覚せい剤取締法違反で再犯なら

2019-05-19

覚せい剤取締法違反で再犯なら

~ケース~

常滑市在住のAさんは、Bさんに運び役を依頼し、日本での販売目的でX国より覚せい剤を輸入しようと試みた。
Aさんは、bさんに覚せい剤を巧妙に隠したスーツケースを航空機に積み込ませ、日本に持ち込んで輸入した。
しかし、空港内の税関検査場において、税関職員により覚せい剤が見つかってしまい、結局密輸することは出来なかった。
後日、Aさんらは覚せい剤取締法違反により、愛知県警察中部空港警察署の警察官に逮捕され、その後起訴された。
また、愛知県警察中部空港警察署での取調べにより、Aさんは覚せい剤密輸組織において、単なる運び屋よりも上に近い立場であることが判明した。
さらに、今回の事件は、5年前の覚せい剤取締法違反の懲役刑の執行後わずか1年たらずのものであることも判明した。
(事実を基にしたフィクションです)

~再犯~

上記のケースのAさんは、覚せい剤の輸入という、覚せい剤取締法違反及び関税法違反の罪を犯しており、しかもそれは、Aが刑の執行を受け終えてからわずか1年足らずの間に行われています。
このように、再犯をしてしまった場合、前科があることが最終的な処分にどのような影響を与えるのかについて考えてみたいと思います。

刑の執行を受け終えた後5年以内に懲役にあたる罪を犯した場合は、法定刑の2倍まで加重できるという、再犯加重の規定が刑法で規定されています。
再犯については、刑法第56条において、
「1.懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合   において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。
 2.懲役に当たる罪と同質の罪により死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により懲役に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときも、前項と同様とする。
 3.併合罪について処断された者が、その併合罪のうちに懲役に処すべき罪があったのに、その罪が最も重い罪でなかったため懲役に処せられなかったものであるときは、再犯に関する規定の適用については、懲役に処せられたものとみなす。」
と規定されています。
また、再犯の場合の刑の加重については、刑法第57条において、
再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。」
と規定されています。

上記のケースの場合、この再犯加重規定に当てはまりますので、懲役刑の上限を20年まで引き上げることが可能です。
その為、Aさんにはとても重い内容の判決が下されることが予想されます。
(同様の覚せい剤取締法違反、関税法違反事件の場合で、求刑懲役13年及び罰金700万円,量刑懲役10年及び罰金500万円の事例あり)

~再犯事件における弁護活動~

覚せい剤は極めて依存性が高い薬物のため、逮捕後の再犯を防ぐことが大変重要です。
そのため、本人だけの意思で依存性を乗り越えられないと裁判官が判断した場合、刑務所という薬を一切使えない環境下で更生をはかることが必要であるとして、実刑が下されるケースもあります。

そこで、覚せい剤取締法違反再犯事件では、再犯可能性が低下していることをいかに具体的に主張できるかが大切になります。
例えば、更正の意思、家族や周囲からのサポートを受けられる環境にあるか、薬物に関わる人間関係を断てるかなどの状況も、量刑の判断材料になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、覚せい剤取締法違反といった刑事事件のみ日頃受任しており、覚せい剤の輸入事件についての刑事弁護活動も承っております。
覚せい剤取締法違反再犯をしてしまいお困りの方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
愛知県県警察中部空港警察署の初回接見費用 39,500円)