未成年者誘拐罪と愛知県青少年保護成条例違反とは

2021-12-17

未成年者誘拐罪と愛知県青少年保護成条例違反とは

未成年者誘拐罪愛知県青少年保護条例違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

愛知県名古屋市中川区に住むAさんは、インターネット上の掲示板で、Vさん(愛知県名古屋市中川区に住む17歳の女子高校生)が家出中で宿泊先を探しているとの書き込みとVさんの連絡先を見つけました。
そこで、Aさんは、掲示板に書き込まれたVさんの連絡先に連絡し、「今なら無料で泊めてあげる」と自宅に来るよう伝えました。
その後、VさんはAさんの自宅に数日間滞在していましたが、Vさんの家族が捜索願を出したことからVさんの所在が発覚しました。
その結果、Aさんは愛知県中川警察署の警察官により未成年者誘拐罪の容疑で逮捕されました。
実はAさんはVさんと淫行もしていたことから、Aさんは未成年者誘拐罪以外の犯罪も成立するのではないかと不安に思っています。
(2021年1月5日にSTVNEWSに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【未成年者誘拐罪とは】

未成年を略取し、又は誘拐した者は、3年以上7年以下の懲役に処する(刑法224条)。

未成年者誘拐罪は、被誘拐者(誘拐される者)である未成年者の自由と、親権者の保護・監督権を保護するために規定されたと考えられています。

未成年者誘拐罪の「未成年」とは20歳未満の者をいいます(民法4条)。
また、未成年者誘拐罪の「誘拐」とは、欺罔又は誘惑を手段として、未成年者を現在の生活状態から離脱させ、自己の支配下に移して行動の自由を奪うことをいいます。
欺罔とは虚偽の事実を告げることをいいます。
また、誘惑とは甘い言葉を用いて未成年者の判断を誤らせることをいいます。

刑事事件例のVさんは17歳であり、未成年者誘拐罪の「未成年者」に該当することになります。
また、AさんはVさんに対し「今なら無料で泊めてあげる」との言葉で自宅に来るよう伝えています。
このAさんの言葉は、費用のかからない宿泊先を提供するという甘言であり、これによりVさんに判断を誤らせたと考えられるため、未成年者誘拐罪の誘惑に該当するといえます。

そして、このAさんの誘惑的発言により、Vさんは現在の生活環境から離れAさんの自宅に滞在しているため、未成年者を現在の生活状態から離脱させ、自己の支配下に移して行動の自由を奪う未成年者誘拐罪の「誘拐」に該当すると考えられます。

以上より、Aさんには未成年者誘拐罪が成立すると考えられます。

【愛知県青少年保護条例違反とは】

刑事事件例では、AさんはVさんと淫行もしていました。
このAさんの行為は、愛知県青少年保護条例違反という犯罪にあたる可能性があります。

(目的)
この条例は、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある行為を防止し、もつて青少年を保護し、その健全な育成に寄与することを目的とする(愛知県青少年保護条例1条)。

(定義)
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところに よる(愛知県青少年保護条例4条)。
一 青少年 18歳未満の者をいう。

刑事事件例のVさんは17歳であり、愛知県青少年保護条例の「青少年」に該当することになります。

(いん行、わいせつ行為の禁止)
何人も、青少年に対して、いん行又はわいせつ行為をしてはならない(愛知県青少年保護条例14条1項)。
何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない(愛知県青少年保護条例14条2項)。

愛知県青少年保護条例14条における「淫行」の意義は、「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為」であると考えられています(昭和60年10月23日最高裁判決)。

(罰則)
第14条第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する(愛知県青少年保護条例29条1項)。
次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する(愛知県青少年保護条例29条7項)。
四 第14条第2項の規定に違反した者

愛知県青少年保護条例14条に違反した場合、上記の刑罰が科せられます。

【愛知県青少年保護条例違反の追及について】

Aさんに愛知県青少年保護条例違反の罪が成立する場合、Aさんは警察官による取調べにどのように対応すればよいでしょうか。

一つの方法としては、愛知県中川警察署の警察官からの追及があるまでは愛知県青少年保護条例違反については黙秘をするということが考えられます。
また、示談の経過や早期に身柄を解放してほしい事情があるなど諸般の事情をよく検討した上、自白をするという選択肢も考えられます。
警察官の取調べに対してどう対応するのが良いかは、当該刑事事件を取り巻く様々な事情によって左右され得るので、刑事事件に強い弁護士に専門的な見地からの助言を仰ぐことが重要であると考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
未成年者誘拐罪愛知県青少年保護条例違反でお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。