業務上失火罪で逮捕 稲沢市の刑事事件で共犯を疑われたら弁護士に相談
~ケース~
稲沢市内にある飲食店の店員Aさんは、同僚のBさんと共に、営業時間が終わったため店を出た。
しかし、AさんとBさんは、閉店後店を出る際、店内の最終テェックをしなかったためコンロの火を消し忘れ、それが原因で飲食店が全焼してしまった。
愛知県警察稲沢警察署は、AさんとBさんを業務上失火罪の共犯として逮捕した。
(このストーリーはフィクションです)
~過失犯で共犯(共同正犯)が認められる条件~
業務上失火罪(刑法117条の2)の法定刑は「3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金」です。
失火罪の法定刑は「150万円以下の罰金」ですので、業務上失火罪の方が職務として火気の安全に配慮すべき社会生活上の地位があることから、法定刑が重くなります。
ところで、今回のケースにおいて、AさんとBさんは共犯(共同正犯)とされています。
業務上失火罪は過失犯ですが、どのような場合に過失犯の共犯(共同正犯)が成立するのでしょうか。
この点についてですが、
①共同注意義務が存在すること
②その共同の注意義務に共同して違反したこと
が必要であると解されます。
今回のケースでは、AさんとBさんは飲食店の店員であるため、共同で火の消し忘れがないか確認する注意義務が存在しているといえます(①)。
また、その共同の注意義務に共同して違反したといえます(②)。
したがって、故意ではなかったとしても、共犯として2人に業務上失火罪が成立する可能性があります。
ただ、共犯として業務上失火罪に問われることになったとしても、2人の間に上下関係がある、あるいは注意義務の重さに違いがあるような場合、当然処分の重さに差が出ることも考えられます。
そのため、業務上失火罪で共犯に問われた場合、刑事事件に強い弁護士に相談し、本人にとって有利となる事情を捜査機関や裁判所に対して的確に主張していくことが大切です。
ご家族が業務上失火罪に問われてお困りの方、共犯として捜査を受けていてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談下さい。
(愛知県警察稲沢警察署への初回接見費用 39,300円)