自転車の窃盗事件で捜査を受けたら

2021-10-26

自転車の窃盗事件で捜査を受けたら

自転車窃盗事件で捜査を受けた場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。

【刑事事件例】

愛知県常滑市に住むAさんは,飲食宅配代行サービスの配達員をしていました。
飲食の宅配は自転車で行っていましたが,Aさんは「1件でも多く配達するため,スピードを出しやすい自転車を盗もう」と決心し,同市内にあるマンションの駐輪場に停めてあったVさん所有のクロスバイク(約3万円相当)を盗みました。
そして,Aさんは,数日間,盗んだ自転車を使い,飲食宅配代行サービスに従事しました。
後日,Aさんは愛知県常滑警察署の警察官から,自転車の窃盗事件を起こしてないかと捜査を受けました。
(2020年11月19日に朝日新聞に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【窃盗罪とは】

刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は,他人の財物を「窃取」した者に成立する犯罪です。
この窃盗罪の「窃取」とは,他人が支配する財物を,その持ち主の意思に反して,被疑者の支配に移すことをいいます。

刑事事件例では,Aさんは,Vさんが支配していた自転車を無断で持ち出し,自らの支配下においています。
よって,Aさんの行為は,Vさんが支配する財物を,そのVさんの意思に反して,Aさんの支配に移す行為であるとして,窃盗罪の「窃取」に当たります。

また,窃盗罪が成立するためには,窃盗罪に当たる行為(犯罪事実)を認識・認容していること(窃盗罪の故意)に加えて,「①権利者を排除して,被害者の方の財物を自己の所有物として,②その経済的用法に従い,利用し処分する意思」が必要であると考えられています。
上記の①権利者排除意思と②利用・処分意思を合わせて,「不法領得の意思」といいます。

刑事事件例では,Aさんは,「1件でも多く配達するため,スピードを出しやすい自転車を盗もう」と考えた上,数日間に及び上記自転車を使用しています。
ここで,数日間に及びVさんの自転車を無断で使用するとき,AさんはVさんを排除して,自身が所有者であるかのように振舞ったといえると考えられます。
よって,窃盗罪の「不法領得の意思」のうちの①権利者排除意思があったと考えられます。

また,Aさんには,Vさん所有の自転車を盗んで,自身の飲食宅配代行サービスのために利用しています。
このAさんの行為は,自転車を本来の用途に従って使用する行為であり,自転車の利用から生じる効用を享受したといえると考えられます。
ここに窃盗罪の「不法領得の意思」のうちの②利用・処分意思があったと考えられます。

よって,Aさんには,窃盗罪の「不法領得の意思」があったと考えられます。

以上より,Aさんには窃盗罪が成立すると考えられます。

【自転車の窃盗事件の刑事弁護活動】

刑事事件例のような自転車の窃盗事件では,被害者の方が存在します。
そこで,自転車の窃盗事件では,刑事弁護士を通じて被害者の方と連絡を取り,正式な謝罪と被害の弁償を行うことが重要です。

刑事弁護士を通した示談の締結をすることができた場合,刑事弁護士は,自転車の窃盗事件を捜査する検察官に示談の経緯を伝えたり,示談書を提出したりすることになります。

ここで,自転車の窃盗事件の捜査をする検察官は,起訴するのか不起訴にするのかという処分を決定する際には示談の締結の有無を重要視します。
そのため,もし刑事弁護士を通して示談を締結することができれば,自転車の窃盗事件で不起訴処分を獲得できる可能性が高まることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部は,刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
自転車の窃盗事件で捜査を受けた場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部までご相談ください。