準強制わいせつ事件で早期釈放を目指す

準強制わいせつ事件で早期釈放を目指す

準強制わいせつ事件早期釈放を目指すケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

タクシー運転手をしているAさんは、愛知県東海市内の公園の駐車場に止めたタクシーの車内で、Vさん(20歳・女性)の胸や下半身を触るなどのわいせつな行為をしました。
このとき、Aさんは勤務中で、酒に酔っていたVさんに「送っていくよ」などと声をかけ、車に招き入れていれたといいます。
Vさんが愛知県東海警察署に被害を届け出たことにより、Aさんは準強制わいせつ罪の容疑で逮捕されました。
Aさんが準強制わいせつ罪の容疑で逮捕されたと知ったAさんの妻は、Aさんが早期に釈放されるようにしてほしいと考えています。
(2020年11月11日にFNNプライムオンラインに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【性犯罪と準強制わいせつ罪】

いわゆる強姦である強制性交等罪や強制わいせつ罪、公然わいせつ罪などは、ニュース報道などでよく耳にする性犯罪であると思います。
しかし、Aさんは準強制わいせつ罪という、よく目にする強制わいせつ罪とは違った耳慣れない犯罪の嫌疑がかけられています。

以下では、準強制わいせつ罪について解説します。

【準強制わいせつ罪とは】

準強制わいせつ罪は、刑法第178条第1項に規定された性犯罪です。

刑法第178条第1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。

参考までに、強制わいせつ罪を規定した刑法第176条を引用します。

刑法第176条
13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

この強制わいせつ罪を規定した刑法第176条から分かるように、13歳未満の男女に対してわいせつな行為をした場合は、強制わいせつ罪が適用されます。
例えば、13歳未満の男女に対して、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、」わいせつな行為をしても、準強制わいせつ罪ではなく、強制わいせつ罪が成立します。
したがって、準強制わいせつ罪とは、13歳以上の男女に対して、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、」わいせつな行為をした者に成立する犯罪であるといえます。

それでは、準強制わいせつ罪の手段である「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせ」る行為とは、どのようなことを指すのでしょうか。
準強制わいせつ罪の「心神喪失」とは、失神や泥酔状態にあること等により正常な判断力を失った状態をいいます。
また、準強制わいせつ罪の「抗拒不能」とは、心理的又は物理的に抵抗ができない又は著しく困難な状態をいいます。

刑事事件例のVさんは事件当時酒に酔っていました。
このVさんの状態は、泥酔により正常な判断力を失っていたといえ、準強制わいせつ罪の「心神喪失」にあったと考えられます。
そして、刑事事件例にAさんはこのVさんの心神喪失状態を利用して、Vさんに対してわいせつな行為をしています。
よって、Aさんは準強制わいせつ罪が成立すると考えられます。

【準強制わいせつ事件と早期に釈放】

Aさんが準強制わいせつ罪の容疑で逮捕されたと知ったAさんの妻は、Aさんが早期に釈放されるようにしてほしいと考えています。

例えば、Aさんが準強制わいせつ罪の容疑で逮捕・勾留として長期間身体拘束がされた場合、無断欠勤を理由に勤務先から解雇されてしまうかもしれません。
加えて、もしAさんが一家の大黒柱であり、Aさんの収入にのみ頼っている場合には、Aさんの停職や失職によっては、Aさんのみならず、Aさんの家族も大きな不利益を被ることになります。
Aさんに小さなお子さんがいるのであれば、長期間Aさんとお子さんが会えないことは子育てや教育上大きな問題となります。

このような事情を踏まえ、刑事弁護士としては、Aさんが準強制わいせつ罪の容疑での勾留する必要がないことや、Aさんの準強制わいせつ罪の容疑での勾留は相当ではないことなどを主張し、Aさんが早期に釈放されるよう刑事弁護活動をしていくことになると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
愛知県東海市準強制わいせつ事件釈放したい場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。

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