準強制性交等罪と接見

2020-11-08

準強制性交等罪と接見について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部が解説します。

名古屋市昭和区に住むAさんは(43歳)は、同市内で居酒屋を営む経営者です。Aさんは、ある日、店を休業にして、店の従業員と暑気払いを開き、2時間程度飲み食いした後、お開きとしました。Aさんは、店に一人で残って後片付けなどしていました。Aさんは、従業員は皆、店から出たと思っていましたが、ある個室をのぞいてみると、女性Vさんが顔を真っ赤にした状態で寝ていました。Aさんは、Vさんに声をかけましたが反応がありませんでした。AさんはVさんを介抱しようとしたところ、Vさんが薄着だったことから、Vさんの胸元が開いているのに気づきました。Aさんはそれを見て気分高揚し、Vさんが意識のないうちにVさんと性交しようと考えました。そして、Aさんは、Vさんが着ていたパンツや下着を脱がしてVさんと性交しました。ところが、性交中にVさんが意識を取り戻したため、AさんはVさんに突き飛ばされ、Vさんから「慰謝料払わないと警察に訴えるよ」などと言われました。
(フィクションです)

~準強制性交等罪~ 

Aさんの行為は準強制性交等罪に当たる可能性があります。
準強制性交等罪は刑法178条2項に規定されていますから,まず,その規定の内容を確認しましょう。

刑法178条2項
 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心身を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,性交等をした者は,前条の例による。

前条とは刑法177条のことを指します。

刑法177条
 13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は,強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し,性交等をした者も,同様とする。

「心神喪失」とは,精神の障害によって正常な判断能力を失っている状態をいいます。例えば,熟睡,泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。
「抗拒不能」とは,心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。恐怖,驚愕,錯誤などによって行動の自由を失っている場合などはこれに当たります。
「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。「心神喪失・抗拒不能にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬,睡眠薬の投与・使用,催眠術の施用,欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。
「前条の例よる」の「前条」とは177条のことを指します。「例による」とは,法定刑を177条と同様,「5年以上の有期懲役」とするという意味です。

本件では、まず、Vさんの泥酔の程度が問題となるでしょう。Vさんが泥酔状態だったことが明らかとなれば、Aさんの行為は

人の心神喪失に乗じて性交をした

に当たる可能性が高いといえます。

~弁護士による接見のメリット~

身体拘束された被疑者・被告人は、接見等禁止という決定が出ていない限り、一応、誰とでも面会することができます。
ただし、弁護士以外の者が行う一般面会には種々の制限が設けられています。
以下では、弁護士とそれ以外の者とでどのような違いがあるか見ていきます。

~面会が可能な時期や日時

一般面会は、原則として勾留が決定した後でなければできません。
また、日時や時間は、平日の朝から夕方まで(12:00~13:00を除く)で、1日1回15分程度です。
これに対し、弁護士接見は逮捕直後から可能で、曜日も時間も制限されません。

~立会人の要否

一般面会には警察官が立ち会います。
一方、弁護士接見では立会人はいませんから、基本的に何でも話すことができます。
たとえば、今後の弁護活動に関わる余罪の有無や内容についても、警察署の職員がいないことで心置きなく話せるでしょう。

~面会の場所

身柄を拘束された被疑者・被告人は、基本的に警察署の留置施設にいますが、必要に応じて検察庁へ行くことがあります。
その場合、検察庁や裁判所内での一般面会は許されていないため、面会をすることはできません。

これに対し、弁護士接見は、検察庁でも可能です。
警察署での面会に比べると自由が制限されていますが、それでも捜査や裁判の直前あるいは直後にアドバイスを受けられる点で有益と言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋本部は、刑事事件に詳しい弁護士が、逮捕された方が少しでも安心できるよう必要に応じて接見を行います。
ご家族などが準強制性交等罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。