強盗未遂の現行犯と身柄解放

現行犯逮捕の身柄解放について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

~ケース~

名古屋市北区で一人暮らしをしているAさん(20歳・大学生)は,最近になってアルバイトの量が激減し生活に困窮するようになった。
Aさんは家賃の支払いや,両親に内緒で借りている消費者金融への返済ができなくなってしまった。
そこでAさんは何とかしてお金を工面しようと飲食店Vに強盗に入ることを考えた。
Aさんは午前2時に飲食店Vに果物ナイフを持ち強盗に入った。
Aさんが店員のXにナイフを突きつけ金を出すように要求したところ,たまたま来店したYによってAさんは取り押さえられた。
その後,通報により駆け付けた○○警察署の警察官にAさんは引き渡され,Aさんは強盗未遂の現行犯として逮捕された。
警察から息子が逮捕されたと連絡を受けたAさんの両親は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に初回接見を依頼した。
(フィクションです)

~強盗未遂と身柄拘束~

刑法236条

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

強盗罪は刑法236条に定められており未遂も罰せられます(243条)。
刑事事件で逮捕された場合,特に身柄拘束が必要ないと考えられる場合を除いて逮捕から48時間以内に書類・証拠と共に検察官に身柄が送致されます。
送致を受けた検察官も同様に,身柄拘束が必要ないと考えられる場合を除き,送致を受けてから24時間以内に裁判官に勾留の請求をします。
勾留が認められた場合,原則として勾留の請求をされた日から10日間,やむを得ない事情がある場合に限り通算して10日を超えない限度で延長されます。

勾留が認められるには勾留の理由および勾留の必要性が存在しなければなりません。
勾留の理由とは,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり,被疑者が住居不定であるとき,被疑者に罪証隠滅のおそれがあるとき,被疑者に逃亡のおそれがあるときのいずれかに該当することをいいます。
勾留の必要性とは,事案の軽重等の起訴の可能性,捜査の進展の程度,被疑者の個人的事情などから判断した勾留の相当性をいいます。
今回のケースではAさんが犯したのは強盗という重大な犯罪の未遂であること,およびAさんが一人暮らしであることから逃亡のおそれがあると判断され,勾留が認められてしまう可能性は高いでしょう。

~初回接見と身柄解放~

刑事事件の被疑者として逮捕された場合,ご家族の方などが面会できるのは勾留が決定されてからになります。
一方で,弁護士であれば逮捕直後であっても被疑者の方と面会することが可能です(弁護士人になろうとするものの接見)。
弁護士による初回接見では被疑者の方から事件の詳細などを聴き取り,今後の見通し,取調べ等に対する助言などをお伝えます。
そして依頼者であるご家族の方等にも聞き取った事件の詳細や今後の見通しなどをお伝えします。

今回のケースでは,Aさんは現行犯逮捕されていますので罪証隠滅のおそれは低いものの,一人暮らしであり,Aさんが逃亡しないように監視・監督できる者がいません。
そのため,Aさんには逃亡のおそれがあるとして勾留されてしまう可能性が高いでしょう。
しかし,Aさんの両親が自宅でAさんを監視・監督すればAさんが逃亡するおそれは低くなります。。
Aさんの両親がAさんを自宅で監視・監督する,捜査機関には必ず出頭させことを約束する上申書を裁判所に提出することによって勾留請求が却下される可能性もあります。
また,勾留が認められてしまった場合でも,同様に勾留決定に対する準抗告を申し立てることによって身柄が解放される可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
ご家族の方が事件を起こしてしまい逮捕されてしまったというような場合には0120-631-881までお気軽にご相談ください。
警察署などでの初回接見サービス・事務所での無料法律相談のご予約を24時間365日年中無休で受け付けています。

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