合,犯罪収益移転防止法違反となる可能性があります。
犯罪収益移転防止法では預金通帳等を他人になりすまして使うことを知りながら譲渡,交付等をした場合には1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはこれらを併科すると定められています(28条2項)。
また,他人になりすまして使うことを知らなかった場合であっても,売却および有償で貸与した場合には同様の刑罰が科せられます。
今回のケースで,XはAさんのキャッシュカードを用いてAさんになりすまして預金の預入をすることを認識していたのですから本条違反となってしまうでしょう。

なお,銀行口座のやりとりが通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がある場合には罰せられませんが,今回のケースではどちらにも該当しないでしょう。
友人や親戚であれば今回のケースのような場合に「正当な理由」とみなされる可能性はありますがAとXは赤の他人ですのでキャッシュカードを交付する正当な理由があるとはいえないでしょう。

◇銀行に対する詐欺罪◇

Aさんは今回,Xに送るために銀行で新しく口座を開設しています。
銀行は通常預金通帳等を名義人以外の第三者に譲渡等することを禁止しており,そのような意図を秘して預金口座を開設し預金通帳等の交付を受ける行為は詐欺罪に該当します(最三平19・7・17判例タイムズ1252号167頁)。
詐欺罪が成立するには他人に譲渡等をする意思を口座開設の時点で持っていることが必要です。
元から持っていた口座を他人に譲渡したような場合には口座開設時点に遡って詐欺罪が成立するということはありません。
しかしAさんの場合は上記のXとのやりとりの直後に銀行口座を新しく開設しており,そしてXさんに当該口座を交付していますのでAさんは口座開設時点で譲渡する意思を持っていたとされ,詐欺罪が成立してしまう可能性は高いでしょう。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役刑のみが定められています。

~弁護活動~

今回Aさんには少なくとも犯罪収益移転防止法が成立します。
銀行に対する詐欺罪については,口座の開設時点では譲渡する意思はなかったが後からXに送ることにしたと主張すれば詐欺罪の立証が困難になり,詐欺罪については立件されない可能性もあります。
ただし,「口座を新しく作って送って欲しい」などという具体的に口座開設の指示があった場合には上記のような主張は難しくなります。

銀行口座の譲渡による犯罪収益移転防止法違反の法定刑は比較的軽いものとなっています。
また,送付先住所がわかれば捜査機関に教えるなど捜査に協力することによって罰金刑や執行猶予付き判決となることもあります。
銀行口座を他人に譲渡してしまった場合は、お早めに弁護士に対応を相談されることをお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件に強い法律事務所です。
銀行口座を他人に譲渡してしまいお困り・お悩みの方は0120-631-881までお気軽にご相談ください。
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