住居侵入罪による少年事件の流れ

2021-07-13

住居侵入罪による少年事件の流れ

住居侵入罪による少年事件の流れについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

愛知県名古屋市名東区に住むAさん(17歳)は,近所にあるBマンションの敷地内において鍵を拾いました。
その1週間後,深夜,Aさんは,興味本位でBマンション全室を1部屋ずつ試し,Vさん(24歳)が居住する部屋に入りました。
しかし,Aさんが立ち入る音に気付いたVさんに110番通報をされ,Aさんは愛知県名東警察署の警察官に住居侵入罪の容疑で逮捕されました。
Aさんとその両親は,Aさんがどうなるのかと心配しています。
(2021年3月16日にHBC北海道ニュースに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【少年事件とは】

少年事件は,捜査対象者が,20歳に満たない少年・少女である事件のことをいいます(少年法2条)。

少年事件には少年法が適用されます。
そのため,20歳以上の成人(少年法2条)の刑事事件とは手続きや処分に大きな違いが生じます。

【少年事件の流れ①】

以下では,少年事件の流れについて説明します。

上述したように,少年事件には少年法が適用されることから,少年事件は,成人の刑事事件とは手続きや処分に大きな違いが生じますが,捜査の段階では,被疑者の方が少年であっても,基本的には成人の刑事事件と同じ刑事訴訟法が適用され,一部につき特則という形で少年事件独自の手続や処分が取られます。

まず,警察官は,被疑者の方(少年)を逮捕した後,48時間以内に,検察官に被疑者(少年)の身柄を送ります(刑事訴訟法203条1項)。
ただし,警察官が「留置の必要がない」と判断したときは,被疑者(少年)は釈放されます。

次に,警察官から被疑者(少年)の身柄を受け取った検察官は,24時間以内に,勾留の請求をするかどうかを判断します。
勾留とは,いわば逮捕の延長であり,証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれがある場合,住所不定の場合になされます(刑事訴訟法207条,60条1項)。
勾留の決定がなされた場合,被疑者(少年)は,検察官が勾留の請求をした日から起算して最長で20日間,身体拘束を受けることになります。

少年事件では,「検察官は,やむを得ない場合でなければ,勾留を請求することはできない」(少年法43条3項)とされ,法文上は,勾留の要件が厳格になっています。
また,少年事件では,勾留に代わる観護措置(少年法43条1項)や,勾留場所を少年鑑別所とすること(少年法48条2項)ができると規定されています。

【少年事件の流れ②】

少年事件に特有の手続き・処分は,少年事件が家庭裁判所に送られた後に多く見られます。

まず,少年事件については,捜査機関(警察官・検察官)が捜査を遂げた後,捜査の嫌疑があると判断した場合,全ての少年事件が家庭裁判所に送られることになります(少年法41条,42条)。

次に,家庭裁判所は,少年が家庭裁判所に到着してから24時間以内に,少年鑑別所での観護措置をとるかどうかを判断します(少年法17条2項)。

少年鑑別所での観護措置とは,少年の処分を決定するために,少年の性格や資質,精神状態,生活環境などを調査する手続き,およびそのための身体拘束をいいます。
少年鑑別所での観護措置は,4週間に及ぶことが多いですが,最長で8週間に及ぶこともあります(少年法17条1項3号)。

少年鑑別所での観護措置がとられる要件は,少年の調査等を円滑・確実に行うために,少年の身体を確保する必要性があることや,少年の緊急的な保護が必要であること,少年の心身鑑別をする必要があること等が挙げられます。

【少年事件の流れ③】

少年事件では,家庭裁判所の調査官が,少年やその保護者の方,参考人などと面会をし,少年の要保護性(大まかにいえば,少年が抱える問題がどういったもので,どの程度保護が必要なのかというもの)を調査します。
この結果,審判に付して保護処分を行う必要がないと判断されれば,審判不開始決定がなされます。

一方,審判開始決定がなされると,裁判官,書記官,調査官,少年,保護者,付添人弁護士らが出席する審判が開かれ,少年の要保護性や非行の事実・内容について,審理がなされます。

この審判の結果,少年には,不処分,保護観察,少年院送致,検察官送致(逆送)などの処分が決定されます。

【刑事弁護士による少年付添人活動】

上述のように,少年は,捜査段階では勾留,家庭裁判所送致後には観護措置が取られる可能性があります。
刑事弁護士は,勾留や観護措置を回避するために,検察官や裁判官に対して,書面や電話等を通して勾留や観護措置をしないように求めること,場合によっては一度出た決定に対しては不服を申し立てることができます。

また,上述のように,少年事件では,少年の要保護性や非行の事実・内容について,審判がなされます。
そのため,審判においては,少年が現在抱えている問題を解決するために十分な環境を整えることが必要になります。
例えば,ご家族の方による監督を約束する,交友関係を整理する等により少年を取り巻く環境を調整する,生活態度を改めるといったことなど挙げられます。
また,少年自身の内省を深め,被害者の方に対する謝罪の気持ちを持てるようにすることも重要です。
刑事弁護士は付添人としてそういった活動を通じて,調査官や裁判官と面談をしたり,書面を提出したりすることにより,少年を取り巻く環境や少年の内面に変化がもたらされたことなどを報告し,少年の抱える問題が解消されたことを伝えていくことになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は,刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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